一方、現在の1000万人は大半が低貸し客だ。仮に半分が4円20円のお客様とするならば、4円20円の遊技人口は500万人ということになる。
単純計算で4円20円客はピーク時の6分の1ということだ。
高レートを打つお客様はこれだけ減っているにも関わらず、機械代は倍以上に高騰している。
これでは4円20円のお客様の体力がもたない。
今から35~40年前は4円20円でも大学生が遊べた時代である。
警察も甘かったので、高校生でもパチンコやスロットで遊んでいた。本当に庶民が遊びやすい時代だった。
今から約40年前、東京のアルバイトの相場は、最低時給が400円から450円。今は958円だ。
当時は肉体労働者やコックさんやタクシー運転手などのブルーカラーが大勢通っていた。
時給が安い時代の方が遊技人口が多かったのはなぜか?
いうまでもなく、パチンコは金がかかるレジャーの代表格になってしまったためだ。
便宜上レジャーと言ったが、実態はギャンブである。
なんで、こんな業界になったのか? 業界人なら誰でも分かる。
それは高射幸性遊技機の設置である。
4号機時代のスロットは50万円から100万円も出る機械があったり、パチンコだって20万円くらい出る機械がいくらでもあった。
つい最近もアナログ役物機で約80万円も出た機械があった。
業界人もお客様も高射幸性機に慣れきったのが今の業界である。
賢明なお客様は業界を引退したり、低貸しに移った。今、4円20円を打たれているお客様は、よほど裕福な人か根っからのギャンブラーかのどちらか。
つまり、業界はせっせとお客様の選別を行う営業を続けてきた。
優しく言えば、お客様の選択肢を拡げた。
厳しく言えば、富裕層と庶民の選別をして、ホールの中で棲み分けた。
お客様の選択肢を拡げたとの言い訳の裏には、売り上げや粗利が取れる高射幸性の遊技機で儲けてきたツケ、と言える。
10年前までは正解に近い営業をしていたのどろうが、この10年は間違ってたのかも知れない。
お客様へのアプローチ、悪く言えばお客様への教育方針が時代の流れに合わなくなって来た。
なんとなく、それに気が付いているのだが、それを中々修正出来ない。
上場メーカーは株価を上げなければならない。
ホールはパチンコバブル時代が忘れられない。
お客様は等価でなければ打たない。
厳しいと言いながらホールは50万円以上の機械を買う。中古機でも人気機種ならば100万円でも金を出す。
お客様は、4円20円の営業方針についていけない層が増えた。
1円5円がなぜ増えたのか?
ポイントはここ。
最初の頃の1円5円の在り方はなんだったのか。
いつの間にか、1円5円が経営にとって大きな役割を果たす様になってしまった。
4円20円の稼働減少は全国的なものと諦め、1円5円の稼働を減らすことが出来なくなった。ホール本社は1円5円の成績が落ちると雷を落とす。
だから、店長以上の役職者は1円5円にしか目が行かない。
こんなことでは、いつまでも4円20円の復権は無理だ。
もう手遅れな地区が全国に散見されている。
つづく

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