役人の世界だけでなく、一般の会社でも上司の心を推し量りながら=部下が忖度しながら仕事を進めて行くのはよくある光景だ。
パチンコのホール現場では、このことは忖度とは言わす、「先読み行動」と呼ぶ。お客が今、何を欲しているか、客に言われる前にお客の心を読み取り、先に行動に移す。
毎日やって来るような常連客などは決まった行動パターンがあることが分かってくる。いつも打つ台に座ったら、まず、オシボリを取りに行って、次に決まった銘柄のお茶ペットボトルを買う。
先読み行動とは来店して、着席した時点でオシボリとお茶をそっと差し出す。予期していなかった行動は、ちょっと感動を生む。
常連客として扱ってもらえている、といい気分になる。
そう、スナックでその店に足繁く通うようになるきっかけとは、お客の気持ちを良くさせることだ。だから、スナックのママはまず客の名前をすぐに覚えて、名前で呼ぶのは常套手段だ。名前で呼ばれることで親近感が増す。さらにママは客の好みや趣味なども会話の中から探り、次に来た時はちゃんと趣味の話などをして、「あなたのことはちゃんと覚えていますよ」とシグナルを送り、気持ちよくさせる。
こうして、常連客になって行く。
今回、一般人が使うことがなかった忖度が、一躍一般にも使われるようになり、予想通り今年の流行語大賞を獲得した。
ただ、残念なのは、忖度が悪いイメージになったことである。忖度することがまるで悪いことのように使われるのは本望ではない。
忖度とは先読み行動と一緒で、本来はいい使われ方をしなければならない。
IRカジノでは安倍首相自らが第三の経済成長戦略と位置づけ、推進してきた。カジノオペレーターの選定では、公明正大性は必須だろう。相当厳しい身体検査を行われるので、叩けば埃が出てくるような会社はライセンスの時点で振り落とされる。
日本でもカジノオペレーターに名乗りを挙げたいセガサミーの里見治会長と安倍首相の仲は、里見会長の娘の結婚式に出席していることは周知の事実だ。
公明正大に選択されたとしても、与党やメディアは忖度があった、と騒ぎだすんだろうな。ま、それまで安倍政権も続いていないかも知れないが。

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