
トミナガ流集客術は、いかに金をかけないか。ウデと頭を使い、お客様視点で見て、考えて、独自の政策、戦略を持っているところは、1~2店舗でも時代に流されることなく、しっかりと固定客を掴んでいる、という。
最初のテーマは「チラシで集めた客は散らす」。多少ダジャレも入っているが、このフレーズになかなかの含蓄がある。
では、散らさないチラシとは?
「広告屋は商売なので、多色刷りで、大きいサイズのものを作りたがる。花の慶次を30台導入した時にチラシを打ったが、稼働が70%しかなかった。その時のチラシは花の慶次を大きめに載せて、ほかの機種の写真も一杯載せていた。これでお客様を付ける気持ちがあるのか、と思った。事務所からホールを見ているからダメ。
2回目のチラシはお客様が付かなかったら私が、責任を持つのでこの通りにして下さい、といって、B4の紙に赤いマジックで『出します!』。お客さんはこれを求めている。1色刷りで価格もぐっと安い。業者のいいなりになって高いチラシは止めて、その分玉を出しましょう。チラシは画像がメインではない。フォントがなければ手で書けばいい。
業者任せのチラシがお客様を散らす結果になっているのです」と警鐘を鳴らした。
このチラシはその時の花の慶次のチラシではないが、イメージとしてはこんな感じだ。

このチラシもなかなか洒落が効いていて面白い。支払い先がパチンコファンではなく、パチンコ不安のみなさま、とある。

手形の種類には鉄板手形や飛行機手形というものもある。
鉄板手形とはまさに割れない手形で、飛行機手形というのは、たまに落ちることもある、という信頼性のない手形のことを揶揄したもの。
そこでここの手形がどちらでもない、約束手形ということを謳っている。
お客が集まるチラシのポイントは次の通り。
①目立つ色
②気持ちを誘う見出しのインパクト
③機種だけではないイベントを考えること
④親切で分かりやすいこと
⑤業者任せは止めて独自色が前面に出ること
そういうことが含まれたチラシが上記のチラシということになる。
トミナガ氏が弱小店舗に推奨するのは「ハガキで集めた客は散らさない」。
手書きのDMハガキを使って1対1の接近戦こそが、弱小店舗が戦うフィールドだという。大手は広範囲からの集客を図るので、面倒くさい手書きハガキを書いている暇はないからだ。
では、ナゼ手書きなのか?
「実行するとすぐに効果が現れるからです。300枚出して、30人の回収ができた。これをきっかけに、3~4人が常連になれば、それだけでも大きい。手書きにハガキには感動的な物語もありました」
それは青森のホールだった。
スタッフ全員が手分けしてハガキを書いた。ある女性スタッフがハガキにこんな文面を書いて自分のプリクラを貼って出した。
「おばあちゃん、お元気ですか? あの時右足が痛いといっていましたね。まだ、退院されていないのですか? ○日は乙姫デーです。早くおばあちゃんの顔が観たいです。私がおばあちゃんの担当です。来店したら私の顔をさがしてください」
ハガキが届いたころ、丁度退院したところだったおばあちゃんは、さっそく来店。
「お~、あんたかね。ありがとう、ありがとう」とカウンターの前で2人して泣きながら抱き合った。
感動の再会である。
乙姫デーには、特別のコーヒーが振舞われた。20~30万円もする高価なコーヒーカップで、イケメンスタッフが客席にコーヒーを運んだところで、担当の女性スタッフとバトンタッチして「右足は大丈夫ですか」と語りかけた。
このおばあちゃんの口コミは、たちまち、あちこちに広がった。
おばあちゃん連中仲間が5~6人集まるようになった。
そして、休憩室でおばあちゃんたちが弁当を広げるようになった。
「弱小は地域密着型なので、弁当を広げて雑談できる場、お客様の心に優しい空間が必要です」
さらに手書きハガキの効用をこう力説する。
「美辞麗句を並べ、イラストを入れた電子メールを送っても心というものは送れない。心でつながったお客様は他店がチラシをまいてイベントをやっても離れることがありません。何よりハガキは安い」
次回はハネモノ特化作戦
つづく
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