パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

今思えば、仇となったグロス会計

1990年代、パチンコ業界が右肩上がりで市場規模を拡大していた当時、業界外からパチンコ業界へ入るきっかけとなった現業界人は当時をこう振り返る。

「電通の友人からパチンコ業界へプレゼンするので資料を見てくれないか、と相談を受けたことがきっかけです。電話帳ほどの厚さの資料を2週間ほど首っ引きで読んで、30兆円産業と3000万人ファンという規模の大きさに物凄く驚きました。当時、トヨタ、日産などの自動車メーカーをクライアントに持っていましたが、当時の国内の自動車産業の国内市場規模が21兆円です。業界人はその数字に驚きませんでしたが、外から入ってくる人間には30兆円はとんでもないサイズです。本当に腰が抜けるぐらい衝撃的な数字でした。併せて驚いたのが、あれほど巨大な産業でありながら、なぜ、これほど社会的評価が低いのか、二重の意味で驚きました」

全盛期のパチンコ産業は国内の自動車産業を凌駕するほどの市場規模を誇っていたわけだが、数字は一人歩きするもので、未だにパチンコ業界は30兆円産業だと思い込んでいる人々も少なくない。

それが政治家だったりする。

2017年度のレジャー白書によるとパチンコ業界の市場規模は21兆6260億円となっている。全盛期に比べて縮小したとはいえ21兆という数字はまだまだでかい。

この数字は貸し玉料金による売り上げを推計したものだが、貸し玉売り上げが業界のモノサシになっていたことが仇となる。

パチンコ業界のように売り上げを貸し玉料金とするグロス方式では正確な市場規模とはいえない。やはり貸し玉料金から客に還元した出玉との差額である粗利=ネット方式にすべきである。香港市場に上場したダイナムはネット方式を採用している。

カジノの国際会計基準はネット方式だ。カジノ・インフォメーション・ビュローによると世界のカジノ市場は18兆円といわれている。カジノの世界市場とパチンコ業界では会計基準が違うにもかかわらず、18兆円と21兆円を同じ土俵で比較するからおかしな方向に進む。

世界のカジノ市場よりも日本のパチンコの方が、売り上げが多いと勘違いする。

粗利ベースのネット方式ならパチンコ市場は3兆円ほどだ。本来はこの3兆円と18兆円を比較しないと始まらない。

ネット会計にしてもパチンコ業界には3兆円のポテンシャルはあるわけだが、海外のカジノオペレーターは、この3兆円をカジノへ分捕ることを虎視眈々と狙っている。

そもそもパチンコの客層がそのままカジノの客層になるわけではない。

「IRカジノを失敗させるわけにはいかない。パチンコをギュウギュウに締め上げてでもお客さんをカジノへ流さなければならない。将来的には3店方式にも手を突っ込むことになる」(自民党関係者)

パチンコ業界がネット会計だったら、政治家も海外オペレータもここまでIRカジノに熱心になることはなかったかも知れない。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

パチンコ業界は、現状の分析と未来を予測出来ないのか? その④

先日のエントリーで、熊本地震で被災したホールチェーンが、4店舗の所有店舗を閉鎖することになった話には驚いた。

パチンコ全盛期ならば、再建は容易だったろうに、気の毒でならない。

この先、1円5円の低貸し主体の営業では、店舗を一から建て替えるのは、中々難しい、という事例でもあろう。

秋田県で国道沿いの郊外型ホールでは、やはり1円主体の営業になっている。4円は少ないながらも常連さんがいるので何とかやっているが、全盛時の様に、新台を何台も導入する余裕はない。

社長は「いつか閉鎖する日が来るのは間違いない」と諦め顔。毎日が「延命治療しているようなもの」と嘆く。

全国に同様のホールが約2500店舗と推計する調査がある。延命治療と言うよりは、ホスピスの緩和治療ホールと呼んだ方が近い。

マイホールは2店舗ある。うち1店舗は、新台のウルトラセブンを1円に入れたのに、4円に入れなかった。稼働のない4円より稼働のある1円、という選択なのだろう。

コンサルもそんな指導をしているが、言い換えれば4円は諦めた、ということだ。これでは、いつまでも4円の復活はない。

4円復活の自信がないから、4円に新台を入れないで1円に新台を入れる?

