パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

こぼれ玉哀歌

子供がパチンコ店に入ることに緩かった時代、子供が床に落ちた玉を拾って親に渡したりしている光景があった。

それを彷彿とさせる大人が現れた。

床に落ちている玉を拾っては、休憩室で雑誌を読んで1時間ほど休憩して、再び店内に戻りこぼれ玉を拾うだけなので、正確には客でもない。

身なりは普通で、浮浪者でもない。拾った玉が貯まるとタバコに交換していた。

それに最近気づいた店長が声を掛けた。

「あなたの玉じゃないんだから、今日で止めて下さい」

男は事情を話した。

「生活保護でタバコも買えなくて…」

玉を店外に持ち出すことはできないが、この男はホールごとに4つの袋を持っていた。つまり、毎日、4軒ほどのホール巡りをしては、こぼれ玉をせっせと集めては、玉が貯まるとタバコに交換していた。

涙ぐましい努力だ。

今、タバコは400円以上もする。100円時代なら25発でよかったが、100発以上も拾わなければならない。

稼働のいい店舗ばかりを4店舗ほどぐるぐる回っていた。

1日4軒回って1箱交換していたとしたら、1カ月で1万2000円ぐらいになる。それだけ、ホールの床にはおカネが落ちている、ということである。

これがコインなら1枚20円なので効率はもっと良くなる。

「ホールでもメダルの溜まりやすい場所がある。昔はコイン洗浄機の周りだった。物差しを持ってきて、下に落ちているのを掻き出す者もいた」

このおじさんが日報を読むことはないだろうが、店からとがめられることもなくもっと効率のいい方法がある。

例えば新宿や渋谷の繁華街の中にある自販機で、下がグレーチングの側溝になっている場所にある自販機が一番おカネが落ちている、という。理由はおカネを落としても下が側溝で蓋を取ってまで拾おうとはしないからだ。

そんな立地で自販機が5台も6台も並んでいたらもうそこは宝の山だ。

こんな宝の山を見逃すわけもない。

ホームレスの縄張りが決まっていて、朝が明けきらない早朝から拾いに行って、何カ所も回れば1日で2000~3000円になることもあるようだ。

各台計数機の普及に伴い、こぼれ玉もめっきり少なくなった。


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