この時、業界の救世主となったのが三共のフィーバーであり、平和のゼロタイガーだった。従来の一般電役とはまった違う発想のパチンコ機によって、業界は復活するだけでなく、30兆円、3000万人の巨大市場へと成長して行った。
人間には寿命があるように、企業にも寿命があり、30年説というのがある。どんなに優秀な人材を集めようとも、どんなに経営トップが優秀でも30年以上も能力を発揮し続けることは困難である。
起業からの1/3の期間は右肩上がりの成長期であり、この期間は若い企業として成長の勢いがあり、一定水準まで企業力を蓄える重要な時期である。
中盤期の1/3は実力が一定水準まで達した状況下で経営状況が水平型の経営安定期の状態である。
最終期の1/3は成熟期という状況であり、良い意味では円熟期の良さがあるが成長の勢いは感じられない状況だ。
企業30年説とダブるのが今のパチンコ業界の状態だ。パチンコ業界に革命を起こした2つのパチンコ台もすでに35年以上が経過している。この発想で機械を作っている限り、パチンコ業界は発展も成長もない。
警察庁が長年黙認してきた釘調整を違法と言い出して久しい。これまで、日報では釘調整の代替え案もなしに違法と言われてもホールは毎日釘調整を行っている現実を踏まえ、設定の復活を提唱してきた。
それが、今般の遊技機規則の改正でパチンコも6段階の設定が認められることになった。来年2月1日以降に登場するパチンコには設定を付けることができる。
釘調整が違法と言われて、逆にパチンコ業界に参入を目論んでいるおもちゃメーカーがあるという。釘のないパチンコ機を保通協に持ち込んだメーカーもあるようだが、釘がなくなれば、パチンコ業界の参入障壁がなくなるからだ。
パチンコは特許の塊で、その特許を使うためには日工組へ加盟しなければならない。しかし、釘のないパチンコということは日工組メーカーの持つ特許に抵触することのないものを作れる可能性がある。
おもちゃメーカーは、犬語が分かる翻訳機を作るような柔軟な発想を持っている。柔らかい頭で従来のパチンコとはまった違うものを20万円以下で提供してくれたら、フィーバーが登場した時のように、再びパチンコ業界が復活する可能性がある。
業界を変えてくれるのは案外外部メーカーなのかも知れない。

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