西日本にあるそのホールは4円コーナーが空気島になることもなく、20スロもキッチリ稼働している。この違いはどこにあるのだろうか?
「SISデータは年々右肩下がりですが、ウチは前年、前々年と比べてもさほど変わりません。現状維持というところですが、目先のことに惑わされず、オーソドックスな営業をセオリー通りにやっているだけです」(同ホール関係者)
具体的には、例えばジャグラーの設置比率を高めることだ。他の機械予算を削ってでもジャグラーに投資を集中させた。結果的には20スロの下支えとなっている。
オーソドックスな営業と言えば、最近、活況を呈してきた1種2種の混合機のような機種もすぐには導入しない。入れても様子見で1台程度だ。
実際扱いが難しく、大量出玉にビビッて急きょ稼働を止めたホールが少なくなく、メーカーもすぐに代替え機の案内や返却という対応に出た。
「奇抜な機種を大量導入することもありません。新台の98%は当たりません。市場に出ていいものを倍の値段で買ってもその方が効率はいい。機械代の予算は粗利の何%と決まっていますが、いいものがなければ予算を残してでも買いません」
この無駄な機械の買い方をしないことが、同ホールの強みになっているともいえる。機械代を回収できない新台を買い続けるから、ホールの釘は必然的に閉って行くわけで、それが客離れへとつながっているのが現状だ。
無駄な買い方をしていない分、回収を焦る必要がない。4パチ、20スロの稼働が維持できるのはここにある。
現在の気掛かりは新基準機のパフォーマンスだ。早くもSANKYOは6段階設定付きパチンコをリリース。盆明けの8月20日から導入される。
「稼働×玉単価で売り上げは想定するんですが、新基準機ではこの玉単価がどれぐらいになるか、見当もつかない。消費税は2%上がり、館内禁煙になることを考慮すると、20%下がる可能性もある。2021年までには旧基準機が総入れ替えになる。お客さんがどの辺の粗利率なら納得してくれるか、現在は模索中です」
すでに、チェーン全店のチラシを廃止し、年間で2~3億円のコスト削減は図っている。
「チラシを止めた結果、ホールスタッフが一生懸命説明するようになったので、コミュニケーションが取れるようになった」とデメリットはない。
稼働維持するためにはやはり、最後は接客が決め手となる。一旦離反するとお客はなかなか戻ってこない。そのことを一番良く分かっている。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。