かつては、がれき撤去の復興特需で全国から職人が東北に集結した。一仕事終えた後の楽しみといえば、酒と性風俗。水商売の女の子の人手不足から、東京からの出稼ぎ組も多数、仙台に押し寄せてきた。
「仙台は復興景気で飲み屋さんだけでなく、パチンコ店も稼働が上がりました。見るからに水商売の女の子は一発連チャンして短期勝負のMAX機を好む傾向がありました」と話すのは地元のホール関係者。
がれき撤去も一段落した今、MAX機を打ってくれていた水商売の女の子たちの姿をめっきりみかけなくなった、という。出稼ぎも終わり、東京へ帰ったものと思われる。
平常に戻った今、MAX機を打ってくれる層もめっきり減り、長期安定稼働を付けるためには業界の定番の海を育成するしかないのだが、「海の神通力も消えた」と嘆く。
三洋が切り札として出した「まわるんパチンコ大海物語」も思ったほどの成果は出ていない。
「昔の海はノーマル、泡、魚群の3つしかリーチがなかった。海はノーマルでたまに当たることがあったから面白かった。最近の各メーカーの新台は絶対にアツいリーチでも外れる。逆にアツいリーチでお客さんをがっかりさせている。ノーマルリーチで当たることはないし、アツくても外れるので、長時間追っかければ追っかけるほど絶対に来ないリーチを見るのが嫌になってくる。これが新台で稼働が伸びない理由」(同)と分析する。
同ホールには常連のおじいちゃんがいた。資産家でおカネには不自由していないので、毎日のようにホールに足を運んでいた。病気で2カ月ほど入院していたが、そのまま帰らぬ人となった。
このおじいちゃんは海一筋だった。
中でも初代の大海のファンだった。
そのおじいちゃんが生前こんなことを店長に話していた。
「今の海は打っても全然楽しくない。色々なリーチが出て、色々なところが動いて、目が回るばっかり」
海のオールドファンにすれば、まったりと打ちたいのに、ギミックが多いのはあまり打ちたくない傾向があるかもしれない。メーカーにすれば、新規客層も開拓しなければいけないので、流行りのものを付けたりするが、オールドファンはそれを善しとしない。
海の稼働が落ちる原因は、オールドファンが亡くなられていることに加え、そういう新しいことに拒否反応を示していることも原因かも知れない。

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