ところが、高稼働を誇っていたドミナント戦略にも陰りが見えてきた。
中でも駅から一番離れている店舗の稼働が特に悪くなってきた。平日は15%、土日でも30%程度の稼働しかない。
低玉貸し戦略も1円→2円→1.75円とチャレンジしてみたが結果は出なかった。
「こだわりの営業を続けてきたが、どんな策を労しても稼働を1.5倍にすることはできないので、諦めがついた。これ以上やっても儲からないのなら閉めてもしょうがない」
そこで下した結論が閉店だった。
遊技客が多い時は、ドミナントでも全店が潤った。ピーク時は4号機時代だった。遊技客が減れば、チェーン店同士での客の奪い合いになる。ということは、釘を開けることに意味がなくなる。その煽りを受けたのが駅から一番遠い店舗だった。
財務体質がしっかりしているホールなら、1店舗閉めても影響は少ないかもしれないが、中小ホールで1店舗閉めるということは死活問題になる。客がいなくなってもしがみつくしかない。
かつては優良店舗だったが、遊技客が減ることで優良店舗でもなくなる。
今回の閉店は2015年を象徴することになりそうだ。遊技客が減る、ということは相対的に人口が多い都会のホールであろうと関係ない。
今の若者はパチンコなどには興味を示さない、と遊技人口を増やすことを諦めてしまえば、業界も終わりだ。
コメントの中にこんな意見があった。
「私個人としては、『パチンコをすることのバカらしさ』に、多くの人間が気づいたからではないかなとも考えております。誤解されても困るので、一応付け加えておきますが、勝てないからバカらしいという意味ではなく、パチンコをするという行為自体がバカらしいという意味です」
この人の考え方では勝ち負けの問題ではなく、今のパチンコそのものが「つまらない」と指摘しているようなものだ。
ここは今の遊技機のあり方にも大きな問題が潜んでいる。
液晶一辺倒ではなく、ハネモノでも、権利モノでもなく、第三の全く違ったゲーム性のパチンコをメーカーが開発することが望まれる。
遊技機規則の壁はあることは重々承知している。
しかも、価格は20万円を切ること。
難題だが、これをクリアすれば、業界の未来も拓ける。

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