よほど人気車種や値段が落ちにくい人気の外車以外は、二束三文で買い叩かれる。
不人気車種は、鉄くずとしてスクラップになるのかと思いきや、そうでもない。日本の中古車は故障しにくいので、海外では人気が高く、後進国でバリバリ動いている。
10年落ちの車は「査定が付かない」と安く買い叩かれた中古車の値段はあってないようなものだ。
そこに目をつけた東北のホールオーナーがいた。
何と中古車をパチンコの景品に考えたのだ。
景品上限額の1万円景品だ。
郊外ホールなので駐車スペースはたっぷりある。そこに景品としての中古車を展示する予定だった。
何よりも宣伝になるし、話題になると考えた。確かに、地方なので話題も少ないので、地元の新聞やテレビが取り上げてくれることは容易に想像できる。
それが集客効果につながれば、万々歳だ。
ところが結果的には断念することになる。
警察にお伺いを立てたところ、担当官が色よい返事をしなかったためだ。日本の行政は前例主義なので、初めてのことに対しては極めて消極的になる。
許可して問題になった時に責任を取りたくないから、前例のないことはやりたがらない。
今回も所轄の担当からは、
「登録手続きを頼まれたらどうするのか」
「古物商の免許はどうするのか」
などと問題を突きつけられて答えに窮してしまった。
それ以上に射幸心の問題を出してきそうだが、この所轄ではその追求はなかった。
かつて、業界でマイレージが導入された当初、景品に軽自動車というのがあった。
これは、消費金額や遊技時間に応じてマイレージが加算されていくのだが、飛行機のマイレージのように貯めていけば、マイレージを管理する第三者から軽自動車がプレゼントされる、という仕掛けだった。
いかに第三者でホールが直接関与していないとはいえ、警察が黙って見過ごすわけにはいかず、マイレージそのものの見直しが図られることになった。
ま、マイレージを貯めなくても、1年で軽自動車ぐらい買えるぐらいおカネを使っているユーザーは少なくない。
1万円の景品に出される中古車の状態がどの程度のものかは、分からないが査定がつかない車だ。廃車、車検切れ、食指は動かないぐらいの想像しかつかない。
オーナーが断念しかけたところで、3.11が起こった。まったくそれどころではなくなった。
そういえば、北陸には自動車修理・販売を源流とするホールがあった…。
この発想をどう受け止めるか。

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