ところが、途中からベースに入らないのはメーカーが出荷時からそういうゲージになっていたことが発覚して、検定機と性能が異なる可能性のある遊技機問題が浮上する。
この問題にいち早く注目したのが民進党(当時)の高井崇志議員だった。2016年4月の衆議院内閣委員会でパチスロは自主的設置をすでに決定している役比モニターをパチンコにも設置することを提案している。
パチンコにはその予定がなかったことに不満を募らせ、2017年3月8日の衆議院内閣委員会で松本国務大臣にパチンコの役比モニター設置を迫った。
これを受けて松本国務大臣は次のように回答した。
「パチンコの性能表示機能は射幸性を抑制するためにも、出玉性能が簡単に分かり、過度な射幸性を防止することができる遊技機の開発を日工組にも指導している。その実現への取り組みを警察としては見守って行く」
日工組には検定機と性能が異なる遊技機問題では負い目があった。先に日電協の方が自主的に役比モニターを搭載することを決定。ベース問題の発端はパチンコなのに、日工組が取り組まないのはおかしい、という空気が流れて行く。
それでも、「営業が終わってから他入賞に玉を入れれば意味がないので、パチンコに役比モニターが搭載されることはない」(パチンコメーカー関係者)と断言していた。
健全化、不正防止という大義には抗うことはできない。2月1日から保通協に持ち込まれたパチンコの新基準機は、この役比モニターの搭載が必須となった。

役比モニターは4桁の7セグ表示で主基板上に搭載される。アウト60000発ごとのベース値を表示していく。それが1回前の60000発、2回前の60000発、3回前の60000万発ごとのベースも分かる。最大で3回前までで4回前は破棄されていく。

一般入賞口の入賞は30%以上でなければならない。30以下の低い数字を表示していたら、違法改造=釘調整していると見做される。
「ベースを守ると今度はスタートが回らなくなる。回らないとパチンコそのものがつまらなくなるという意見もあるが、せっかく、設定が認められたのだから、違法と言われる釘調整にしがみつくのではなく、パチンコの設定をフルに使って先にノウハウとして身に着けて行くべきだと思う」(スロット関係者)という意見もある。
パチンコ新基準機からは釘よりも設定で勝負する時代になって行く?

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