浮き沈みが激しく、飽きられやすい芸能界にあって10年目で「オワコン」と呼ばれるようになったAKBだが、フィーバーが登場して35年になるパチンコ業界にも同様に「オワコン」の声が挙がっている。
10年一昔といわれる中で、35年間もデジタル抽選機パチンコの時代が続けば、そりゃ飽きる、というものだ。その辺のことはメーカーも分かっているから、手打ち式のA-gonや普通機に特化した愛喜などの新参メーカーも誕生するわけだ。
オワコンといわれながらもパチンコがしぶとく生き続けられるのは、「換金」以外の何ものでもない。それがなければ、大騒音の中で何時間も打ち続けることはできない。
業界人も「オワコン」を素直に受け入れなければ、新しいものは生まれてこない。
オワコンといわれながら復活した代表格が2004年にサービスを開始したソーシャルネットワークのmixiだ。SNSの草創期には日本でSNSといえばmixiだった。
サービス開始からわずか2年目の2006年に東証マザーズ市場に上場を果たすものの、2008年頃からTwitter、Facebookのアメリカ発のSNSが日本にも浸透し始める。
mixiは匿名性が強かったの対して、Facebookは顔出しの実名性をウリにした。SNSでは両極端な存在だったが、リアルな人間関係が構築できることからFacebookの実名性が受け入れられる。
2012年には大学生のmixi離れが顕著になる。首都圏でSNSを利用している学生の割合は96.6%。複数のサービスに登録しているが、実際に最も使うSNSの1位はTwitter(49%)。LINE(35%)、Facebook(10%)と続き、mixiは2%、とオワコン状態に陥っていた。mixiはスマホ対応が遅れたことが痛かった。
SNSでは瀕死の状態だったmixiが復活したのは、スマホゲームの「モンスターストライク」へシフトしたことだった。
モンスト自体は2013年10月の配信開始より急速に人気を高め注目されていたものの、スマホゲームの巨人であるパズドラを脅かす存在となるには至っていなかった。しかし、2014年から圧倒的なテレビCMの物量作戦によってダウンロード数が急増。一気に売上ランキングでパズドラに次ぐポジションを獲得。同年後半には、徐々にパズドラを抜き、短期間ながらも首位を記録する機会が増加した。そして、パズドラと主役の座を奪い合うゲームアプリに育った。
新たなSNSの登場やスマホの台頭で本家のSNSでmixiは、辛酸を舐めることになったが、スマホゲームに戦略をシフトすることでmixiは復活することとなる。
これをそのままパチンコ業界に当て嵌めると、メーカーはスマホゲームに鞍替えせよ、ということになるが、言いたいことはそういうことではない。パチンコホールが復活するためには、何をすべきか、ということ。
パチンコでもない、スロットでもない、それでいて風営法に適合する新たな遊技機の登場が必要になってくる。

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