業界歴は20年。年齢は40代前半。
最近、1店舗が閉鎖になった。残りの半分も閉店しなければ会社の存続が危ぶまれている。
で、店長の悩みというのは、店舗が減ればそれに併せて店長職もなくなる。また、店舗が閉店になれば、次は自分の店がその対象となり、店長ではいられなくなる、という不安だ。
店長ではいられないということは降格を意味する。年齢的にも40代前半で転職するには最後のチャンスだと思っている。それなら、景気のいい東京へ出れば店長の仕事もあるのではないか、と考え、業界関係者に相談の電話を入れた。
まず、店長として働ける店舗を紹介して欲しい、という依頼に対してその関係者は店長を一喝した。
「業界で人を紹介するということは余程あなたのことを知らないとできるものではない。これまで、メールのやり取りをしただけの関係でそんなことはできない。最近も設定漏えいで会社をクビになった店長の件があったでしょう。紹介した私が信用を失うことにもなる。情報は流すが、後は自分でやるしかないです」
この言葉にショックを受けたが、考え方が甘い、と言わざるを得ない。店が閉店になれば店長職を失うようなレベルの店長を、店長として採用してくれるようなホールはない。
「一人息子を大学に行かせて卒業するまで後5年はおカネがかかるので、子供のことを考えると後5年は頑張らなければいけないんです」
店長になって5~6年。年収は580万円。しかし、蓄えはほとんどない。
さらに店長は深刻な状況を抱えている。奥さんが躁うつ病で、うつの状態が続くと外にも出られない。それが10年ほど続いている。
これでは東京へ行くことなど無理である。
結論は決まった。転職は諦めて、今の会社にしがみつくしかない。ホール主任に降格になろうとも奥さんと子供のために我武者羅に働くしかない。
電話口で店長の嗚咽が聞こえてきた。会社の事、家族の事、将来の事を考えると不安で、不安で仕方なかった。
東北などの地方は過疎化、高齢化の影響をもろに受けやすい。だからといって諦めてはいけない。東北でも4円、20円だけでしっかりお客さんをつけているホールがある。そこにはホールスタッフ以上に戦力になっているクリーンキーパーやガードマンの存在があった。やり方次第ではいくらでも方法はある、ということを証明してくれている。
そのホールの事はいずれ日報でも紹介する予定だ。
この店長のように業界の将来を不安視している業界人はごまんといるが、企業努力で為せば成るものだ。

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