

写真入りになってどれほど喫煙率が下がったかは、ともかく、タバコメーカーとしては自社製品を買うな、と警告しているようなものである。
カジノ解禁が議論される今、反対派の理由はのめり込みの問題を一番重視している。パチンコと違って掛け金が青天井のカジノは、一夜にして全財産を失うこともある。
ギャンブル依存症の問題はパチンコの比ではないが、その火の粉が降りかかって来ているのが、パチンコ業界ともいえる。
全日遊連はチラシに次のような標語を入れる運動を展開している。

さらにホールのトイレには、ギャンブル依存症に悩んだ時用に、リカバリサポートの啓発チラシを貼りだしている。

業界でも依存症対策に取り組んでいるのだが、ギャンブル依存症の友人がいるAさんは「業界の対応はまだまだ手ぬるい」と手厳しい。
Aさんのギャンブル依存症の友人は40代後半。パチンコ歴は35年以上。本人に依存症の自覚はない。
左官職人だったが、事情があって会社を辞めて1年間ぶらぶらしていた。結婚はしておらず、独身。給料の大半をパチンコに注ぎこんできた。従って貯金はゼロ。
無職で生活費を親せきや友達に無心して来たが、いよいよ、Aさんたちが本気になって怒った。
「ちゃんと定職について、働け」
Aさんらのアドバイスで地元のタクシー会社に採用してもらうことになった。入社の祝い金として会社から10万円が支給された。それをパチンコですぐに使ってしまった。
Aさんらは再び動いた。リカバリーサポートネットワークに電話相談した。
「当たり障りのないことしかいわないので、抜本的な解決にはならなかった」
Aさんの怒りがふつふつと湧いてきた。
「外国ではタバコを止めさせるのにグロテスクな写真を載せている。パチンコ業界はトイレにポスターを貼るだけではなく、台1台ずつに全部ポスターを貼れ、といいたい。それぐらいまでやらないとのめり込み対策をやっているとは認められない。そこまでやる勇気もないのに偉そうなことをいうな!」
パチンコが適度に楽しむ遊びというのなら、台間サンドに「ちょっと待て、その1000円が今日の夕食代」というぐらいの標語を書くことも必要かも知れない。
ホールにすれば売り上げの下がる行為だ。これまでは、もう1000円を使わせることに工夫を凝らしてきたが、今やそういう時代ではなくなって来た。
飲食は腹が一杯になれば、それ以上食べることができないが、パチンコは際限がない。だからパチンコ産業は儲かってきた。
パチンコのイメージがパチンコ人口の減少と共に年々悪くなる。おカネを使わせるばかりで、時代の変化に対応できない産業は滅びるのみだ。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。