こういう時は新メニューの投入とばかりに、ハワイ州観光局公認メニューを販売する「ワールドマック ハワイ」キャンペーンが2月から行なわれている。登場するメニューは、「ハワイアン バーベキューポーク」「ロコモコバーガー」「ハワイアン パンケーキ ミックスベリー」「パイナップルパイ」「マックシェイク バナナ」の5種。
ある業界人が、このキャンペーを行っている店の前を通ったら、30代の男性社員が首にレイをかけて、ハワイアンパンケーキの宣伝をしているところに遭遇した。
「若い女の子がレイをかけているのなら、まだ可愛げがあるが、おっさんでは誰も興味を示さない。実際行列もできていなかった」
この業界人が、その後、海鮮丸という回転寿司チェーンの前を通った時だった。
「専門の寿司屋が作る美味しい恵方巻はいかがですか」と店員が呼び込みを掛けていた。
節分の日は、恵方巻の話題一色になるが、この時「寿司屋が作る」というフレーズが琴線に触れた。どうせ恵方巻を買うなら、スーパーやコンビニではなく、すし職人が作る方が美味しさを連想させる。
琴線に触れる。これは朝一のホール選びにもヒントが隠されている。
店選びを出玉データが見られるサイトを参考にしている人は別として、朝、まだどこの店に行くかを決めていない人は、例えば、ティッシュを配っていたとか、たまたま捨て看板を見たとか、そんな些細なことから店を選んでいる人もいる。
お客の琴線に触れるテクニックを知っている店長の店は流行っていることが多い。
今から20年ほど前、北関東でレッドロブスターというファミレスが、夕方から夜にかけてCMをガンガン流していた。その時バックで流れていたのがグレン・ミラーのイン・ザ・ムードだった。思わず心が弾む、軽快なジャズのスタンダードナンバーだ。
店長は早速、朝一の開店音楽にイン・ザ・ムードを流し始めた。しばらくするとお客さんからこんな反応が聞こえてきた。
「レッドロブスターのコマーシャルを見るたびに、店長の店を思い出して、朝になると通ってしまう」
これは偶然ではなく、店長の裏ワザ戦略だった。同じ音楽を流すことで、テレビでCMを見るたびに、パチンコ店でも流れていることを思い出す。無意識のうちにそのパチンコ店のことがお客さんの頭の中に刷り込まれて行くというわけだ。
朝の開店音楽の選曲一つでも来店動機につながることを証明したが、こういうお客さんの琴線に触れる裏ワザを知っている店長も少なくなった。

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