こうした動きに併せて証券アナリストの下には、海外の投資家からパチンコ業界に関する問い合わせがちょこちょこ来ている、という。
海外の投資家にパチンコを説明するのは、結構労力を要する。
パチンコに近いものはカジノだが、店内換金は認められていない。特殊景品を景品交換所へ持って行って換金する3店方式を説明するのに苦労する。それがグレーであるために日本では上場できないことを説明しなければならない。
3店方式の次は、現在のパチンコ業界の潮流だ。
パチンコの貸し玉は1玉4円だったものが、現在は1円が主流になっていることで、売り上げが下がっていること。ダイナムは1円営業を主体にしていることを説明する。
1円パチンコの収益性については、新台なら40万円する機械代を中古を使うことで、クリアしていることを説明するが、ここで鋭い質問が返ってくる。
「新台価格の40万円は、4円パチンコだからペイできていたが、1円パチンコで新台価格をペイすることはできるのか? 4円で使った新台が中古市場に流れているが、1円が主流になったら、新台を買えなくなって、中古市場へ機械が流れてこなくなるのではないか?」
将来的に1円が主流になった時に直面する問題だ。今はまだ新台を買える状況にあるから、中古機が生まれるが、新台を買う台数も年々減少してしているので、中古のタマも少なくなる。
中古市場が枯渇しないためには4円の復活が求められるが、景気回復に期待するしかない、という他力本願ぶり。
いずれにしても、1円パチンコで経営が成り立つためには、中古機をどれだけ安く仕入れられるかにかかっている。低コストの機械代が1円パチンコの肝だ。
ダイナムのように規模が大きくなれば、PB機をメーカーに発注することもできる。実際、何機種かPB機を採用している。
また、機械の検定期間を現行の3年から5年へ延長することも、機械代コストを下げることにつながる。
車は10年以上乗ると、車検が毎年になるので、10年目で廃車にすることが多かった。いわゆる「10年車検」が廃止になり、10年以降も2年に1回の車検になってから10年を超えた車でも値段が付くようになった。
これをパチンコにも適用すれば、機械代の削減につながる。
1円パチンコで中高年のユーザーは、古い機械でも回せば、稼働が上がる、というデータもあるようだ。検定期間が5年に延長されたらメーカーは新台が売れなくなって困るだろうが、まずはホールが体力を回復することが先決だろう。
機械代を劇的に抑えることができれば、1万円使ってもらって、9000円返す、という営業も成り立つ。
これが本来のパチンコの姿である。
以上のようなことを海外の投資家に説明しているが、簡単には理解されないようだ。

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