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レシート紛失対応、元店長からのアドバイス

今回のエントリーについて、現役担当官に意見を聞きました。



これから書く内容は、これが全てではありませんし、これが警察関係者全ての意見ではない、つまりケースによって、所轄の判断によって、様々な結果が生じる可能性があるという事をまず念頭に置いてください。



その前に、昔の話をしてみます。



私が現役の頃は、ラッキーナンバー制度が全盛でしたから、一人のお客様がレシートを複数持って景品カウンターに来る事は珍しくありませんでした。



多いお客様だと5~8枚はレシートを持っていました。



99%のお客様は、そのレシートをお財布に入れていたものです。



お客様の中には、今、自分の財布の中にレシートが何枚入っているか分からなくなる人もいました。



そうなると、うっかりして、財布の中にレシートを1枚残して景品と交換をしてしまうケースがあります。



この私も同様の経験があり、悔しい思いをしたものです。



レシートを後日お持ちになるお客様は、あの当時は月に5名様くらいはいました。



私の対応は、1週間以内ならば、全員交換をして差し上げていました。



但し条件があります。



お客様にはこう話ます。



「このレシートは当日限り有効です。期日が過ぎていますので、このレシートが本物か確認する作業で二日間かかります(実際にはそんなに日数はかかりませんが)」



「この対応は今回限りで認めさせていただきます。次回同様のケースがあった場合はご容赦下さい」



「大変ご面倒でも、次の書類にご記入いただき、身分を証明するものをご提示ください」



この対応で全てのお客様はご満足されます。そしてこちら側に深々と頭を下げて、大変感謝をして、申し訳なさそうにお帰りになります。こちらが恐縮するくらいです。



私はホール内にこんな張り紙を然りげ無く、小さめに、掲示しました。



「大切なレシートがお財布に隠れていませんか?」



これをトイレや洗面台周辺や出口に貼りました。



それでも後日レシートを持ってくるお客様はいたものです。



昔はこの方法でも問題はありませんでした。



しかし昨今の規制強化を考えたとき、ホール側の対応は一歩間違えば、営業停止に追い込まれる可能性はあります。



現役担当官は、個人的な意見としてこう話をしています。



1 当日限り有効なレシートや割引券を無くした場合、それをどう交換するかは、民事不介入の原則から、警察はどうにもできません。



ただ遺失物の届けを交番に出して、その上でお客様とホールで交渉をしてはどうでしょうか、と。これは後日レシートが出てきた時の為の対応です。



2 レシートを無くした当日は、レシートが無いわけですから、厳しい見方をすれば、いくらホール側のデータやカメラ等でお客様が出したと証明できても、肝心なレシートが無いわけですから、ホール側がそれ相当の景品を提供する事には無理があるのではないか。



3 レシートが無いケースで、ホール側が景品を提供する場合は、無理が生じるだろう。



例えば「宝くじ」を例に出すと、Aさんが宝くじで10万円に当選したとします。



当選が嬉しくて、友人や家族にその宝くじ券を見せました。当たり券も写真に撮って、自分のブログにも掲載しました。当たり券はお財布に入れて、翌日みずほ銀行で所定の手続きをする予定でしたが、Aさんはそのお財布を盗まれます。



この時、みずほ銀行では温情を見せてくれるでしょうか?

Aさんが当たり券を持っていた証人を銀行に連れていき、撮影した写真を見せて、そこまでしても、銀行は換金に応じるでしょうか?



4 馬券(勝馬投票券)が交換期限切れで出てきた時は、JRAのホームページにはこう書かれています。

 

勝馬投票券の的中券および返還券の払戻期間は払戻金(あるいは返還)が確定してから60日間となっております。なお、払戻期限当日が、全国的な払戻休務日にあたる場合は、翌払戻日に払戻しいたします。



この時、期限切れの馬券を換金してくれるでしょうか?



