今年もあとわずかですね。
業界には強い北風が吹く日々です。
先日営業1号さんも記事に書いていましたが、ホールの売却話が活発化しています。
水面下で進んでいた話の中には驚く話もあります。
ホールのある場所は濁して書きますが、25年以上前には、テレビでも紹介された超大型ホールが、来年閉店されることが決まったのは今年夏前のことです。
開店当初は1000台オーバーの大型店にもかかわらず、連日90%以上の稼働。
当時はパチンコの黄金期。交換率は40玉8枚交換営業でした。4号機時代は、朝から300人は並んでいた。
来年閉店することが決まったことは、未だにお客さんも換金所のおばちゃんも知りません。
建物は自社物件で築43年。
建て替えするにも、解体費用だけで数十億の見積もりだったと聞く。
4円、20円の稼働が落ち込み、主流の低貸の利益では、解体費プラス建築費をとてもペイできない。
そんな状況下で区画整理の話が舞い込み、一気に閉店の話が進んだ。
土地、建物は既に大手ゼネコン名義となり、今は閉店のXデーまで営業している。
跡地は高層マンションとなり、下層階にはテナントや不足している保育園が入る。そこにはパチンコホールのスペースはない。
今年グランドオープンした、とある大型商業施設は、駅前の立地なのだが、当初からパチンコホールは排除していた。
かつては集客に利用したパチンコのは、もう時代に合わないのだ。
話を戻そう。
前述のホールは売却後は完全に姿を消す。
理由は何度も言うが、1円5円主流では解体建築費も出ない。
低貸し時代では、老朽化店舗が建て替え時期が迫っていても、建て替えることもできない、ということだ。
大手ホールでさえも、築30年以上の自社物件を建て替えない方針だ、という。大手ホールでさえこの状況だから推して知るべし。よほど体力のあるホール企業しか、建て替えもできない時代だ。
こうした流れからも、ホールは減少の一途を辿る。
複数のオーナーは「今ある箱を大切に使い続けて、限界になったら閉店」と口を揃える。
さらに、大地震に見舞われたら、それがキッカケになり店舗数は減る。ただ解体費用は行政の負担になるかも知れない…なんて冗談も出るしまつ。
かつては営業利益が1500億円も出ていた大手小売りチェーンは、今は赤字。当時は週休3日を真剣に検討していた。小売り業もホール業も、あとには戻りたくても戻れない時代なんですね。
前出の来年閉店するホールは、閉店期日を公表するまで粛々と営業するだけ。店内には、未だに新規会員募集のポスターが貼られ、出玉を多少増やしている。
1000台クラスで、コンビニの様な景品交換場がテレビで紹介された超大型優良店の落日…
次回は、その原因について分析してみる。
つづく

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