4円パチンコを今後どうするか考えなければならないのに、今は4円軽視、1円重視。いや言い方を訂正する。4円は放置、1円重視。

特に弱小ホールの4円はどうやったら復活するのか?

これができれば業界の救世主になれる。

ある大手コンサルを入れたホールの話。結論から話すと、本当に残念な結果だった。高いコンサル料をドブに捨てたようなものだった。

4円稼働は一時的なもので、今はコンサルが入る前と変わらない。

ある中堅コンサルは、ホールの経営権を取得した。業績回復の自信があったのだろう。成功した暁には、大々的にコンサル業の宣伝に使う手はずだった。これも残念な結果に。

かつては数々の実績を上げたコンサルは、今はやることに自信が持てない。だから、人口密度の高い地域で本当に見込みのある店舗しか請け負わない。研修は業績回復の責任を負わないから、研修にチカラを入れたりしてお茶を濁す。

つまり、コンサルもホールも現状維持なら善とする風潮がある。

メーカーさん、
販売会社さん、
ホールさん、
お客様、
皆さんにお聞きしたい。
これまでの5年間のやり方で、

❶4円パチンコは復活するか?

❷4円パチンコは人口密度が高い地域しかやっていけないものか?

❸人口密度が低い地域で4円20円を復活させた実績のあるホール責任者やコンサルはおられるか?

❹暫定的な計算だが、全盛期から6分の1になった4円のユーザーを、どこまで回復出来きるか?

パチンコ日報では、早い段階から、4円復活の鍵は、40玉交換だと提唱してきた。

しかし、時代は変わり、依存症対策で最高出玉は1500個規制され、40玉交換は無理になって来た。

また、パチンコ日報では、アナログ役物遊技機も提唱してきた、これは期待がまだまだ持てる。だからメーカーは、今後も面白いアナログ遊技機を開発して欲しい。頑張ってください。

4円復活を諦めることなく、業界全体で一丸となり、取り組むべきだろう。

つづく



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

熱中症対策にホールの休憩室を

連日の猛暑が日本列島を襲う。7月23日には埼玉県熊谷市で41.1度を記録。観測史上最高となった。災害的温度で、とても外に出られない。かといって家にいれば、クーラーなしでは熱中症になってしまう。

そんな猛暑日のオアシスとなっているのがホールだったりする。埼玉県のホールでは常連客だったお年寄りの憩いの場ともなっている。

ちょっと前まで常連客だったおばあちゃんが、梅雨明けして、日増しに暑さがきつくなったころから、再びホールへ足を運ぶようになった。ホールへ来てもパチンコを打つことはないが、休憩室で1日を過ごす。

そんなおばあちゃんに仲間が増えた。やはり常連客で最近は姿を見せなかったおばあちゃんが、休憩室へ来るようになった。

「家にいたら、エアコン代がかかるからここに来るのよ」と口を揃える。お年寄りはエアコンは電気代がかかるイメージを持っているが、最新型のエアコンは省エネ設計になっているので1時間で20円ほど。古いタイプでも30円を切る。

1カ月間24時間エアコン温度を23度に設定してつけっ放しテストを7畳のワンルームで行ったところ、電気代は4487円というデータもあるように、思ったほどエアコンの電気代はかからない。

おばあちゃん2人が休憩室に来るようになった本当の理由は「寂しいから」だった。

おばあちゃんたちは弁当持参でやってくる。休憩室では新聞を読んだり、雑誌を読んだり、テレビを観たりして1日を過ごす。

店長はおばあちゃんたちが弁当持参なのでお茶クーラーを休憩室へ置くことを考え、オーナーに相談した。タイガーのステンレス9.5リットルタイプでも6000円ほどで販売している。コストはそんなにかからない。