宝くじも馬券も法律で決められた内容の運営をしているので、パチンコ店と比べるのは無理があるでしょう。



しかし、当日限り有効を明記されているのですから、期限切れのレシートの交換を拒否する事はパチンコ店にとっては致し方ない対応でもあります。



5 後日期限切れのレシートが出てきた場合、これを交換するかしないかは、お客様とホールとの問題ですが、次の担当官個人的見解も見逃せません。



ホール運営・営業・設備は全て警察に届けを出して、許可が出た上で行われています。



つまり、レシート発行の機械関係も全て許可されていて営業が行われている。



そのレシートに書かれている内容も許可されたものとみなされます。

レシートに「当日限り有効」と書いてあれば、「当日限り」で許可が出ているわけです。



それを反故にして翌日でも有効として交換するのは、許可外の行為と見なされても文句は言えない。



上記1~5を考慮した時、



(イ)レシートがない時に、景品を提供をした場合は問題がある。



(ロ)期限切れのレシートの交換も問題がある場合が考えられる。



(ハ)ただし、担当官の判断で交換を認めてもよいケースも考えられる。



(二)交換を認めてもよいと判断されるケースは、当日遺失物の届けを出した上で、ホール側と客側の双方が同意して、景品提供前に所轄の許可を得る事。



この担当官の個人的見解は、民事不介入なので当事者同士の解決が第一だが、国民に不利益が出ない解決策なら許可をだしたい。しかしこれは担当者の見解やそれぞれの地域性の問題があるので、これが全てではない。



こんな本音も聞こえた。



当事者同士で上手くやって欲しい。しかし警察の耳に入れば、ホール側は納得できる説明が出来るようにされたし。それができないのならば、厳格に規則を守るよう。



私の意見は、今回の事例は双方の主張が聞けていないので詳しく述べられないが、



1 お客様がレシートをなくされたケース



2 お客様が後日レシートを持ち込んだケース



・この二点の応対は、店の責任者かそれに準じた者が対応するべきで、一般社員だけに応対を任せてはダメだ。



・この二点について、店舗側でのマニュアルを再確認する時期でもある。昔は許されていた行為でも、規制が厳しくなった昨今、警察の判断が日々変化している事に注意をする。



・レシートをお客様に手渡す場合、「本日限り有効ですので交換忘れが無きようにご注意ください」と申し伝える。



・レシートに「当日限り有効」以外に「紛失の場合は交換できません」と明記する。



担当官との間で、こんな会話もしました。



「レシートが当日限り有効ではなくて1週間くらい有効でもいいのでは?」



昔のレシートのセキュリティーは脆弱でした。その為に現在でも当日限り有効となっているのでしょうかね。



レシートの有効期限の話は余談ですが、業界が改善する内容の一つが、パチンコ日報の問題提起で炙り出されたと思います。



規制強化の渦中のホールの立場、お客様の立場、双方の立場を考えると、今回のケースは、お客様を納得させられなかったホールにも非があるでしょう。



また、お客様にとって残念な結果になりましたが、ホール側もお客様に景品を出す努力を見せるべきだったと思います(景品を出せ、と言う意味ではありません)。



最後に、私が店長をしていたホールで、今日、同様な事が起きたと仮定した場合は・・・



1 レシートが無ければどんなに証明が出来ても景品の提供はしません。



2 お客様がレシートをなくされた場合、交番に届けるように勧めます。



3 後日レシートが出てきた場合、所轄の警察署に判断を仰ぎ、お客様に不利益が生じないように努力します。それでもダメな場合はお客様も納得して頂ける可能性が高いでしょう。



4 レシート再発行が出来る設備のホールは、状況を検討して再発行を行う。しかし、この場合は、レシートを拾ったお客様が出てきた時のリスクを解決できる場合に限る(再発行をして大きなトラブルになったホールがあります。この時は、レシートにある指紋まで調べる事態になりました)。



5 上記1~4について、懇切丁寧な応対をする事は言うまでもありません。



お客様を救済すると同時に、店長の職責は、法律や規則を守り、ホールが処分を受けないようにする事が第一です。



この職責とお客様救済を天秤にかけた時、どちらが重いでしょうか?どちらも同じ重さになるようにするのが店長の役割です。



担当官はこんな余談も話していました。



カジノでチップを無くしたからと言って、現金化してくれると思いますか?カジノにはパチンコ店以上のカメラがありますし、スタッフも多い。



それを考えたら、レシートが無いのに交換をするのは論外でもある。

これからのパチンコ店は、曖昧さを全て取り除かないと生き残れないよ。どんどん規制が厳しくなり、自分で自分の首を締めている。











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