好むと好まざるに関わらず、認知症は誰にもその日がやってくる。
東北のホールで80歳過ぎの常連のおじいちゃんもそんなお客さんの一人だ。日報でもこれまで何度か認知症の老人客のことを取り上げてきたが、各ホールもそういうお客さんの対処方法を考えなければいけなくなってきている。
で、このおじいちゃんのケースだが、トイレや食事に席を立った時に、自分の打っていた台が分からなくなる。それが一度や二度ではない。席を立つたびに同じことが起きる。
では、傍から見ると認知症に見えるのかといえば、そうではない。
普通に会話もできるし、会話していても何らおかしいところはない。
おじいちゃんは1パチ専門で、貯玉もやっているが、貯玉のやり方や引き出し方はちゃんとできる。
ただ、問題なのは席を立つと自分が打っていた台が分からなくなる。
おじいちゃんの家族は「迷惑をかけることがあるかも知れないが、このまま遊ばせて欲しい」といわれ、店長も出禁にするようなことはしていない。
今は従業員が絶えずおじいちゃんが打っている台を覚えて、その台に誘導するようにしているので大きなトラブルには至っていない。
パチンコホールの客層は高齢者の割合が比較的多い業界だ。
スロットは別としてパチンコを支えている大事なユーザーが、高齢者といっても過言ではない店舗も少なくない。
高齢化社会とパチンコ業界は切り離せない関係にある。そこで、脳神経科学の第一人者である篠原菊紀教授監修の下に行われているのが、健康パチンコ、略して「けんぱち」だ。
篠原教授の実験からパチンコ、スロットは脳の活性化につながり、遊技中はリラックス効果があることも実証されている。
さらに認知機能低下の予防策として「脳への刺激」「適度な運動「コミュニケーション」「バランスの良い食事」の4つの要素が基本といわれているが、パチンコホールへ行くことは、歩いて行くことで適度な運動となり、店へ着けば知り合いとのコミュニケーションも生まれ、パチンコそのものが脳への刺激となる。
4つの要素のうちパチンコをすることは3つの要素が含まれている。
自分が座っていた台を忘れるのは、このおじいちゃんだけでなく、全国にはたくさんいるものと思われる。認知症の初歩と思われるこの症状を防ぐことはできないのだろうか?

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