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新シリーズ元店長の主張…その⑧「業界バブルとそれぞれの立場の認識」

イベントのない時代のお客様は、一つのホールで遊技する事が多かった傾向にあったが、イベントが常識になると、お客様の異店舗間移動が増えた。



イベント以前は、同じホールに定住した方が、調整の癖を掴みやすいこともあり、お客様が浮気する率は低かった。



イベントが盛んになると、イベント荒しと呼ばれる客層も生まれた。

中には完全にイベントプロになってしまった層も多かった。



ケータイやパソコンにイベント情報が送られ、それでお客様が店舗間を移動するようになった時、スロットが全盛時代を迎えていた。



1日に何回もメールを送信する店舗。



「本日設定⑤⑥投入イベント、現在キングパルサーコーナーに⑤⑥の空き台があります」などと途中経過のメールが流れると、若いお客様が他店から流れてくる。



あの時代は、正にバブル状態だった。



そのバブルに完全に踊らせれたのが、お客様よりもホール側だったのかも知れない。



全盛時に1万8000店舗あったホールが、現在は1万2000店舗に減少した。しかし、中には今が「正常な数値」と指摘する業界関係者もいる。



私もこの考えに同調した。



ST機があの時になければ、現状はどうなっていたかと想像したが、妄想は楽しい。



4号機が規制されてから、多くのスロ専が淘汰された。山手線沿線にあったスロ専は壊滅状態。スロットバブルを物語る象徴的な出来事だ。



バブルと言えば1980年代後半からのバブル景気を思い出す。



1988年前後のバブル経済期間に、ビジネスを経験した人は分かると思うが、あの時代には気づかなかったが、今から思い起こすと、本当に狂気の時代だった。



1ドル240円が1年後に120円になったり、一坪150万円の土地があっと言う間に500万円。



この頃、私は欧州自動車メーカーの日本法人で、新車の販売や、新人教育、ディーラー管理をしていた。



国内販売価格700万円の新車。

この時代の宣伝費は、宣伝費÷国内販売台数=50万円であった。



日本国内で700万円の車種と同レベルのグレード車は、アメリカでは400万円で販売されていた。



その700万円の車を、正規代理店に卸す価格は、500万円弱。



競合車種を販売する会社に勤務していた中学の同級生によると、国内価格が1000万円の輸入車の仕入れ価格は「400万円」。



だから正にバブル真っ只中。価格が高い車種ほど売れた時代である。



この時代の輸入車は、正規輸入車と並行輸入車の2ルートが健在していた時期でもある。



それだけ国内価格が高かったと言う証拠だ。



時計もそう。



国内販売価格50万円のロレックスが、免税店では25万円。税金も高い時代だった。



それでも国内では高いロレックスが売れた。

宝飾品は仕入原価の10~20倍で売れた時代。



私はバブルの頃、欧州自動車メーカーの日本法人に勤務していて、甘い思いをしていたのでラッキーだったかも知れない。



会社から新型車が毎年1台支給されて、ガソリン代も保険もすべて会社持ち。



給料は6~7台売れば、月給で75万円~85万円は支給されていた。会社には20歳代や30歳代で1000万円プレーヤーがぞろぞろ。



そんな時期と、パチンコ・スロットの全盛期を見比べているのだが、私はどうしても今までの業界がバブルに思えてならない。



4号機バブルの当時、スロ専のオーナーには、「いつかバブルが弾けますよ(規制)」と話してきた。



この場合、オーナーは二種類に分かれる。



儲けられる時に儲けて、あとはサッと去ればいいと思うオーナー。



儲けられる時に蓄えて、次の事業に備えるオーナー。



しかし、現実は会社を倒産させたオーナーも多かった。



その状況を見ると、店舗数が激減しても、今が適正なのかも知れない。



パチンコ業界の環境は厳しい。



と言いながらも、雇用は活発だ。異業種から見れば、厳しいとは思えないのが本音。



異業種の経営者が集まる勉強会で、パチンコ業界について出た話がこれだ。



「今までの粗利や経常利益が異常であって、それが適正化に向かっているだけ」と。



地方ではパチンコだけではなく、一般業種でも淘汰があり、閉店や倒産は当たり前。



パチンコバブルでタケノコのように出てきたホールが、蜉蝣がごとく消えただけ。



不景気なのに、ホールはMAX機の存在で、過去最高の粗利を得ていたケースが先日まで目立った。



それに慣れてしまっているオーナーも多い。特に2世、3世。



しかし、創業50余年のオーナーは、堅実な思いを持っている。



「我々の業界は、当局の規制と緩和、様々な差別などの障害を経験してきた。都市部のホールはまだ良いが、地方のホールは今の苦しさを凌げば、必ず光が見えてくる。今まではおまけで、昔を思えば今の苦境は大したことではない」と自分を奮い立たせる。



