休日分散化がにわかに話題になっている。
昨年末、この休日分散化についてある大学教授が講演した。
講演後、教授と話す機会に恵まれたので、今回はその時の話を書こうと思う。
講演会に出席した人の大半は、小売業関係者だった。
最初に結論から書く。
休日分散化案は、著名な経済評論家などが「愚策」と批判している。
しかし、この教授は「やってみなければ分からない」。
その理由は「産業別」や「地域性」によって効果が違うと予測されるからだ。
この法案が第一にターゲットにしている業界は「旅行」「観光業」であることは明白である。
例えば、製造業に関しては、大きな影響が考えられる。
その一方で、一部の識者は、国内の製造業は縮小傾向にあるため、大きな影響は受けないだろうと見る。
それって本当なのか?
国内の物流システムや交通システムを考えた場合、大きな問題点が改善されない限り混乱が起きるだろう。
鉄道のダイヤはどうするのか?
物流の場合、発注元が休日で、発送元が平日の場合はどうするのか?
諸外国と日本を比較は簡単にはできない。
にもかかわず、マスコミや経済アナリストは、比較した見解を述べている。
欧州には私の親しい友人が多くいる。日本の祝日より圧倒的に少ない国が多い。
日本は12月28日に御用納めで、1月3日までが年末年始休暇となる。
欧米は1月1日は休日だが、31日や2日は営業日のところが多い。
その一方で、欧州は有給休暇制度がしっかりしていて、最低でも連続14日間の有給休暇の消化を義務化している国もあるほど。
欧州では長期休暇は当たり前だ。
フランスはバカンスシーズンが重なるので、時には200km以上の渋滞も起きる。
しかし、有給休暇をバカンスシーズン以外にまとめて消化する人が多いので、それはそれで、労働者の休日取得が分散化されている。
欧米と日本は習慣が違うので、今回の休日分散化の効果は、プラス産業もあればマイナス産業もある、と言うことからこの教授はやってみないと分からないとの持論だ。
公官庁や学校は地域別の休日はその通りに取れる。
しかしだ! 民間はその通りにはならない。
東京の取引先が休日で、自分の会社(九州)の場合、スケジュール調整しなくてはならないこともあるだろう。
会社側からすれば、休日出勤が増える計算になる。
金融機関に勤める友人は、ハッキリ「迷惑!」と断言する。
例えば証券業界の人は、土日しか休みが取れなくなる? とか言うし(笑)
それよりも、本来の祝日の在り方は、完全に薄れる。
憲法記念日は、制定された日が祝日になることに意味がある。
この休日分散化は、旅行業界や観光業界、ホテル旅館組合にとっては、好都合の制度だが、パチンコ業界にとっては、明らかにマイナスになるだろう。
国民の財布は限られている。
パチンコ以外にレジャー消費に回れば、単純に考えただけでも、パチンコに回す金は減る。
そうなると、これからのホール業界は、連休に大きなイベントをぶつけて来るのは明白だろう。
今まで、粗利を確保していた土日や年末年始・ゴールデンウィーク・シルバーウィーク・ハッピーマンデーなどのイベントは様変わりするはずだ。
それを考えたら、パチンコ業界にとっては、この制度=休日分散化は起爆剤になる可能性は大きい。
この法案はまだまだ紆余曲折があるので、見守る必要はある。
パチンコ業界的に休日分散化は「パチンコ業界にマイナス」との意見が多いが、私はこう思う。
先日の寄稿で書いた「禁煙化法案」と同様「休日分散化法案」は、やりかた次第では、パチンコ業界にとってはプラスに働く。
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