パチンコ日報

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パチンコ業界から他業界へ転職することの壁

パチンコ業界から足を洗ったのが2年ほど前だった。



再就職先は業界とは関係のない社員研修会社。ただし、身分は契約社員だった。契約更新は半年毎に行われる。



その第1回目の契約更新で「仕事が激減したので」という理由で、あっさりと首を切られた。



現在は再び求職活動を始めている。4カ月の間に40社あまり応募した。最終面接まで行ったのわずかに1社。



東京の一流私大を卒業。中途採用で機械メーカーに勤めていた。



「パチンコ業界は相手の言葉の端々から、軽く見られているのを実感する。メーカー出身といっても『パチンコ、パチスロでしょ。しょせんはギャンブル好きの集まり』と。メーカーが流すテレビCMを見てパチンコ業界は濡れ手に泡で儲かっていると思っている」と堰を切った。



最終面接まで行った会社は新規事業を立ち上げるにあたって、ホール経営者と太いパイプを持っている人間が欲しいだけだった。経営者の考えが性に合わなかった。



「パチンコ業界にいた経歴が他業界へ行くことを難しくしている。パチンコ業界で働いている人にアドバイスしたいが、長く勤めることを覚悟したほうがいい。5~10年もパチンコ業界にいたらしんどい」



以前、パチンコ日報で「ホールでバイトしたらブラックリストに載る?」というエントリーを書いたことを思い出す。



転職相談セミナーを3回ほど受講した。講師3人が口を揃えるのが「趣味の欄は何かにつながることがあるので、どんどん書いたほうがいい。ただし、パチンコだけはダメ」と釘を刺す。



飲食業界がコピーライターを募集していた。コピーライター経験はないが、電話したところ「パチンコのライターはいらん」とぴしゃり。



「まともな業界とは思われていないことを実感する毎日。飯を食うために再びパチンコ業界に戻るか、正直ジレンマに陥っていますわ」



業界に戻りたくない理由は、業界は持続しても成長することは100%ないと考えているからだ。



「いかに衰退を穏やかにするしかない。ゲームもインターネットではタダでできる時代。そういう意味ではパチンコは時代錯誤。退職後もパチンコを楽しめるのも団塊の世代まで。年金生活で裕福な年寄りも後10年もするといなくなる。パチンコは社会の発展には貢献していない。ファンを増やすことは地獄の世界へ引きずりこむようなもの。一般サラリーマンなら1円パチンコですらできない」



求職活動をしながら昼間はスポーツクラブに通う。



昼間のスポーツクラブは、プールサイドやサウナの中で、じいちゃん、ばあちゃんのコミュニティーができている、という。



「1カ月一番高い会費でも1万円。これでほとんどの無料レッスンが受けれて、風呂は入り放題。健康的で精神的にもいい。パチンコなら1万円は30分と持たない。1万円あれば1カ月毎日楽しめる。そういうことにも気づかないお年寄りはパチンコ依存症」と切り捨てる。



パチンコは固定費がかかり過ぎているので、他のレジャー産業と比べて競争力が落ちていることは、スポーツクラブの例を見るまでもない。



パチンコ業界へ入ったからには骨を埋める覚悟がいる、ということを彼はいいたかったようだ。



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