バブルの頃、当時は3流メーカーに入社した友達は、その後の人生に驚く。思い起こせばラッキーだったと話す。



彼は3流大学出身で、当時は人気がなかったパチンコメーカーに就職(それ以外の希望就職先は落ちた)。



入社当時はヒット機が無いメーカーだったが、数年後に大ヒット機が誕生した。



会社の売上は倍々で増加。



当時の給料は1年で倍増した。



所長の給料も年収3500万円。その大半がボーナスに相当する部分だ。



機械代がまだ20万円そこそこの時代だった。



その機械は売れに売れて、製造原価が最終的には10%台まで下がったと聞いた。



高卒で入りたての女性事務員の年末ボーナスが80万円。



こう思い出すと、1980年代後半のバブル景気よりも、パチンコ業界のバブル景気は長いと感じる。



しかし、機械メーカーよりも早くホール業界のバブルが終焉を迎えようとしている。



機械メーカーはそれを分かっているのも確かである。



メーカーやホールの立場の違いで、そのバブル崩壊の対処が違う。



あるメーカー関係者から聞いた話が、元国会議員に聞いた話と似ていた。



今のままで行けば、日本国の借金は1000兆円を超えるだろう。



実はこの借金の大部分は、国債購入者が、国内の金融機関が大半を占めるため、これだけ多くの借金を抱えながら、なかなか国は倒れない、という。



元国会議員は、さらにこう話す。

「国の借金を一般家庭の家計に置き換えたら、この先の日本はどうなるのか、誰でも想像出来るはずだ」



しかし、それを先送りしているだけ。



国民一人当たりの借金が700万円~800万円で、国民の収入が400万円。



家族4人の家庭の総借金額が(700~800万円)×4人≒3000万円。それでいて家庭内年収が約400万円だったらどうなるのか?



この先人口が減り、社会厚生費用が上がる高齢化社会が到来する。



メーカー関係者はメーカー戦国時代を指摘する。



「昔はなかなかシェアを取れないでいたメーカーが、今は一流の仲間入りが可能な時代になっている。諦めていたメーカーが、自信を持てる時代でもある。本来はメーカーが主体となり業界を牽引して、ホール業界を牽引するのが理想だが、メーカーは自分の足元を固めなければ、いつ牙城が崩れるか心配だ。

数年で売上が数倍になる業界。一昔の二流メーカーが今は超一流の存在。だからその逆がある事も弁えている。

ホール側から見たら、木枠など共通にして欲しい面は多く存在する。しかし、そんな協調性はメーカーにはない。

今は、良い機械を多く出して会社の基盤を固めたいのが、一流組の本音だろう。

二流組は、毛色の違う機種を出して、隙間を狙う戦略をとる。

だからメーカー同士は、資本提携をしていなければ協力など出来ない」



ホールの苦しみは分かっていても、今の状況から舵取りは変えられないのだ。

ホールが淘汰されるのは当たり前で、生き残りの可能性のあるホールを主体に目を向けているとも言う。



確かに主要50社のホール企業に目を向けている担当者は多い。



一物一価問題が語られているが、この問題は随分前からくすぶっていた。



ある地区の組合は、この問題では監督官庁と話が出来ていたが、大元の警察庁はそうはさせない。



近隣の都道府県で一物一価が徹底されないように、飛び火に神経を擦り減らす。



こうした問題を孕む許認可業界だから、メーカーも体力を蓄えることに重点を置く。



ここまでの話は、メーカー側の総意ではなくて、一業界人の話しであることを了解願いたい。



これからの日本とパチンコ業界、展望は似たり寄ったりだと言うことである。



ホール企業を支えているのは「お客様」。



メーカーを支えているのは「ホール」と「お客様」・



つまり一番大切にしなくてはならないのが「お客様」なのだが…。



この話は同じ業界なのに、立場が違えば、考え方も変わる、と言うこと。



パチンコホールにおけるお客様の感動もそうだ。



ホールのポジションやお客様のホール環境の違いも、お客様と集客と感動の方程式の答えに大きな影響を与える。



景品イベントに批判的な人がいるが、これはそのホールのポジションで考え方が変わる。



だから全て否定されるのは如何なもか?



