情熱リーグ決勝で2回目の壇上を経験するのが大阪市西淀川区の「べラジオ姫島店」だ。阪神電鉄姫島駅前にある総台数289台の小型店舗で、客層は60歳以上の年配客が8割を占める。
圧倒的に自転車客が多く、近隣に大型店舗が相次いでオープンしたが、その影響をほとんど受けていない格好だ。確実に固定常連客を掴んでいる、といえる。
どのようにして固定客を掴んでいるのか?
その答えが店のコンセプトでもある「はぁとふるべラジオ」に集約されている。

はぁと=心
ふる=いっぱい満たす
「はぁとふるべラジオ」には、すべてはお客様への愛、という意味が込められている。
具体的にはこんなことが行われている。
名づけて「おしぼりアタック」。これはトイレから出てきたお客さんにすかさずおしぼりを渡すことで、見知らぬお客さんには声掛けのきっかけになっている。
すべてはお客さんのためだが、その前に従業員一人ひとりが、まずお客さんに自分のことを分かってもらわなければならない。
ある従業員は顔を覚えてもらうために、休憩時間には自分の担当以外の島を回っている。
これが「お客様への想いサイクル」である。
もっと知りたい→知ってもらいたい→好きになってもらいたい→距離を縮めたい→感謝

「はぁとふるべラジオ」という目標は、スタッフが取り組む自由度が高いのが特徴だ。その一つが、日頃の感謝の気持ちを込めて書いているラブレターだ。新人スタッフがお客さんに話しかけるきっかけづくりにもなっている。
再来店したお客さんからスタッフに「ラブレターを財布に入れてお守りにしているよ」と声をかけてくれることもある。

距離が縮まったところで、目の前のお客さんに対して日本一の接客・笑顔・おもてなしを実践してしてきた。これをベースにコミュニケーション戦略、驚きと感動の3つの取り組みでお客さんとの信頼関係を築き上げてきた。

この信頼関係こそが、近隣に大型店が出店しても影響を受けない最大の要因であることはいうまでもない。

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