本来、高射幸性パチスロの撤去は2年前、業界6団体が2017年12月1日までに設置比率を30%以下にすることを取り決めていた。
ところが、IR実施法案でギャンブル依存症がパチンコも含めて包括的に行われることになったことで、潮目が完全に変わった。
5月9日、警察庁は業界6団体に対して「2年前とは状況が違う」として高射幸性パチスロ撤去の再検討を要請してきた。つまり、警察庁としては目標を前倒しにするなり、ゼロ%にするかの回答を待っている。この返事を今月中にはやらなければならない状況だが、全日遊連と日電協の話し合いが難航している。
パチンコ機の撤去の時と違って、パチスロは射幸性が高い、という理由だけで設置することに違法性はない。ホールとしては違法性のない機械を撤去するなら補償金として20万円ぐらいは欲しいところだが、日電協側の回答は1~2万円程度だ。
この入れ替え費用は、それでなくても苦しいホールの財政事情を直撃することになる。大手になればなるほど、台数を多く抱えているので莫大な費用になる。
「今回は売り上げを上げるための積極的投資ではない。ホールには非がないので外したくない。せめて検定期間の3年間は店の自由意思で使わせて欲しい。もし、外さなかったらどうなるか、ということを顧問弁護士とも相談している」(大手ホール関係者)
では、なぜ、警察庁は高射幸性パチスロの撤去の再検討を迫っているのか?
「ある情報によると、カジノに忖度しているのではないか、といわれています。カジノとパチンコを完全に棲み分けするためにパチンコ店のパチスロは徹底的に射幸性を落とす。射幸性があるのはカジノのスロットマシンで、射幸性が低いのがパチンコ店のパチスロに早く持っていきたいのでしょう。カジノができるのはまだまだ当分先の話しですが、警察庁も仕事をしているところを政府に見せなければならないのでしょう」(同)
カジノにあるスタンダードな1ドル機は777が揃うと一撃で12~15万円相当が出る。万枚出るパチスロ機はなくなるが、これではカジノとパチンコ店の差はあまりない。
いずれ、パチスロは純増1枚になるのではないか、ともいわれている。そうなれば、パチンコの確変もいよいよなくなる可能性だってある。
ギャンブルと遊技の線引きがはっきりされたら…
パチンコが右肩上がりの時は、公営ギャンブルを蹴散らしてきたが、そのしっぺ返しが始まる。
考えただけでも恐ろしい。

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