所轄の警察官からはこんな声が漏れてくる。
「生活安全課はパチンコ業界の取り締まりだけをやっているわけではない。住民同士のトラブル解決から地域安全の仕事は一杯ある。これ以上パチンコ業界のことで手は取られたくない」
その所轄の県警は、広告宣伝規制に対して、人口が集中している都心部では厳しく行っているが、田舎の方ではそれほど取り締まりは厳しくなく、一つの県警でも指導に対して温度差がある。
その所轄担当にホール関係者が、この先どうなるのかを尋ねた。
「警察庁が厳しくいっているうちはまだ大丈夫。厳しく言わなくなった時に次の展開があるかも知れない。上の方は新装開店のチラシもダメだと考えている人もいる」
岐阜県はいわゆる空チラシが8月から打てなくなり、新台入れ替えのみになった。しかも、機種の写真に大小を付けることはご法度で、均一の同じサイズではならない。日にちも同じ大きさで、文字の色を変えてはいけないなどの細かい指示まで入っている。
このまま広告宣伝規制を業界が守れず、指導の厳しさが加速すると、最後の砦である新台入れ替えのチラシまで打てなくなる、ということのようだ。
その理由が面白い。
「カジノが新台を入れたからと言って広告を打つか? カジノが合法化されたらパチンコもそれに合わせるのではないか」
チラシ以外にもホールにとっては身近な問題が潜んでいる。それは玉積みの問題だ。
マルハンの新店は全台各台計数機を導入しても客を付けることに成功している。それはマルハンという信頼度の高さの表れだろうが、信頼の少ないホールが全台各台計数機を導入して、失敗しているケースは多々ある。
全台各台計数機を導入してグランドオープンに失敗したホールが、1カ月後には各台計数機を外し、等価交換に切り替え、玉積み演出で息を吹き返したケースもある。
一番目立つ場所に別積みで出玉演出しているホールがあるが、これこそが著しく射幸心をそそるおそれのある行為であることは誰もが分かっている。
「一部のホールの過激なチラシのおかげで規制が強化されたが、今までそんなに悪いとは思っていなかったチラシまで悪く見えてきた」というように警察官も人の子である。
イベントがない時代でも集客する知恵を持っていた店長は数多くいた。そういう人たちからすれば、広告規制も玉積みが禁止されても怖くはない。

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