パチンコ日報

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16割分岐営業に踏み切れない理由

等価交換に慣れきっている今のユーザーに「交換率は悪いけど、よく回り、初期投資もかからない。負ける回数も今よりも少なくなる。ただし、勝った時、等価で1万円が6250円にしかならない。どっちを選ぶ?」と聞いたらほとんどが、どうせ負けるのだから勝った時にリターンが多い「等価を選ぶ」と答えが返ってくるだろう。



もはや、パチンコは何十年もかけて遊技からギャンブルへと変化して行った。今のユーザーは等価を支持している。それをいきなり昔の16割分岐の営業スタイルに引き戻すことはできない。



パチンコが繁栄したのは業界が等価に舵を切ったからだ。しかしその反動が今は客離れとなっている。等価ではユーザーもおカネが続かないからだ。そりゃそうだろう。サラリーマンの小遣いが3万円時代に、高額なおカネがかかるパチンコなどできるはずもない。



1円でも等価になれば遊べない状況が続く中、中堅ホールのオーナーが「1円のユーザーを4円に戻す最後の手段が40個交換である」との結論に達したのだが、なかなか踏み出せない。それは、16割営業で成功している事例がないからだ。



事例は少ないが、1円で16割分岐営業で成功しているホールはある。そのホールは元々、高齢者が多数を占めていたため、勝ち負けよりも、投資額を抑え、毎日来店できる営業スタイルの方を支持してくれたために、成功した。



16割分岐営業で成功事例がないことに加え、踏み切れないもう一つの大きな問題が貯玉だ。



ある日を境に、「等価の25個交換から40個交換に変更する」とアナウンスした時、一番恐れていることが一斉に起こるであろう“取り付け騒ぎ”である。



実際に1973年、愛知県の豊川信用金庫で取り付け騒ぎが起こっている。これは電車の中で女子高生の何気ない雑談がきっかけに流言飛語が自然発生的に生まれ、それが瞬く間に「信用金庫が倒産する」とデマにすり替わった。



信用不安から短期間で預金が一斉に引き出され、その額は20億円にも上った。



「一気に引き出された時、換金所のおカネをいくら準備していいかも検討もつかない。パチンコ客に比べて、スロット客は特に貯玉で遊んでいる人が多いので、一気に引き出されたら会社も危なくなる」



それは、貯玉の交換率を変更しても貯玉客が損をしないように設定を変更して、損しないと事情を説明すればユーザーには納得してもらえるようにも思えるのだが、等価ではない店では打たない、といわれればアウトだ。



こうなるとユーザーも一度ガラガラポンしなければなくなる。







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