3店方式のように、いつまでもグレーゾーンのままであって欲しい、と願う一部の業界人の本音が見え隠れするから、パチンコの負のイメージをいつまでも脱却できないのである。
さて、本題。
かつて、まだパチンコ業界が元気なころ、パチンコ店の集客力は小売業から見れば羨望の眼差しだった。集客力のあるパチンコ店を集客の核に飲食店などを入れた複合施設を作ることがあった。
時代的には、イオンがモール方式で出店攻勢をかける以前の話だ。
モール開発を手掛けるデベロッパーによると、パチンコ店の見方がこの10数年ですっかり様変わりしていることが伺える。
「パチンコ店のお客さんは使用金額が多すぎて、他の施設におカネを落とすことがない。従って波及効果が薄いので、パチンコ店をモールの中に入れる意味がない。モール客はファミリー層をターゲットにしているが、パチンコ店客は基本的に1人なので、ターゲットとする客層も違う」
今やパチンコはおカネがかかり過ぎる、というイメージが世間では定着している。おカネがかかり過ぎるというのは今に始まったことではないが、勝率が低くなっていることに加え、脱却できないデフレが、客離れを加速させている原因の一つだ。
「モールに出店したい、という大手からのオファーもありますが、理由をつけて断っているのが現状です」
すっかり、見捨てられた形だが、その理由はパチンコ店の客層にあった。
かつてはサラリーマン客も多かったが、サラリーマンの小遣いではとても打てない状況になっている。それに反比例して増えているのが、開店プロやウチコ集団などだ。本来は常連客に還元されなければならない出玉は、彼らにいいとこ取りをされている一面もある。
第三者から見れば、若いのに働きもしないで昼間から遊んでいるようにも見える。自分の生活費を削ってまでもパチンコを打つ人種に見られている。
ファミリーをターゲットとするモールからすれば、来て欲しくない客層とも取れる。
業界がこぞってギャンブル化のアクセルペダルばかり踏み続けてきた結果、庶民の大衆娯楽という本来の姿からかけ離れてしまったことが、原因である。
原因が分かっているのだから、そこをどう修正して行くかだが、それができないからいつまで経ってもパチンコ業界のイメージは改善されない。
大型ショッピングモールの中にパチンコ店が出店できた時がイメージ改革のスタートになる。

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