パチンコ日報

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新シリーズ元店長の主張・・・その④「社内基準の接客マニュアル達成で満足してはいないか?」

ホール企業に入社して、ホール業務を覚え、ホールの接客も学んだ。



接客マニュアルは立派な内容であり、非の打ち所がない内容でもあった。



新入社員時代にそのマニュアルを体に覚え込ませホールで、実践する日々を送るうちに、疑問を持ち始めたことがある。



その点を後で書く。



私が所属していたホールは、「駅前店」「郊外店」「漁港前店」「田んぼのど真ん中店」などがあった。



私は全てのタイプの店舗を体験をしたのだが、この時に上記に書いた疑問を持ち始めた。



最初に教え込まれた接客マニュアルの内容だが、これが全部の店舗に当てはまらないことを肌で感じた。



話は少しそれる。



店側としてはお客様からの贈り物を受け取れないのは、常識であろう。



しかし、こんな例があった。



その店の周りは田んぼだらけ。



国道沿いにある店舗だが、周りに民家はほとんどない。



隣のホールまでは自動車で15分。



農繁期は夕方まで稼働率は10%で、夕方から60%に伸びる。



農繁期でも朝から豪雨が降ると、開店から稼働が70%になる。



こんな田園風景が似合うパチンコ店のお客様は、半分以上が農家の方々である。



50歳代のご夫婦が、軽トラックで来店される。仲良くパチンコをしながら、一日の農作業の疲れを癒す。



夕食の支度は嫁がやるから大丈夫だと話すおばちゃんもいる。



こんな環境だから、駅前店の様な接客をやっていたら、お客様から「あの新人は気取り過ぎだ」と言われたりしてしまう(笑)



お客様が大勝ちすると、翌日はお客様の畑で採れた野菜を持ってくる事もしばしば。



こんな品を贈られることもある。



「店長、昨日は4万円も勝たせてもらったから、有名な団子をそのうち買ってくるからなー」と言われた。



こちらとすれば「いやいや、いつも負けているでしょうから、お気持ちだけ頂戴します」と答える。



でも数日後、そのお客様は団子50本を手にして来店される。



従業員が「店長!店長!山田さんが団子を持ってきました、受け取ったら駄目ですよね勿論!」



店長とすればこんな時が一番困る。



先に書いた野菜もそうだし、団子やお菓子類も、受け取ることは「基本的にダメ!」



でも受け取りを拒むと、お客様も気分が悪くなる。



こんなケースは田舎のホールではよくある事かも知れない。こんな時は皆さんはどうするか?



話を戻す。



会社でのマニュアル通りにすると違和感のある地区があるのは事実。



目の前が有名な漁港の店舗では、もっと大変だった。



荒々しい漁師さんが来店する。



海がシケた日は、漁が中止になる。



そうなると開店からホールは大変な賑わいになる。



稼働は90%!



その理由は、大勢のお客様とその店で自然に発生したルール。

そのルールは、今は厳しく規制されているが、当時は甘甘の規制だったからできた。



お客様の手が届く範囲は掛け持ち遊技をする。これを店側は黙認。



掛け持ちを注意するとキレル人もいた。



漁業で景気がものすごく良い時代だった。



手が届く範囲とは3台まで掛け持ちが可能になると言うこと。



こんな店は極端なケースですが、ここで駅前店の様な接客をしたら大変だ。

お客様から「あの店員は何なんだべな?」と言われる。



過去のコメントの一部に、この点に関しての私の見解を誤解されている人もいた。また一部のブロガーさんもそんな感じだった。



その誤解は、このエントリーをご高覧頂ければ気づくだろう。



マルハンの成長創生期に、この接客に関係することをマルハンから学んだことがある。



それはこのシリーズ中に書くが、当時のマルハンの接客のレベルは、店舗ごとにマチマチだった。



一方、あるチェーン企業は、どの店舗も接客は金太郎飴の様に均一だった。



どのロケーションのホールでも均一なレベル。



これを悪いと書いているのではない。



東京など集客の見込める立地にあるホールは、ある程度大雑把に接客しても、人口密度に助けられる面がある。



しかし限られた資源を有効活用しなければならない地区では、大雑把な接客や営業をしていては【それ以上は望めない】のだ。



お客様のことを今回は、分かりやすい表現で「資源」と書いた。お許し願いたい。



その資源の数と資源のもつ資産を採り合うのが、商売の醍醐味の一つでもある。



簡単に書くと接客でお客様を増やす可能性は少ないけれども、接客でお客様を逃がす可能性は高い、というのがホール運営だ。



店長に与えられたノルマを達成させる努力をする時に、新人店長が陥る盲点がある。



新人店長だけではない。ベテラン店長にも同じ傾向を示す人もいる。



それはノルマ達成に必要なものは、集客が一番だと思う発想だ。



多くの新人店長が最初に考えるのは「新台入替をして集客したい」。



自店の成績が上がらない理由を競合店舗に比べて、入れ替えが足りないからで、もっと新台を入れて欲しいと積極的にアピールする。



そんな新人店長を「やる気がある店長」と見るエリア長もいる。



新台に頼る新人店長もそれを評価するエリア長も大したことはない。



もっとデキル新人店長やエリア長は、違う角度から物事を考える。



ホール運営で新機種の入れ替えは欠かせない。それはそれで重要なポジションを占める。



でも、次のような発想があれば、成績は安定したものとなる。



それは既存のお客様の滞留時間を延ばし、来回数を増やす、ということ。



限られた経営原資を有効にするのは、こうした戦略が必要で、繁盛ホールはこの戦略に長けている。



しかし、私が今までお付き合いのあった弱小ホールは、この思想が欠けているケースが多い。



この違いが長い時間をかけて「差」となり現れてくる。気づいたときは、その差を埋められないぐらいの差になっている。



常連様1000人を1100人に増やす作業に合わせて、常連様1000人の遊技時間や来店数を10%増加させる努力や戦略、それを可能にする店長やエリア長の思考があれば、数年後には今より安定した営業が望める。



この考え方は、オーナーや本部長レベルでは分かっていても、その下の人材まで教育されていないことが実に多い。



このことと接客の関係は密接で、ただ本部から与えられた接客マニュアルの合格点を目指すことで満足している店長は、近所にマルハンが進出してきた場合は、撃沈する。



今のマルハンを見るのではなく、成長過程でのマルハンの各店舗を思い出すことや分析する事が重要であり、その過程があればこそ、今のマルハンがある。



今後はその話も書いていく。



20年以上前、チェーン展開していたホール企業の接客は、マルハン以上のレベルだった。



マルハンが躍進する過程で、そのホールはある歪みが生まれて、売上や店舗数に大きな開きが出た。



だから、今のマルハンを分析する前に、過去のマルハンも分析材料にすると、成長のヒミツが分かる。



つづく



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