しかし、オーナーは「自販機の売り上げが下がる」という理由で却下。

そんなことを考えていたら、おばあちゃんの1人が5リッターサイズのお茶クーラーを持参するようになった。

自分たちが弁当を食べる時に飲む以外、3時のおやつの時間に飲んだりするためだったが、ある日店長は驚きの光景を目の当たりにする。

常連客に冷たい麦茶を1杯30円で販売しているのだった。休憩室で商売されては困ると思ったが、事情を聴くとそうではなかった。常連客の方から売ってくれと頼んでいたようだ。

500mlのペットボトルは一度には飲み切れないので、やがてぬるくなってしまう。それよりも冷たい麦茶を飲みたい。ただでは申し訳ないので紙コップ1杯が30円という値段に落ち着いたようだ。

店長は「家で熱中症になるぐらいならホールへ来て、パチンコをしなくてもいいから休憩室で日がな一日過ごして欲しい」と話す。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。


世界に誇れるパチンコに胸を張れ!

良くも悪くも何かを伝えることが、今何よりもこの業界に必要なことかと思い、茨城県龍ヶ崎市の田舎の弱小店から意見を述べさせて頂きます。

最盛期に1万8000店、30兆円あったパチンコ市場は今や9500店、19兆5400億円…
日本にカジノが3カ所できた場合、経済効果は1.8兆円、と報道がされた時、パチンコをしない友人は、今更ながらにパチンコの市場規模に驚かされました。

世界にあるカジノ数やその構造、会計基準が明らかに違うにも関わらず、未だ、比較対象の一つになっていることに危機感を感じます。

世界に類を見ないわが国のパチンコは、それほどまでに、恥じるものなのでしょうか?

働き過ぎ、と言われる日本人のストレスを解消できたのは、駅前に娯楽場があったからではないか、と思います。朝から晩まで必死に働いて1日を終え、ふと、立ち寄れる娯楽場があった。100円から遊べ、タバコやチョコレートを持ち帰る。戦後の日本を支えたとは言いすぎでしょうか。

パチンコがギャンブルと言われれば、それまでですが、スマホの課金ゲーム、仮想通貨もギャンブルと言えばギャンブルでしょう。

ゲームやアニメ、映画を融合させた世界に類を見ない日本のパチンコに対して、なぜ、誰もが胸を張れないのか?

世界の貧困層は遊びにも行けない。

でも、日本には1円パチンコ、5円スロットがあります。庶民の娯楽があることをNHKのドキュメント72時間が証明してくれたように感じます。

高射幸性機種のせいで、5000円、1万円とかかる遊技になってしまったことは、良くも悪くも問題点があります。

1円パチンコを始めたお店は、本当に経営的な理由からなのでしょうか?

甘デジですら、500回転とハマる中、ただ純粋に遊んでもらいたい、楽しんでもらいたい、という理由から1円を始めたパチンコ店も多くあるはずです。

手前味噌な話ですが、今年100歳になるお客様がいます。

お孫さんに連れられて毎日、2時間ほど遊んで帰られる。

なんで、毎日来るのか、と聞くと「家にいてもすることがない」と。

パチンコ屋に行くと言えば、孫も手を貸してくれる。行けば、「まだ元気なのか?」とみんなが接してくれる。

「ここで元気をもらうことが、明日の糧」とおっしゃっていただいています。

そんなにおカネを使うお客様ではありません。

1円パチンコがなければ、毎日、元気な顔を見せてくれることもないのかも知れません。

もしかしたら、1円パチンコがなければ、100歳まで生きてなかったかも知れません。

おこがましくなるつもりもなく、パチンコという遊技は、そんなに悪いものではないんだ、と。

そんなことを少しでも伝えようと、日々、奮闘しております。

カジノ視点でみても、3拠点の観光資源に頼るより、日本に9500店舗あるパチンコを観光資源とし観光税を導入する。

それらを後ろ盾に日本全国の特色も残しながら、世界にはない、パチンコという文化を発信する方が、田舎も助かるし、日本のためになるのでは、と感じます。

マイノリティな発言かと思いますが、そんなにパチンコというのは、世界に恥じるべきものなんでしょうか? 正義を否定するものでしょうか?

