パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

オワコンといわれるパチンコが復活するために

挫折を乗り越えて日本のトップアイドルグループにのし上がったAKB48が結成10年目にして、ネットでは「オワコン」の声が挙がっている。この2~3年の初期メンバーが次々に卒業して行き、にわかファンからすれば知らない顔ぶれのAKBはもはやAKBでもない。

浮き沈みが激しく、飽きられやすい芸能界にあって10年目で「オワコン」と呼ばれるようになったAKBだが、フィーバーが登場して35年になるパチンコ業界にも同様に「オワコン」の声が挙がっている。

10年一昔といわれる中で、35年間もデジタル抽選機パチンコの時代が続けば、そりゃ飽きる、というものだ。その辺のことはメーカーも分かっているから、手打ち式のA-gonや普通機に特化した愛喜などの新参メーカーも誕生するわけだ。

オワコンといわれながらもパチンコがしぶとく生き続けられるのは、「換金」以外の何ものでもない。それがなければ、大騒音の中で何時間も打ち続けることはできない。

業界人も「オワコン」を素直に受け入れなければ、新しいものは生まれてこない。

オワコンといわれながら復活した代表格が2004年にサービスを開始したソーシャルネットワークのmixiだ。SNSの草創期には日本でSNSといえばmixiだった。

サービス開始からわずか2年目の2006年に東証マザーズ市場に上場を果たすものの、2008年頃からTwitter、Facebookのアメリカ発のSNSが日本にも浸透し始める。

mixiは匿名性が強かったの対して、Facebookは顔出しの実名性をウリにした。SNSでは両極端な存在だったが、リアルな人間関係が構築できることからFacebookの実名性が受け入れられる。

2012年には大学生のmixi離れが顕著になる。首都圏でSNSを利用している学生の割合は96.6%。複数のサービスに登録しているが、実際に最も使うSNSの1位はTwitter(49%)。LINE(35%)、Facebook(10%)と続き、mixiは2%、とオワコン状態に陥っていた。mixiはスマホ対応が遅れたことが痛かった。

SNSでは瀕死の状態だったmixiが復活したのは、スマホゲームの「モンスターストライク」へシフトしたことだった。

モンスト自体は2013年10月の配信開始より急速に人気を高め注目されていたものの、スマホゲームの巨人であるパズドラを脅かす存在となるには至っていなかった。しかし、2014年から圧倒的なテレビCMの物量作戦によってダウンロード数が急増。一気に売上ランキングでパズドラに次ぐポジションを獲得。同年後半には、徐々にパズドラを抜き、短期間ながらも首位を記録する機会が増加した。そして、パズドラと主役の座を奪い合うゲームアプリに育った。

新たなSNSの登場やスマホの台頭で本家のSNSでmixiは、辛酸を舐めることになったが、スマホゲームに戦略をシフトすることでmixiは復活することとなる。

これをそのままパチンコ業界に当て嵌めると、メーカーはスマホゲームに鞍替えせよ、ということになるが、言いたいことはそういうことではない。パチンコホールが復活するためには、何をすべきか、ということ。

パチンコでもない、スロットでもない、それでいて風営法に適合する新たな遊技機の登場が必要になってくる。


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パチンコ依存症よりスロット依存症の方が少ない?

ギャンブル依存症患者を取材し続けているライターが面白い話を教えてくれた。

取材を通じて知り合った依存症患者とは、その後の追跡取材のためにも、定期的に連絡を取り合っている。その中の一人Aさんはパチンコで人生を狂わせてしまった。パチンコで借金を重ね、やがては自己破産というパターンだ。

自己破産までしたAさんは「二度とパチンコには手を出さない」と誓ったものの、再びホールへ舞い戻ってきた。今は1パチでもきつくなり、「0.5パチならギャンブルではないから、いいだろう」と自分に言い聞かせながら、時間があれば0.5パチを打っている。

