パチンコ日報

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パチンコ業界の「安心」のために先駆けるサービス

前回提案した「新型保険」については、本来なら「マルハン考」シリーズの中で書くつもりだったところで、今回の通り魔事件が起きた。



パチンコ店における犯罪発生率の詳細は分からないが、放火事件や通り魔事件がパチンコ店内で立て続けに発生すると、お客様をはじめ国民からパチンコ店は危険な場所と思われないかが心配だ。



舞台はいずれも大阪。特に関西地区の人たちはどう感じているのだろうか。



皆さんは「犯罪被害給付制度」をご存知だろうか?

これが施行されたのは1981年1月1日。



1974年、三菱重工爆破事件が起きた。



大勢の市民が巻き添えになり、死者8人、負傷者376人を出した。



この事件がきっかけになり、公的な犯罪被害者補償制度の確立を求める声が高まり、この法律が制定された。



1995年の地下鉄サリン事件で、犯罪被害者の拡大を受けて、重傷病給付金の創設、障害給付金の支給範囲拡大などの改正が行われた。



その結果、被害者が死亡した場合、生活維持遺族がいると870万円~1200万円。



それ以外は、約320万円~約1200万円。(第一順位の遺族が2名以上いた場合は、その人数で除した額)



重傷病の場合は、最高でも120万円。



重度障害が残った場合は、障害等級に応じて1000万円~4000万円。



それ以外は18万円~1200万円。



(給付金は条件により減額されたり、支払われない場合もある)



悲惨な事件が起きるたびに、パチンコ業界で新型保険の導入を検討して欲しいと前々から思っていた。



特に大阪・此花区の放火事件の時にそれを強く思った。



従業員が事件に巻き込まれた場合、労災などが適用される場合が多い。



しかし、お客様はヤラレ損のケースがほとんどだ、という。



通り魔事件などでは、犯罪者に補償するだけの資産がない場合がほとんど。



通り魔事件ではないのだが、殺人事件の場合、殺された人の遺族に、賠償金が支払われるケースが少ない事をご存知だろうか。



有名な事件があった。



通称「〇〇(地名)お受験殺人事件」。連日のようにマスコミで報道された殺人事件だ。



裁判で知人の子供を殺した女に、懲役刑と損害賠償金の支払いを命じる判決が出た。



殺された子供の両親は、賠償金の支払いを子供の月命日に毎月支払って欲しいと加害者側に依頼した。



毎月亡くなられた子供のことを思い出して欲しいと言う親心からだった。



10年ほど前、この事件に詳しい弁護士から聞いた話が次の内容。



この事件での損害賠償は、毎月支払われていないという(多分今もそうだろう。少なくても当時はそうだった)



判決が出ても、加害者は服役中なので支払いはできない。当然、損害賠償額に見合う資産もない。



全国で起きている殺人事件の被害者が、損害賠償金を受け取れる事は本当に難しい、という。



ケースによっては、加害者が行方不明になる事も。



その弁護士によると、90%以上の被害者は、損害賠償金を受け取れないことが追跡調査で分かった。



自動車事故の場合、自賠責保険である程度はカバーできる。



しかし、通り魔事件の場合は論外。



そこで私からの提案である。



いま、パチンコ業界が一番大切にすべきことは、お客様から見た「安心感」だと思う。



ホールやメーカーがお客様目線に立った時、一番欠けているのが「安心感」の不在だ。



潜伏確変も安心感を阻害している。今回の事件や放火事件もお客様の「安心感」を阻害し始めていると思わないだろうか?



「マルハン考」で書こうとしていたことをこれから記す。



もし、私がマルハンの経営陣だったら「あーしたい、こーしたい」と思う事が幾つもある。



そのアイデアの一つが「ホール内で起きた死亡事件や傷害・怪我を補償する新型保険」だ。



業界のリーディングカンパニーのマルハンが先陣を切って、新型保険を開始して、これを業界全体に拡げる。



できれば、ホール組合やメーカー組合も巻き込んで欲しい。



保険会社も今までにない新型保険を開発出来るメリットがあるので、是非検討してもらいたいのだ。



例えば、会員カードに、この新型保険を付帯する。



ホール内で起きた殺人事件や傷害事件に巻き込まれた時は、会員カードに付帯された保険から、見舞金が出るというのはどうだろうか?



ホール内で相手にケガをさせた時の賠償や、ホール内の怪我もカバー出来ればありがたい。



この新型保険は、犯罪の抑止効果はないが、本人や遺族への安心感につながると思う。



殺人事件の場合、1000万円程度でも保険金がおりれば、遺族の心労を少しでも軽減できるだろう。



このアイデアを集客やホールのイメージアップにつなげる考え方は不謹慎だが、パチンコ業界がお客様に「安心」をアピールできると思う。



ホール側が負担する保険料がいくらになるか分からない。会員カードの枚数に応じるのか、ホール単体での契約になるのか、そこら辺のことは、保険会社とつめて頂きたい。、



この話はお客様にとって、マイナス面はない。一度組合などでも検討して頂きたいと思う。



さて、このエントリーでは、お客様の安心感について述べた。



今、パチンコ業界で一番大切な事が「安心感」の確保ではないだろうか?



