そのホールは軽井沢へ向かう幹線道路沿いにある。
ある日、1台の観光バスがホールの駐車場に止まった。緊急だった。乗客の一人が急に腹痛に見舞われたために、トイレが使いやすい場所としてホールを目指した。
緊急避難だったが、ついでにトイレ休憩となった。
一団は中国人観光客だった。
ホール側としてはトイレ利用が目的でもOKだったが、意外な展開になってしまった。
観光客の一人が床に落ちていた玉を拾い集めると上皿に入れて、パチンコを打ち始めたのだ。しかも、問題はどう見ても中学生ぐらいの男の子だった。
ホールはすぐに注意をした。
中国人の一団は時間にして20分ほどはいた。
本当の問題はここからだ。
中学生らしき中国人の男の子がパチンコを打っているところを目撃した客の一人が、「未成年がパチンコを打っていた」と所轄に通報したのだ。
その結果、店長は事情聴取を受けることになる。
「厳しくしたら営業許可取り消しになる。18歳未満に立ち入らせ、しかもパチンコを打ったせたわけだ。ただ、今回は証拠もないし、中国人観光客という事情もある」ということで厳重注意で済んだ。
観光客にトイレを開放することに異論はなかった店長だが、「まさか玉を拾って打つとは思ってもみませんでした。こればっかりは予測不可能でした。今後、トイレは緊急事態以外は貸さないことにします」(店長)
中国人だったとはいえ未成年がパチンコをすることは許されない。中国人観光客の一団がトイレ休憩に大挙押し寄せてくると、今回のような不測の事態がまたいつ起きるとも分からない。
トイレ利用をきっかけに大人の中国人は、パチンコに興味を持ってもらうきっかけにもなる。
日報ではかつて、中国人観光客を取り込むことを何度か提案したことがあった。それは、減少に歯止めがかからないパチンコ人口を少しでも回復するための提案であった。
日本でカジノが解禁となった場合、当然、中国人の富裕層は一番のターゲットにもなる。富裕層はカジノで、小金持ちはパチンコと線引きすることだってできる。
ところが、店長の反応は逆だった。
「拾った玉で打って、1発目で大当たりした場合、目も当てられないことになる。中国人は権利ばかりを主張するのでトラブルの元になるだけ。中国人はありがたくない」
カジノが解禁されると、カジノは数カ所しかないがパチンコは至る所にあるので、逆に外国人観光客が増える可能性もある。

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