そんなAさんの日課がピーワールドトップ画面を見ることだ。

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Aさんが着目しているのは掲載店舗数だ。

10月6日現在10,096店舗となっている。Aさんの楽しみは早く1万店舗を切るXデーを見届けることだ。ギャンブル依存症から未だに抜け出せないことは、自己責任だが、自分を依存症にしたパチンコ店が憎いので、早く1万店舗を切ることを指折り数えて待っている。

「確変に入った時のスピード感がたまらない。これがあるから止められません」(Aさん)

依存症患者を取材してライターが気づいたことが一つある。

パチンコ依存症という言葉はよく耳にする。パチンコ・スロットもひっくるめてパチンコ業界と見做しているために、パチンコ依存症というのかと思っていたが、取材して行くうちにスロット依存症という人に巡り合っていないことに気づいた。

スロットの場合複雑な遊技性を覚えるのに専門職的な要素があるのに対して、パチンコは専門的なことを覚える必要もなく、ただ、パチンコ玉を打ちだすだけだ。ずぶの素人でもすぐにできるのがパチンコで、何も考えずに打っていればいい。ここにパチンコ依存症に陥りやすい要因があるのではないか、と考えるに至った。

もちろん、ライターがスロット依存症の人に巡り合えなかっただけで、パチンコ依存に比べて、スロット依存の少ないということであれば注目されるところである。

要はハードルが低い方がそれだけ、依存症に陥りやすいということは分かる。

事実、射幸性が高いから依存症になるのではなく、1パチができたことで依存症になった人もいる。

依存症患者の聞き取り調査を人はこう話す。

「射幸性が高いと1万円がすぐになくなり、結果的には破産して終わるんですが、1パチなら1万円あれば3~4日遊べる。長時間遊べるから仕事をしなくなる。射幸性が高いからのめり込むのではないのです。つまり射幸性を落とすことがのめり込み防止にはつながらない、ということです。長時間打つことでパチンコ脳が形成されて行き、大当たりを引くとアドレナリンが分泌され、興奮する。とにかく、当たりが見たい。当たりならたとえそれが10円でも100円でもいい」

依存症からホームレスになる人もいるが、空き缶を集めて2000~3000円貯まると1パチを打つ、という。

つまり、ハードルの低さが依存症につながることを裏付けている。


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射幸性を落としても依存症の対処療法にすらならない

依存症と高射幸性とは関係がない、ということを何度か取り上げてきたが、今回もそれにまつわる話だ。

都内に住む30代の主婦A子さんは、5歳の子供が幼稚園に通っていた頃、育児と家事で手一杯な生活が嫌になりはじめていた。昼間は幼稚園バスの送り迎え、夕方からは家族の食事作り。そんなことは誰もが当たり前にやっていることなのに、A子さんにとってはそれが苦痛でもあった。

