講師の兵頭秀一氏(ちかなり代表取締役)は、大手スーパーからホール企業に転職した後に独立した経歴を持つ。
以下セミナーより抜粋
ブラック企業の見分け方は次の3点。
①人時生産性の確認
②社長が尊敬できるかの確認
③先輩社員のプライベートの充実度
まず、①から。
年収はいくらあれば幸せか? この場合、初任給よりも30代の子育て世代になった時の年収がポイントになる。
上場企業の平均年収は38歳で580万円となっているが、35歳で子供2人いた場合の年収はいくら必要になるか?
年収が600万円なら奥さんが専業主婦でもやっていける。600万円あれば、3LDKのマンションに住んで、車が持て、外食にも行ける。
これが年収500万円となると、奥さんはパートに出て100万円あまりを稼がなければいけない。
年収400万円では車を諦め、年収300万円では子供を幼稚園に入れることも苦しくない。
サラリーマンの小遣いは3~4万円だが、これでは後輩にめしを奢ることもできない。後輩に奢るためには700万円以上は必要になってくる。
では、週休2日で年収600万円の幸せな家族でいられるための時給をはじき出してみよう。
年間100日の休日があるとすれば、実労は250日=2000時間の労働時間になる。年収600万円を2000時間で割ると時給は3000円になる。
1本100円のボールペンを70円で仕入れて売れば、粗利は30円になる。粗利の中から40%の12円が人件費となる。人件費は半分以下に抑えなければならないので、理想は40%。
人時生産性とは1時間働いていくらの利益が出せるか、ということ。
ブラックではない企業は全社員に時給3000円を支払える会社。そのためには1時間で6000円以上の儲けがないといけない。
人時生産性の低いビジネスモデルを作ったのが居酒屋チェーンで、ブラックになりがちになる。
私が前職のスーパーからダイナムへ転職した理由は、人時生産性がスーパーの3倍あったから。残業もない会社で社員食堂も300円で食べられた。年収も250万円も上がった。
パチンコホールが人時生産性が高い理由は、人手ではなく機械だから。美容院のようにマンツーマンサービスは人時生産性が上がらない。
パチンコホールは人時生産性は1万円で、サービス業の中で一番人時生産性が高い。
②その会社の社長を尊敬できるか?
社長の評価は次の3点。
1.信頼性
2.利他主義
3.戦略的頭脳
従業員を幸せにしたい、社会を良くした、と利他主義で、かつ、勝ち戦ができる頭を持っている社長か、ということになる。
社長を尊敬できる会社なら人時生産性が低くても、その会社で働くことで幸せになれる。
③先輩社員のプライベートが充実しているか?
リクナビやマイナビの企業研究で先輩社員のインタビューがある。この名前を元にFacebookでプライベートタイムを見れば、本当の姿が見えてくる。
Facebookは新たな企業研究のツールとなる。
この3つを調べるだけでもブラック企業を見分けることができる。
ちなみに、兵頭氏がホール企業を退社した理由は、独立すればもっと人時生産性が上がるためで、それでなければ一生いてもいい会社だった、という。


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