ただ、この90デシベル以下というのもそれでもかなりの騒音で、80デシベル以上は「極めてうるさい」レベルにある。
なみに100デシベルが電車がガード下を通る時の騒音で、営業中のホールがこれに相当する。以下90デシベル=騒々しい工場内、80デシベル=地下鉄の車内となる。
100デシベル以上の騒音環境(110デシベル=車のクラクション、120デシベル=飛行機のプロペラエンジン、130デシベル=肉体的限界、140デシベル=ジェットエンジン)では聴覚機能に障害をもたらす。実際、難聴になる人もいるが、これは労災だろう。
ホールの静音化は機械メーカーだけでなく、補給メーカーを巻き込んで取り組まなければ解決できる問題ではない。
封入式で騒音問題が一挙に解決されることを期待するしかないが、ホールの店内は苦痛になるほどの騒音で溢れかえっていることは間違いない。
騒音に関して、風営法では次のように定められている。
(騒音及び振動の規制)
風俗営業者は、営業所周辺において、政令で定めるところにより、都道府県の条例で定める数値以上の騒音又は振動(人声その他その営業活動に伴う騒音又は振動に限る。)が生じないように、その営業を営まなければならない。
店外の騒音は都道府県条例によって多少異なるが、昼間で40デシベル(静かな住宅街)、夜間で50デシベル(静かな事務所)などの最低基準値が設けられている。
最近のホールは防音対策をしっかりしている。風除室を設けるなどの構造で店内の騒音が外に漏れることは少ないが、それでもドアが開閉する瞬間に一瞬音が漏れることはままある。
騒音で問題になっている店舗は駅前の住宅街の中にある。現在の条例ではパチンコ店は出店できない制限地域にひっかかっているが、既得権で営業を続けている。
ホールは角地にある。南側が6メートル道路を隔てて民家が林立している。
そのうちの一軒から騒音のクレームが出て、ホールは2重ガラス、風除室の新設など防音対策工事を行ってきた。店内のBGMも切った。それでも自動ドアが開いた一瞬に、音が漏れてくる。
「長年病気で自宅療養しているので、一瞬の音で目が覚めるようです。物理的に改善できるところはすべて手を尽くしてきましたが。住宅側の入口を閉鎖してしまえば問題は解決するんですが、非常口の確保のためにそれもできません。改善の姿勢を見てもらって後は話し合うしかありません。こちらとしても早く病気を治していただきたい」(同店・店長)
杓子定規な対応をすれば、店外の騒音レベルを測って条例の基準値を上回っていなければ、法律には違反していない、と突っぱねるところだろうが、地域密着営業を標榜しているのでそういう対応もできない。
ホールの店内そのものが騒音洪水の環境でなければ、今回のようなトラブルも起こらない。
業界を挙げて静音化に取り組む時にきている。

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