ある日ママ友に誘われて、昼間パチンコ店へ行った。

ビギナーズラックとはならなかったが、嫌な日常から現実逃避できたことに、自分の居場所を見つけられた思いになった。

やるのは1パチ、5スロ。

2000~3000円使ったら切り上げる程度だった。負けることが半年ぐらい続いた時、今までの負けを取り戻すために、初めて4パチに挑戦した。

その時8万円も勝った。1パチでは味わえない勝ち方だった。そこから、パチンコから離れられなくなった。頭の中はパチンコのことしか考えられないようになった。

それまでは平日、子供が幼稚園に行っている時にやっていたが、家族にウソをついて土日もやるようになった。その頃からヘソクリも底を尽いてきた。

そこで手を出したのが消費者金融だった。審査では5万円程度しか借りられなかった。

複数の消費者金融から15万円を借りた。生活費から返済した。

パチンコから足を洗おうと思う気持ちはあるが、抜けられない自分がいる。

そんな時、旦那が三重県へ転勤することになった。

三重県へ引っ越して、近くにパチンコホールがないような場所へ引っ越したら、これでパチンコを辞められると思い、周りにパチンコホールがない場所を探した。

ところが、パチンコをやりたい、という気持ちが抑えられず、車で1時間かけてパチンコホールへと向かった。

使う金額は相変わらず2000~3000円。とにかく、玉を打っているとホッとした。

そんな自分に嫌気が指して、精神科医で診てもらった。

寂しい心を埋めるため、という程度で原因は分からないままだった。

完全に止められないままの日が続いたある日のことだった。

運よく、連チャンに次ぐ連チャンで玉箱を何箱も積んだ。その日は何故だか背後に視線を感じた。従業員がずっと後ろに立っていたのだ。

打ち終えるとすぐに従業員が台を開けて何かを調べている。

ゴト師と疑われていることに気づき、玉を一杯だしたら疑われることが怖くなり、それでパチンコを止めることができた。

暫くパチンコから離れていた。

ある日家族でドライブ旅行に出かけた。子供が急にトイレへ行きたくなり、パチンコ店へ立ち寄った。従業員に説明してトイレを使わせてもらった。

A子さんは床に落ちていた1発の玉を拾って打ったところ、これがスタートに入り大当たりしてしまう。打つのを旦那に代わってもらい、子供とA子さんは車に戻る。

旦那が車に戻って来たのは2時間後だった。

大勝ちした。

旅行代を差し引いて、3万円をA子さんに渡した。

せっかく止めていたのに、この3万円を貰ったことで再びパチンコにのめり込むようになった。

ヤミ金で作った借金は70~80万円に膨らんだ。

本当にパチンコを止めたくて、パチンコ店のトイレに貼っているリカバリーサポート・ネットワークにも電話を入れた。周りに止めてくれる人がいないと止められないことも分かってくる。止められるクスリがあればいい、と思い、別の精神科医に足を運んだ。

「日本全国にパチンコ店があるので、あなたの場合難しい」

実家の母と同居してパチンコへ行かせない環境を作った。

同居は1年以上続いた。行かせない環境は物理的に出来ても、頭の中はパチンコのことばかりだ。コンビニへ立ち寄ってパチンコ雑誌を見ただけで心は穏やかではいられない。母親の目を盗んでパチンコ店へと向かった。

そんな折、旦那が転勤で今度はタイへ行くことになった。当初は単身赴任の予定だったが、A子さんのパチンコを断ち切るために家族でタイへ行くことになった。

これで完全にパチンコのない環境が出来上がったことになるが、依存症から完全に脱却できたわけではない。タイでパチンコに代わる心の隙間を探すことになる可能性がある。

依存症とは心の隙間を埋める病気であって、射幸性を落としても依存症の対処療法にすらならないことが分かる。



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2リッターの水が60円で販売される意味

写真を見てもらおう。

ドン・キホーテで2リッターの水が1本60円で販売されている。

安いからといってパチモノではなく、コカ・コーラ社の森の水だより。通常の販売価格は311円だから、80%引きという激安ぶり。

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では、なぜ、80%引きの60円という激安価格でドン・キホーテは販売しているのか、というのが問題だ。

水の量での値段の差はほとんどない。ほとんど運賃のようなものだから、安くできる。
利益を度外視して目玉商品として販売している。
というものではない。

理由は以外にも簡単な理由だ。

答えは「安くしないと売れないから」。

どういうことかというと、通常売れる飲料水のペットボトルのサイズは500ml。これなら、飲みかけのものを鞄の中にも入れておくことができる。持ち運びに丁度いいサイズといえる。

これが2リッターとなると鞄の中に入れておくサイズでもなく、家の冷蔵庫の中に納まるのが定位置。

いくら安くても持って帰るだけでも2リッターは重たい。これがお茶なら重くても持って帰るが、水でそこまでの労力は使いたくない。

売れないものは安くしなければ売れないが、それが欲しいものでなければ安くしても売れない。

パチンコ業界の商法は一般社会とは違っている。欲しくない商品を売りつけるために編み出されたのが、抱き合わせ販売を経ての機歴販売だ。

絶対的コンテンツを持つメーカーがこの悪名高い販売方法をついつい使いたがる。下位メーカーからすれば、いつかは機歴販売できるメーカーになることが一つの夢であり、上位メーカーのステータスとなる。

