では、改めて質問の中身を見ていこう。
杉田議員はギャンブル依存症問題から次のように斬り込んだ。
「(ギャンブル依存症は)パチンコが一番多い。パチンコはギャンブルには当たらないのか」
これに対して警察庁生活安全局の山下局長は「パチンコは現金を提供することを禁止している。また、著しく射幸性のある遊技機を設置しないようにしている。風営法の枠内なら賭博罪には当たらない」とこれまでの政府見解をなぞった。
ここまでは想定の範囲。杉田議員は矛先をパチンコの3店方式に向ける。
「カジノはチップを賭けてそれを現金に換える。パチンコは出た玉を3店方式で外に出て現金に換える。この3店方式は目くらましのようなもの。(警察庁の)レクでは外に出てからは関知しない、という答弁が返ってきたが、3店方式を規制する必要があるのではないか」と警察庁の姿勢を追及した。
山下局長は「客がパチンコ営業者以外の第三者に売るのは承知しているが、ただちに風営法違反ではない。第三者の買取を規制した場合、一般的なものの売買まで際限なく規制が広がりかねないと考えられる。実質的に同一であると認められたものは厳正な取り締まりをする」と応酬した。
ここで杉田議員は「ギャンブル依存症をなくす気があるのか」と呆れてみせた後、「パチンコはアクセスの良さがあるから、出玉規制では依存症対策にはならない。駅前にずらっとあるので、これをなんとかしなければならない」とパチンコ店の立地にまで噛みついてきた。
さらに、生活保護とパチンコの関係にも言及する。
別府市で生活保護受給者が生活保護費でギャンブルをしないとの誓約書を取っていることを「拍手喝采もの」と評価した。そのうえで「生活保護費でギャンブルが禁止にできないのなら、生活保護法を変えればいいだけ」と持論を展開した。
では、なぜ、杉田議員はここまでパチンコを目の敵にするのか?
理由として考えられることは、杉田議員はカジノ推進派であるからだ。
日本でカジノを成功させるためには、海外オペレーターは20兆円市場のパチンコマネーをカジノに呼び込みたい。そのためには、3店方式に規制をかけ、換金できなくなれば、パチンコは黙っていても衰退していく。
さしずめ、そんなところだろう。
残念ながら、パチンコの換金ができなくなったからと言って、イベント狙いのスロッターは行くかもしれないが、パチンコ客がそのままカジノ客とはならない。

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