で、道民が好むのは断然マトンの方だ。
「ラムからマトンには行けるが、マトンからラムには戻れない」と道民はマトンを絶賛する。
ラムとマトン。
パチンコで言うならばラムが1パチで、マトンが4パチともいえる。勝った時の醍醐味は断然4パチのはずなのに。4円は先人たちが長年かけて作り上げてきた貸し玉料金だった。
それなのに、パチンコ業界では逆転現象が起こっている。
4パチから1パチにレートを下げると、二度と1パチから4パチには戻れない。
1パチがスタートして、当初はスリープユーザーが戻ってきたりして、遊技人口が増えた時期があった。1パチは遊技人口減少に歯止めをかけた、と称賛された。
あの時業界は1パチに舵を切らなかったら、業界の衰退がもっと早く進んだ、とも思われていた。
しかし、1パチが普及すればするほどホールの財務体質は奪われていく。今まで1000円で販売していた定食を250円で販売しているのと一緒だから利益がどんどん削られて行っている。
今になって思えば、1パチにシフトするのではなく、等価交換、高射幸性から脱却して、あの時に業界全体がゆるやかに40玉交換に切り替えるべきだった。メーカーは40玉交換仕様の機械を作るべきだった。
そうすれば、4円営業は守られていたはずだ。
1円客は50銭、20銭には行けるが、二度と4円には戻らない。業界はマトン客を作らなければならなかったのに、方向性を見誤った。
「メーカーは当然のことながら、ホールが減少することを前提に経営戦略を立てています。メーカー同士がタッグを組んで、遊技人口を増やそうなんて気は毛頭ありません。むしろ、競争相手にはどんどん潰れて行って欲しい、というのが本音です。カジノ問題から依存症対策が生まれたように、パチンコ業界はお客さんを増やしてはいけないのです。つまり、ホールさんの売り上げが回復してはいけないのです」(大手メーカー営業マン)
ホール側もしかり。競争相手にはどんどん潰れて行って欲しい。店舗数が減れば減るほど1店舗当たりの客数は増える。仮にホール数が5000軒まで下がり、遊技人口が8000万人程度で歯止めが効けば、客数は増える。そのために、出店意欲のあるホールは出店攻勢をかける。
「3分の2の出玉規制はあれで済んでホッとしています。確変が禁止されたら目も当てられないところでした。業界はメーカーがコントロールしています。規制を大きく受けないようにするのがメーカーの役目です」(同)
高射幸機漬けにして、客もホールもそれを求めた。メーカーがコントロールするから業界がダメになった。
これでホールが遊技人口を増やす努力をすれば、依存症対策の観点からすれば批判も浴びる。カネを使いすぎて借金して犯罪を起こしたりするのが問題になるのなら、カネをあまり使わないでファンのすそ野を広げるしかないが、機械作りはメーカーに委ねられている。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。