メーカー側にも機歴販売の論理はある。

「機歴販売は非難の対象になっていますが、縛りがなくなったら、今の値段でメーカーはやっていけません。ホールさんが買いたい時に欲しいだけ買う、という販売方法は、結果的にはホールが困る。ベストではないがベターな販売方法。自由な販売方法になれば、売れない機械は、売れない。そうなるとメーカーは開発費や人件費が出なくなる。結果的には、メーカーは機械代を今よりも10万円以上は上げることになる。機械代が50万円以上になる。年間に販売する新機種の数も少なくなる。これはホールさんにとっても不幸なことではないでしょうか」(メーカー関係者)

検定機と性能が異なる可能性のある遊技機の撤去問題でも、まさかの機歴販売を仕掛けてきたメーカーが出てきたことには、ただただ驚かされた。

警察のさじ加減では、大半のメーカーが検定取り消しになっていたかも知れない。検定取り消しになれば、5年間は保通協に機械を持ち込めない。それはメーカーの倒産を意味することでもある。

メーカーもホールも粛々と撤去問題を進めて行かなければならない時期に機歴販売は、火事場泥棒のようなものだ。

メーカーにNOを突き付ける時にこの2リッターのペットボトルを営業マンに。

その心は、

「安くてもいらない」

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タバコと共通点が多いパチンコの行方

2011年2279万人
2012年2216万人
2013年2195万人
2014年2059万人

年々減少しているこの数字は、JTが発表している日本の喫煙者人口の推移である。パチンコの遊技人口の推移と似ている。

このまま行けば2000万人を切るのも時間の問題だ。2014年度の2059万人の内、女性の喫煙者が500万人ほど含まれているので、成人男性は1500万人(30%)が喫煙者だ。ピーク時の昭和40年代は、成人男性の83.7%が吸っていたことを考えると隔世の感がある。

もう一つタバコとパチンコが似ているのが、この数字だ。販売本数は年々減少しているのに売り上げは増えている。いうまでもなく値上げによるものだ。

パチンコも遊技人口が減少しているにも関わらず、市場規模は漸減状態で、一人当りの投資金額が増えた結果でもある。

無題

喫煙者が減るきっかけとなるのは、2003年に施行された健康増進法だ。これによって公共施設での受動喫煙を防止することが義務付けられた。受動喫煙を防止するということは、全面禁煙にすることが一番手っ取り早い。

喫煙人口が少なくなることでどんどん締め付けが厳しくなる。今や日本人の喫煙率は約20%。職場でも禁煙にするところが増えているように、タバコを吸える場所はどんどん狭められている。

タバコを見ていると、人口が少なくなると叩かれやすくなるという反面教師でもある。パチンコも遊技人口が減れば減るほど、叩く環境が整って行く。

タバコが健康増進法ならパチンコのターニングポイントは、2011年の東日本大震災後のパチンコ業界の対応だった。電力不足の中都内の一部のホールがネオンを煌々と点けて営業していたことが批判の対象となり、都内ではヘイトスピーチが湧きおこる。当時の石原都知事がパチンコバッシングの急先鋒となり、政令で無駄な電気を使っているパチンコ業界と自販機を規制しようとした。世間のパチンコ業界に対する潮目が変わった。

これを機にパチンコメーカーのテレビCMがピタリと止まった。この時期にパチンコのCMを流していたら火に油を注ぐ様なものだ。東日本大震災が契機となりメーカーのテレビCM自粛は続いている。

ダメ押しは検定機と性能が異なる可能性のある遊技機撤去問題が、一般紙で報道されたり、問題が国会にまで行ってしまったことだ。

こうなるとパチンコすることはカッコ悪いことと世間は思い、パチンコに無関心な人はますます無関心になる。喫煙者が減ればタバコを吸うのがカッコ悪くなった風潮とも合致する。

このまま遊技人口が減って行けば、さらに叩きやすい業界になってしまうことを業界首脳は分かっているのだろうか?

業界だけでなく、ユーザーまでが叩かれないようにするにはどうすべきかを考え、行動しなければならない。


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