その店長のホールでは、一般景品である食品を400円の定価で提供している。玉数でいえば100玉で交換している。
ところが、まったく同じ商品が近所のスーパーでは298円で販売されている。
さらに特売日ともなると248円にまで値下げして販売している。
店長はスーパーに特売日があるように、この食品も特売で提供しようと考えた。
所轄に相談に行った。
はっきりと「NO」とはいわないまでも「好ましくない」という理由から断念せざるを得なかった。
100玉を75玉に下げることに所轄は抵抗感を示した。
行政機関の悪い習慣で、これこそ「ことなかれ主義」の見本のようなもの。前例がないことをやりたがらない。もし、許可して問題でも起これば、責任を取らなければならないからだ。
同じジュースでも自動販売機によっては120円で販売したり、100円で販売したりしている。
これを市場価格というのではないか。
市場価格が120円や100円のジュースが、観光地などへ行くと150円になったりする。
同じ商品でも場所によっては高く販売されている。
「会社からは余計なことをするな、といわれました。せっかく安く提供してお客様から喜んでもらおうと思ったのに…」と肩を落とす。
同じ商品でも安かったり、高かったりと、でもそれも市場価格であろう。
市場価格を等価で提供するのが風営法の原則であるならば、仕入れ原価を割らない程度に安く提供することにも問題はないはずだ。
安く提供することに警察が難色を示すには理由がある。
それは「著しく射幸心をそそるおそれがある」。この伝家の宝刀が企業努力に水を差す。
「ホールの自販機の中には市場価格より高く値段設定しているものもある。では、高く売るのはいいのか」と店長の怒りは収まらない。
会社からは「余計なことをするな」と言われればモチベーションも下がる、というもの。
こんなことではやる気のある人材が流出していくことにもつながりかねない。

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