厳しくなる労働環境の中で生き抜く強さを考えた時に、パチンコがない日本を想像してみて欲しいです。

それは、焼肉がない日本、寿司屋がない日本と同じでは、ないでしょうか?

その本質を受け止めたうえで今後のパチンコを考えるべきだと思います。

儲かる、儲からないの前に、娯楽というのは、人間にとってなくてはならないモノで、逆に、そこを世界と比べるべきなのではないかと、思います。

長文失礼しました。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

パチンコ業界は、現状の分析と未来を予測出来ないのか? その③

業界全盛期、遊技人口3000万人の時は4円20円しかない時の数字だった。

一方、現在の1000万人は大半が低貸し客だ。仮に半分が4円20円のお客様とするならば、4円20円の遊技人口は500万人ということになる。
単純計算で4円20円客はピーク時の6分の1ということだ。

高レートを打つお客様はこれだけ減っているにも関わらず、機械代は倍以上に高騰している。

これでは4円20円のお客様の体力がもたない。

今から35~40年前は4円20円でも大学生が遊べた時代である。

警察も甘かったので、高校生でもパチンコやスロットで遊んでいた。本当に庶民が遊びやすい時代だった。

今から約40年前、東京のアルバイトの相場は、最低時給が400円から450円。今は958円だ。

当時は肉体労働者やコックさんやタクシー運転手などのブルーカラーが大勢通っていた。

時給が安い時代の方が遊技人口が多かったのはなぜか?

いうまでもなく、パチンコは金がかかるレジャーの代表格になってしまったためだ。

便宜上レジャーと言ったが、実態はギャンブである。

なんで、こんな業界になったのか? 業界人なら誰でも分かる。

それは高射幸性遊技機の設置である。

4号機時代のスロットは50万円から100万円も出る機械があったり、パチンコだって20万円くらい出る機械がいくらでもあった。

つい最近もアナログ役物機で約80万円も出た機械があった。

業界人もお客様も高射幸性機に慣れきったのが今の業界である。

賢明なお客様は業界を引退したり、低貸しに移った。今、4円20円を打たれているお客様は、よほど裕福な人か根っからのギャンブラーかのどちらか。

つまり、業界はせっせとお客様の選別を行う営業を続けてきた。

優しく言えば、お客様の選択肢を拡げた。
厳しく言えば、富裕層と庶民の選別をして、ホールの中で棲み分けた。

お客様の選択肢を拡げたとの言い訳の裏には、売り上げや粗利が取れる高射幸性の遊技機で儲けてきたツケ、と言える。

10年前までは正解に近い営業をしていたのどろうが、この10年は間違ってたのかも知れない。

お客様へのアプローチ、悪く言えばお客様への教育方針が時代の流れに合わなくなって来た。

なんとなく、それに気が付いているのだが、それを中々修正出来ない。

上場メーカーは株価を上げなければならない。

ホールはパチンコバブル時代が忘れられない。

お客様は等価でなければ打たない。

厳しいと言いながらホールは50万円以上の機械を買う。中古機でも人気機種ならば100万円でも金を出す。

お客様は、4円20円の営業方針についていけない層が増えた。

1円5円がなぜ増えたのか?
ポイントはここ。

最初の頃の1円5円の在り方はなんだったのか。

いつの間にか、1円5円が経営にとって大きな役割を果たす様になってしまった。

4円20円の稼働減少は全国的なものと諦め、1円5円の稼働を減らすことが出来なくなった。ホール本社は1円5円の成績が落ちると雷を落とす。

だから、店長以上の役職者は1円5円にしか目が行かない。

こんなことでは、いつまでも4円20円の復権は無理だ。

もう手遅れな地区が全国に散見されている。

つづく


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。