それまでは売値980円のランニングシャツだったが、300円まで値下がりしていた。これをホールの景品にしようと考えた店長は、まとめ買いして、利益を100円乗せて400円で景品に出した。
しばらく経ったある日、警察から指導が入る。
曰く「一般価格と違う。安売りして、その賞品が欲しいと玉で買う者が出てくる恐れがある」
何とも珍妙な指導だ。
所轄もそこまで暇ではないので、同業者のチクリが入って動いたものと思われる。
店長はドンキホーテの領収書を見せて「適正利益を乗せて景品にしている」と弁明した。この店ではこれまでにもリサイクルショップに大量に持ち込まれた新品の格安商品を買って来て、景品に出したこともある。
店長にすれば、全く悪いことをしている意識はないのだが、チクリによって、この一般市場価格の壁にいつも阻まれる。
「企業努力で安く仕入れたものを提供できない業界は何なんだろうと思います。大手は資本力で色々なことができますが、われわれ中小ができることは、こうした努力なんですが、それもダメといわれたのでは、本当に何もできない。中小ホールのカラーをどうやって出せばいい!」(当該店長)と憤る。
別のホールは安価で焼き芋を景品に提供しようと考えた。
芋は近くの農家から仕入れ、中古の焼き芋窯を買い、1個100円で販売する手はずだった。
所轄に相談しても経験則から色よい返事は返ってこないことは、分かったいたので組合に相談を持ち掛けた。
「ホールで焼き芋を出しているところが、ないので100円が適正かどうか分からない。近所で焼き芋を売っている店の値段に合わせてはどうか」
組合らしい回答だ。
軽トラで移動販売している焼き芋屋は1本700~900円も取るところもある一方で、大阪・心斎橋界隈では100円焼き芋が当たって、100円焼き芋のリヤカーがシーズンごとに増えて行った。
実際、100円で販売しているところもあるから、100円焼き芋が利益を度外視したものではない。
資本力のあるホールは食堂やコンビニを併設して、客の囲い込みを図ることが、中小はこうしたアイデアで勝負するしかないのだが、同業者が足を引っ張ることもある。
お客さんにメリットのあることを考えて集客を図ろうとするのだが、「射幸心を著しくそそる」と警察からも注意されない良いアイデアはないものだろうか。
ここはユーザーの「こんなことをやってくれたら嬉しい」というヒントの中から模索するしかない。
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