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ホール企業でも非正規社員を正社員化することで助成金が下りる

厚生労働省が国策として推し進めているのが、企業が雇用するパート、アルバイト社員などのいわゆる非正規社員を正社員に雇用することだ。

企業が従業員をすべて正社員雇用していれば、社員の生活も安定して、結婚も考えられる。ところが、景気の調節弁として使われて来た非正規社員などが増えたことによって晩婚化=少子化が進む一因となっている。

2050年頃には日本の人口は1億人を切ると推計されているが、国力を挙げるためには、日本の人口を増やすことが急務である。そのためには、やはり企業が正社員を雇用することがより重要となって来る。

そこで、厚労省は非正規社員を正社員雇用した企業に対して、助成金を支給しているのだが、これが意外に知られていない。

青空マネジメントの小西憲英部長が、ホール企業で活用できる助成金についてこう話す。

「ホールで総務の仕事をしていた時に社労士から助成金の話しは聞いていたのですが、実際に自社で実施したところ実績が出たので、昨年7月に会社を設立して、助成金のコンサル業務をすることになりました。アルバイトを教育して正社員に雇用して、半年以上勤務することで、1人当たりトータルで約80万円の助成金が会社に支給されます。非正規を正規雇用に転換する制度を検討している会社には絶対にお勧めです」

同社の母体はホール企業で、小西部長自身、現場での店長経験を経て本社で総務の仕事に携わっていた。一般的に総務という仕事はポジション的には裏方で、ホール現場が売り上げを生む花形部門と見做されている。

小西部長は3年間、自社で助成金に取り組んだ結果、総務でも数字を作る部門になれることを確証した。

さて、助成金の中身について話を進めて行こう。

まず、ホール企業でも対象となるのが「キャリアアップ助成金」だ。

キャリアアップの人材育成コースは、アルバイトを正社員に雇用するためにOFF-JTとOJT研修したことに対する助成金だ。研修機関は外部でも内部でもOK。例えばOJTは、社内でも指導する立場にある人が、通常業務を現場指導する。

期間は3カ月~6カ月間。1日7時間OJT研修をしたとして、訓練の総合時間は3カ月だと300時間になる。この時間に760円が掛けられ、22万8000円の賃金助成が支給される。

次のステップとして、正社員化コースがある。諸条件を満たした非正規雇用の実績が6カ月以上ある人が、正社員登用されて半年以上勤務すると、57万円が支給される。

つまり、アルバイトを正社員にすることで、1人当たり、79万8000円が助成金として支給される。ただし、年間対象人数に制限はある。

正社員を対象にした「人材開発支援助成金」の一つに、職業能力検定制度導入コースがある。これはキャリアコンサルティングやファイナンシャルプランナー、ウェブデザインなどの技能検定(受験料企業負担)に合格した人に報奨金を支給すると、企業には47万5000円が支給される。

どんな企業でも申請が通るわけではない。対象者が雇用保険に入っていることは必須条件だ。さらに、過去半年以内に解雇者を出している企業は審査の対象外となる。

青空マネジメントの三山哲緒社長は助成金活用についてこう話す。

「パチンコ業界は助成金を使えるイメージがありません。実際、社労士さん自身が知らないケースもあります。助成金を頂けるということは企業がどんどんホワイト化することでもあります。そのお手伝いをするのがわが社の役目です。総務の仕事は裏方で営業成績を上げる部署ではないのですが、助成金に取り組み始めると『数字を作る総務』として会社にも貢献できるし、総務のモチベーションも上がってきます。ホワイト企業化を目指す会社の総務課には特に共感していただいています」

社労士でもこの制度を知らないケースがあるように、審査対象企業でもノウハウがないと面倒くさいことになり、諦めてしまう。助成金には付きものの不正受給があったことから、より細かい要件が問われ、難易度が高くなっている。


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