2人連れの中年の女性客がホールに入ってきた。周りをキョロキョロしながら落ち着かない様子は見るかに初心者だった。そこでスタッフが声掛けした。
「パチンコは初めてなんだけど、楽しいかどうかやってみようということになって来ちゃいました。どの台が勝てますか? おススメ台はありますか? おススメ台は勝てますか?」と矢継ぎ早に、初心者らしいド直球の質問が返ってきた。
応対したのは30代の契約社員だった。変な答え方でもしたら、後々大変なことになるかも知れない。答えに窮して主任に接客を振った。
主任は「パチンコも時の運なので、おススメ台が勝てるかどうかは分かりません」と前置きして、1パチの甘デジを勧めた。
店長は主任からこの件で報告を受けて改めて考えさせられた。
店長にすれば利益を出すためには4パチに力を入れたいところだが、現実問題として、現場の判断ではパチンコ初心者には4パチを勧めることはできなかった。店長本人も同じように1パチの甘デジを勧めていただろう、と考えた。
4パチでも打とうものなら、1000円はあっと言う間に消えてしまう。パチンコの楽しさを知ることなく1回で止めてしまう可能性がある。
4円が衰退して行くのは、そのまま業界が衰退して行くことを意味する。
稼働がない4円に新台を投入するより、稼働のある1円に新台を投入するホールもある。
「1円に客を付けるのは負け犬がやること。4円の稼働を上げたいホールの手法ではない。4円と1円に同時に新台を入れるホールもあるが、それもNG。1週間でも2週間でも遅らせないとダメ。1円と4円の差別化は必要。1円客は4円客のお下がりでいい。1円を優遇するのは1円の稼働が欲しいだけ」(業界アドバイザー)と1円に新台を入れることを真っ向から否定する。
1円の他、50銭、25銭と低貸しの多レートをやるようになると危険信号が点滅し始めている状態でもある。
4円は全国的にどこもきつい。まず、4円の市場規模を把握していないと無駄な努力になる。それと肝心なことは1000円スタートである。1000円で15回以下では稼働が上がるはずもない。20回が基準で、18回でも稼働は上がらない。
加えて、スタートを回しただけでもダメ。スタートを回して、勝率が下がったのでは意味がない。スタートを回して勝率が上がって、初めて稼働が上がる。勝率管理も必要になってくる。稼働が上がる勝率を把握しなければならない。
まずは4パチを打たない環境是正から始めなければならない。
折しも、東京のマルハン新小岩店は2月27日の改装オープンで、176台あった1パチを廃止してパチンコ402台がすべて4円に変更された。

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