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地域の輪を広げるコミュニティペーパーの役割

ホールの地域社会への貢献活動の一つの形としてコミュニティペーパーが注目されている。岡山・倉敷市に本社を置くサンエイグループが発行している「むちゅう」は、2015年春から季刊誌で創刊され現在13号を数える。

誌面は同社が営業展開する岡山・山口・滋賀県の地域情報や芸能人インタビュー、地元店舗のクーポンページなどで構成されている。

「むちゅう」を発刊するようになった経緯を経営戦略室の西里実室長は次のように語る。

「丁度、広告宣伝規制が厳しくなった時期でもありました。他のフリーペーパーも見ましたが、自社の情報が多い。パチンコ情報の代替手段とも考えられましたが、それだけでは長く続かない。地域の方々とのコミュニケーション、つながりを求めるためには自分たちの色を消した方が、地域社会に貢献できる、と考えました」

地域との結びつきを特に意識しているのが、地元店舗のクーポンページだ。同社の社員が地域の店舗へ足を運び、クーポン店舗を開拓して行く。クーポン券が地域との関りを持つためのとっかかりにもなっている。

創刊して3年も経つとクーポン券も徐々に定着してきた。



ジャンボ水島店が担当しているお弁当屋さんでは、100円引きのクーポン券が月に650枚ほどコンスタントに使われている。あまりにもの使用量にお店の負担になっていないか、と危惧。西里室長が菓子折りを持って挨拶に行ったが心配無用。嬉しい悲鳴だった。

サンエイ倉敷本店と同一敷地内にあるTSUTAYAでも旧作DVD・ブルーレイが1枚無料になるクーポン券が毎月200枚ほど使われている。

「地域情報が載っているから手に取ってもらえる。そして、クーポンも使っていただける。地域の輪が広がればいいですね」

クーポン券を使って1人でも足を運べば、売り上げに貢献して、win winの関係を構築することになる。




アンケートはがきから読み取れるのは、「むちゅう」の入手先として、ホール以外ではクーポーン券の協賛店舗、というのもある。パチンコをしない人にもサンエーいグループの存在を知ってもらうことにも役立っている。

「むちゅう」は岡山県立図書館からもコミュニティペーパーとしてお墨付きをもらっている。1年ほど前、館長名で地域のコミュニティペーパーを展示するコーナーに展示したい旨の手紙が届いた。

創刊号のバックナンバーから保管用と貸し出し用に2冊ずつ送るようになった。

特集のテーマは地元でも知っているようで知らないような情報を取り上げる。最新号では岡山市の池田動物園を取り上げた。同園は天皇陛下の姉で、昭和天皇第四皇女の池田厚子さん(86)が園長を務める。開業65年を迎えるが、入場者の低迷で累積赤字は2億円に達し、存続の危機に立たされている、との新聞報道があった。



特集記事では古き良き動物園の良さを伝えながら、送客の援護射撃をする内容となっている。

「宇部のときわ公園を取り上げた時も、すごく喜んでいただいて、園内で配るので200部欲しいという声を頂きました。コミュニティペーパーは成果が数字になって表れるものではないが、地域とのつながりを大切にしている会社と認識していただければ十分です。取材を通じて色々な広がりができることがコミュニティペーパーの魅力です。これからも地域の輪を広げていきたい」(西里室長)

サンエイグループは吉田社長自らが総付け景品のティッシュBOXを配るほど、お客さんとの距離が近い営業を続けている。業界は右肩下がりの業績が続いている中、業績を維持しているが、それだけでも大変なことである。

今日も稼働維持をテーマに薄利営業を続ける。


※フリーペーパー、コミュニティペーパーに関してパチンコ日報でも承っています。
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