繁盛ホールの景品イベントと、閑古鳥ホールの景品イベントを、同じテーブルで考えてはならない。立場が違うと同じイベントでも意味合いが違うのだ。



同じ場所で半世紀以上もホール経営をしている会社は、それなりのノウハウがあると言うこと。



つづく



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元店長から再度のお願い

毎日パチンコ日報と私の寄稿を御高覧頂き誠にありがとうございます。



コメントは全部拝読しています。そのコメントに対して返事を入れない私は、礼節を欠いていると心苦しく思っています。理由は前にも書きましたので省略します。



最近、何度か同様の事を書いています。一部内容が重複しますが、お許しください。



私(元店長)は、パチンコ日報に寄稿している立場です。

自分のブログを持っていませんから、パチンコ日報は居候の身です。



その関係から、私の寄稿でパチンコ日報(営業1号さん)に迷惑をかけられないと言う思いから、寄稿内容は100%のものを寄稿しています。



だから多くのブログで見かける「多分」「情報に自信が無い」「勘だけど」「間違いがあれば指摘して下さい」等の言葉は極力書いていません。



この言葉は、自分で運営しているブログだから書ける単語です。

それ故、寄稿の書き方には限界があります。この点をご理解をお願い申し上げます。



この数カ月の事ですが、私とボンペイ吉田様を比較対象とする人が少数ですがいます。



少人数ですが、その方々から多くご意見を頂戴しています。

貴重なご意見ですが、上記の点と次の事をご理解下さい。



私はボンペイ吉田様の様にブログを管理する能力がありませんし、時間もありません。



またパチンコ関係での収入も得ていません。



ボンペイ吉田様のブログ記事と私の寄稿内容を比べることは、私は無理があると思っています。



その点をメール等でご説明する場合もありますが、今回はこの寄稿でハッキリとご理解をいただきたい、と思います。



ボンペイ吉田様は立派にご自分で事業を展開されています。だからスタンスが全く違いますし、歩んできた道も経験も違います。



2人を比較することは、読者の中でして頂きたいのです。



これから書く内容はボンペイ吉田様を批判するものではありません(この様な断りを入れなければならない程に、私が「他のサイト様云々・・」と書くと、批判されたりするのは、もう懲り懲りです)。



以前ブログで書いたagで始まるメールアドレスは廃止します。だからボンペイ吉田様と私を比較するメールや電話(FAX)、コメントは、今後一切お断り申し上げますので、何卒ご理解下さい。



また先日ボンペイ吉田様が、私の寄稿した記事のコメントに対して、一時期ご自分のご意見をご自分のブログに掲載されましたが、ブログ先からパチンコ日報のコメントに直接リンクされた関係から、私の所に様々なご意見(賛同も批判 もあり)が多数入りました。



直接リンクについて意見はありませんが、その関係で私はある程度の考えを明確にしなくては収拾がつかない状況になっています。



私の寄稿に対するコメントが、私の意見と勘違いされている方もいますし、

ボンペイ吉田様がパチンコ日報のコメントされた読者に意見を述べるのはご自由です。



しかし、ボンペイ吉田様のご意見についてどう思われるのか、との問い合わせに私が答えなければならない状況で、私は迷惑していることをどうぞお察し下さい。



再度書きますが、私とボンペイ吉田様を比較するには無理があります。

ボンペイ吉田様は、機械評論をご商売にされている立派な方です。



でも私はそれを生業にしていません。



メールや電話、コメント等で、私に機械についてのコメントや評論を求められるケースが、あの出来事から増えていますが、私は機械評価を一切致しません。



故にボンペイ吉田様とは、商売敵でもなければ、同業者でもありません。

またボンペイ吉田様と同じ商売をする気も一切ありませんのでご安心下さい。



上記の関係から、この後に、ボンペイ吉田様の名前を出した寄稿がありますが、それは上記の経緯からお名前を寄稿文章中に書いているだけです。



★だから決してボンペイ吉田様の批判記事ではありませんのでご理解下さい。



私の寄稿は、管理人様に迷惑を書けない内容を心がけています。

その迷惑を排除するためにお願いがあります。



今後、私の寄稿の〔コメント〕に反論がある方がいらっしゃいます場合、コメントに直接のリ ンクをしないで頂きたいのです。



ネット社会は、様々な人々が、様々な立場で読みます。

それ故に色々勘違いをされる方が出てきてしまうのです。



今後も宜しくお願い申し上げます。



末筆になりましたが、ボンペイ吉田様のご発展をお祈り申し上げます。



元店長



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