1000台以上の大型店は、減台しながら、9割以上の稼働が低貸しになり、最後は25年以上の歴史に幕を降ろした。
この地区の最盛期では、大きなイベントデーでは開店前に400人以上並ぶことが日常だった。もちろん当時は1円5円なんか無く、全て4円20円で営業していた時代だ。
現在は、低貸しと4円20円の混合営業店と、4円20円専門店ある。
東京のこの地区のAホールは4円パチンコが揮わない。しかし、1パチと20スロは健在だ。
競合店の4パチは健在なのに、なぜホAホールは4パチの稼働がダメなのか?
簡単に言うと、粗利重視の営業をしているからに他ならない。業界人なら分かるが、稼働があるホールよりも、稼働が低いホールの方が、粗利が高いケースがある。
人口密集地でパチンコファンが多い地区ならば、粗利重視でもやっていけたり、20スロが健在ならば4円は粗利重視でもやれるホールも存在する。
どちらにせよ、この地区では、店舗数が4割以上減った訳だから、1店舗あたりのお客様数は増えている。
でも別の角度からみると、1000台規模大型店が閉鎖したり、低貸しが増えている訳だから4円20円のお客様数は減っている。
Aホールの接客レベルは、トップクラスだ。しかし、4円の稼働は競合店に負けている。
理由はこうだ。
①競合店よりも回らない遊技機が圧倒的に多い。
②機種構成が悪い。
③あそこの4円は回らないとイメージが固定化されている。
5年前にお客様が大勢いた海物語コーナーにお客様はまばら。面白いのは、1パチは回るとイメージが固定化され、最近は1パチの台数を増やしている。
Aホールの営業方針は、1パチと20スロのお客様確保に徹してしまったに違いない。新台のウルトラセブンを1パチに入れて、4パチに入れない姿勢からも読み取れる。
同じ東京でこんなケースもある。以前にも書いたが、JR中央線の武蔵小金井駅の北口の2ホールのケース。
ダイアモンド本店は老舗で50年以上地域1番店。
一方、すぐ隣のホールは現在3法人目の運営になった。
ダイアモンド本店は、この3法人の営業戦争に、圧倒的な勝利を収めている。
この武蔵小金井駅の隣町である小平市で立て続けてスロ専が2店舗を閉鎖したことは記憶に新しい。まだ5年くらい。
人口密集地の東京でも、淘汰が始まって、閉鎖が相次いでいるが、幸い4円20円の市場は残っている。だから、現存するホールには希望が見える。これならコンサルも腕が揮える。
問題は市場が壊滅状態の地域をどうするか? そんな地域ではパチンコ専門コンサルは、受けないかサジを投げる。
そこで前出のホールコンサル未経験の下高井戸さんの話だ。
彼の信条をもう一度書く。
【顧客の要望に150%答える姿勢を貫く。成績は絶対にあげる。逃げたりしない。
市場を25mプールにたとえるならば、そのプールにメダカ1匹しかいなくても必ず釣り上げる。そのプールにメダカ1匹しかいなければ、オスメスを揃えて放流して、数年後には、プールいっぱいメダカだらけにする。でもクライアントは、それでも満足しないから、満足するくらいプールを水族館にする。これがコンサルだ!】
これは、新たに市場を作ることを言っているわけで、新規ユーザーを育てると言うことを指している。
下高井戸さんは話す。
「この新規ユーザー市場開拓が下手なだけで、まだまだパチンコ業界には希望がある。
市場規模が1000万人いるのだから。ただ、パチンコ業界は目先の競争や利益ばかり見ているから、市場規模を減らすことはあっても、増やすことはできないのだろう」
かつて、私はパチンコ日報の寄稿に、
川下、川中、川上の話を書いた。
私が合繊メーカーで商品開発や営業をしていた時の話だ。
川下は店舗を指す。一般ユーザーに1番近い立場だ。
川中は問屋や販売ルートを指す。
川上はメーカーや開発部門を指す。
私が在籍した合繊メーカーは、帝人やクラレや東レクラスだった。
川上で新規の素材を開発した時、その新規素材の市場規模はゼロだった。いま航空機製造に欠かせない炭素繊維も当初市場は無かった。
消防士の命を支えるアラミド系繊維だって最初は市場ゼロだ。
ワイヤーよりも強い繊維があるのはご存知だろうか? 同じ太さならば、引っ張り強度が金属よりも強い繊維がある。
その名は、テクノーラやケプラーと呼ぶ。東レや帝人やデュポンが製造している。
用途は多様で、身近な製品も多数ある。例えば、土砂などを大量に運ぶベージュ色の袋。見たことあると思うが、あの袋を作製する時に使う縫い糸。普通の工業用縫い糸では切れてしまうが、ワイヤーよりも強い繊維の縫い糸ならば切れない。
他にはラジアルタイヤの中身に使うタイヤコードや防犯チョッキ、ヘルメットなどにも使われる。
このワイヤーよりも強い繊維も市場はゼロからのスタートだった。
話を戻すと、4円パチンコを復活させるには、市場ゼロから新たに市場を開拓することが重要だと言うことになる。
つづく

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