ところが、大手ホールの声には耳を傾けて開発しているメーカーもあるようだ。
昔はホールが求めたのは利益の上がる機械だった。射幸性が高ければ、高いほど売り上げは上がった。一発逆転でそれまでの負けを取り戻せる瞬発力のある機械がホールにも、ユーザーからも求められた。
業界がこぞって射幸性へとアクセルを踏み込んだために、より激しい刺激を皆が追及した。
失われた20年の中で、時代はすっかりデフレ経済が定着してしまった。コメントの中にもあったが、日本も格差社会が広がり、今やパチンコも大衆娯楽から「格差娯楽」へ移り変わってしまった。
つまりおカネのある人しか打てなくなってしまったのが、4円パチンコともいえる。
そこで、大手が渇望するのは、粗利よりも稼働の取れる4円パチンコである。
その前に、1円で稼働が取れなくなったら、ホールはいよいよ行き場がなくなる。その後に待っているのは閉店の二文字しかない。ユーザーからは「釘が絞まっているから、客を飛ばしている」と指摘する。
一物一価を守る福岡や長崎では、パチンコが等価でスタートが回らなくて客を飛ばしているだけでなく、パチンコの赤字をスロットで補填しようとするから好調だったスロットの客まで飛ばすことになっている。
そういう状況の中で、4円で稼働が取れる機械として登場したのが京楽のAKBである。
「それまで1円しか打たなかった常連さんが、4円のAKBを打つようになりました。1/199と甘いスペックながら、オマケは付いていないが、その分そこそこの瞬発力が魅力。単発も多いけど4万発出た台もある」(ホール店長)というように、AKBにはこれまでの期待の大型版権とは少し違う動きを見せている。
この店長の店以外にも1円を打っていた客が4円のAKBへの移動が見られる。ユーザーも好きで1円を打っているのではない。本来は4円で打ちたいが、財布と相談するとそれができないだけである。
「最初から大量のAKBを1円に投入したホールもあるようですが、4円のユーザーを育てる可能性があっただけに、みすみす機会損失しているケースもありますが、戦略ミスでは。4円回帰のチャンスを自ら放棄したようなもの。時間が経ってから1円に入れるのがやはり本筋」(業界コンサルタント)
4円で稼働が付く機械が今後も登場することが望まれるが、ホールが回収を急げば、どんな名機でも客を飛ばすことになる。
それを一番分かっているのはホールのはずなのに。それがなかなかできないのは、支払いは待ったなしだからか。
日航のように莫大な借金が棒引きできれば、もっと遊ばせることができるのだろう。

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