特に商圏が大通りを挟んで2つに分断される駅前立地ではそれが顕著に表れる。
そのいい例が東京・町田だ。
グランドオープンから1カ月で改装に入り再オープンしたマルハン町田も地元客によると「思ったほど稼働が伸びていない」という。
町田市は小田急町田駅とJR町田駅が交差するターミナルだが、パチンコ客はPIAやゴードンのある小田急側の方が多い。JR側にあるマルハンはゲームセンターの物件で、2軒隣りのともえは既存店の居抜き物件だ。同じくJR側で長らく営業していたピーアークもことし1月末を持って閉店したばかりだ。
つまりJR側はパチンコ客の人の流れが少ない、ということになる。ともえが居抜き物件ということは、前の店が芳しくないから閉店した、ということだが、ともえは他の物件とセット買いだったようで、それも織り込み済みでマイペースで営業をしている。
駅前立地の話になってしまったが、本題はこれからだ。
MAX機規制の話で、MAX機に粗利を依存しているホールの今後がどうなるか、という話だ。ホールの中でも大都市圏で営業しているホールはMAX機の粗利依存の割合が特に高い。
「MAX機やAT機の利益というものはそもそもがオマケだった、と頭を切り替えなければなりません。規制後の今から正常に戻るだけ。粗利を簡単に取れるMAX機をいつまでも追い求めていてはダメ。MAX機に粗利を依存していた大手の凋落がこれから始まる」と指摘するのは業界事情通。
昔から強く、今でも強いホールは常に機種構成のバランスを考えてきた。
セブン機の設置台数規制が取っ払われて、ほとんどのホールが売り上げの上がるセブン機の比率を一気に高めたが、「荒い客ばかりにはしたくない」との理由からハネモノ、権利モノ、スロットをバランスよく設置して、遊びたいお客さんのニーズにも応えてきた。
売り上げ一辺倒ではない経営方針は連綿と続いているので、店舗数も無暗に拡大していない。
MAX機規制にまつわるこんな裏話も組合上層部から漏れ伝わって来る。
「1/400を残して、等価交換営業を止めて射幸性を薄める、という話も出たが、ホール側の強い反対があった。1/350にするか1/300にするかという議論の中で、また自主規制することになる恐れもあるので、その間を取って1/320に落ち着いた。また規制をかけられたらその次に1/300にする。一番恐れているのは確変がなくなること」
大物議員の威光がなくなった時が確変がなくなる、と観測する向きもある。
「1/320になってもまた爆裂する機械を作ればいい、とメーカーは裏をかくことばかり考えているから、規制を繰り返されることになる。メーカーは本来楽しい機械作りに専念するのが本分」
とはいうものの、ニーズのある機械を作り続けた結果が、遊技という名のギャンブルになってしまった。

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