極めてグレーな釘や換金問題に目が行きがちだったが、他にもまだあった。
「ハンドル固定は結構やっている。過去、それで営業停止になったホールもある」と指摘する。
最近グランドオープンするホールの中には、固定ハンドル客を見つけるとその場で注意するケースもある。
鉄は熱いうちに打て。何事も最初が肝心で、細かく注意するホールであることをまず知らしめるには、グランドオープン時は有効だが、諸刃の剣。下手に注意すると「もうこんな店には来るか!」と反感を買う。
ヘビーユーザーともなるとそんな注意はお構いなし。あるユーザーは「オロナミンCの白いキャップを使っている。これが非常に具合がいい」と固定ハンドルを止めるつもりはさらさらない。
行政指導がまだ緩かった25年以上昔は、ホールのカウンターに強力な輪ゴムを「ご自由にお使いください」と置いていたホールもあった。非常に悪質であるが、許認可営業者という認識が薄い時代だった。
固定ハンドルが禁止されている理由は、施行規則(第九条の著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機の基準)の中にある。
パチンコ店には著しく客の射幸心をそそる恐れのある遊技機を設置してはならないのだが、ぱちんこ遊技機の基準の中に、「客が直接操作していないにもかかわらず遊技球を発射させることができる遊技機であること」と明記されている。
加えて、パチンコが賭博ではなく、遊技である以上、客の技術介入が必要となる。
禁止されていても、固定ハンドルをするのは、長時間遊技では腕が疲れるからだ。
海シリーズは年寄りファンが多いのに、カリブから固定ハンドルができない構造になって、特にカリブは急激に稼働が落ちたともいわれている。
それなら、メーカー側は固定ハンドルをしなくても腕が疲れないハンドルを作ればいい。今のハンドルは腕を捻っているから人間工学的にも疲れる。
昨年、京楽の仮面ライダーにバイクハンドルが付いた、という一報を聞いた時は、アビリットがかつて販売したことがあったバイク型ハンドルの復活かと喜んだの束の間だった。長時間遊技しても腕が疲れないのはバイク型ハンドルである。
固定ハンドルを徹底的に取り締まったら、現在残っているユーザーからは反感を喰らうだけだ。それこそ、それをきっかけにパチンコを止める人も出てくるかも知れない。
それなら、固定ハンドルにしなくても疲れないハンドルを作れば、固定ハンドルを取り締まられることもない、という話しだ。
ハンドルを振動させたり、光らせたりするよりも疲れないハンドルをユーザーは求めている。

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