これについては、別のエントリーで述べる。







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通り魔殺人のコメントを拝読して…その1 新保険の開発を

お亡くなりになられたお客様のご冥福を心からお祈りします。



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このエントリーは、今回の事件について語るものではない。



コメントを拝読しての簡単な雑感を綴るものだ。



皆様の考察の参考にして頂ければと思い、急きょ書いた。



パチンコ店でこの様な悲劇は二度と起きて欲しくないものだが、起きないとは言い切れない。



競馬場や競輪場に比べて、どうしてパチンコ店で起きる率が高いのか?とのコメントがあった。



大きな理由の一つは、パチンコ店の数が圧倒的に多いからだろう。パチンコ店は全国に存在して、誰でも簡単に入場できる。パチンコ店は、そういう意味で目立つ存在でもある。



駐車場で小さな子供が、車内に放置され亡くなる事件も、同様の理由が考えられる。



実は、車内に乳幼児などを放置して、親がその場を離れる事は、パチンコ店の駐車場に限ったことではない。



今から20年ほど前、有名百貨店(パチンコ村の近く)の立体駐車場で実際に起こった。



駐車場から、子供の泣き声が聞こえた。係員が一台ずつ駐車中の車内の点検を始めた。立体駐車場なので、時間と手間がかかった。



乳幼児が車内で寝かされた状態で発見された。



それからが大騒ぎだった。

店内放送で自動車のナンバーを読み上げ、お客様を探した。幸い、親は直ぐに見つかったが、店内にいなかったら大変な事になっただろう。



愛犬の車内放置も結構ある。このケースは、店側が見過ごす事がほとんど。



東京都内の百貨店の専用駐車場は、最新式の立体駐車場だ。お客様が車を頭から駐車位置に停めて下車すると、係員のボタン操作で、車が自動的にスライドしながら入って行く。



この時、係員は必ず自動車を一周して、車内に人がいないかを点検する。特に入念なチェックが必要なケースはワゴン車。スモークガラスが多いので確認にも苦労する。



年に数回、チャイルドシートに乗ったままの乳幼児が発見される、という。



ア太郎さんのコメントの中に「他の商業施設で駐車場を回る頻度はどれくらいなのでしょうか?」との質問があった。



東京・小金井市のイトーヨーカ堂は、警備会社に30分おきに屋上駐車場の点検を依頼している。



30分おきの理由は諸事情から掲載をさけるが、この店舗の危機管理能力が充分に発揮されている事が分かる。



一方、東京競馬場の近くにある平面有料駐車場は、定時の見回りは一切ナシ。



私が店長時代は、夏場は最大でも1時間おきに駐車場の巡回をしていた。



私が店内勤務中の昼間は、極力私が巡回を行い、私がいない時は、役職者に巡回をさせていた。



その理由は一般従業員を一人で巡回させると、お客様とのトラブルも考えられるので、事前予防のためでもある。



この時、エアコンとエンジンをかけたままで、車内に子供を放置していた例が2件。1件は乳幼児。もう1件は幼稚園生。



当時は今と違い、ホール内への未成年者入場に寛容な時代だったので、置き去りにしている件数は意外と少ない。子供を入れられなくて置き去りが増えたともいえる。



エアコンをかけたまま放置する親は、エアコンをかけているから大丈夫だと思っている。エンストなんかしないと思い込んでいる。そうした無知が引き起こす事件でもある。



私は2回放置したお客様には、出入り禁止の予告をしていた。



駐車場の巡回は店舗責任者の脳内危機管理が顕著に出る。しかし、予算や時間的な問題でなかなか理想通りできないことに、ジレンマに陥る店長もいる。



危機意識の高い店長は、社内の人材配置を駆使して頑張っているケースも多い。



話を戻そう。



パチンコは威張れる趣味ではない。

しかし、パチンコによって人生を豊かにできるケースもある。



そうはいいながらも、パチンコはギャンブルだ。

ギャンブルを優先して子供を犠牲にする親は世間は許さない。



その狭間にパチンコホールがある。



ホールの一部には、世間の常識と乖離している店舗もある。



今回事件があったホールの経営サイドは常識があったから、店舗にお詫びの張り紙を出し、P ワールドにも掲載した。



これは社会常識だが、それが出来ないホールが過去にあった。



消防訓練も一生懸命訓練しているホール企業があるが、中には一度もやっていないホールも存在する。



これはパチンコホールに限らないが、経営者や管理者の危機管理能力のレベルを見分けるバロメーターでもある。従業員は自社の危機管理レベルをこれで推し量ることもできる。



ここまで書いて、ホールの放火や殺人をなくすためには、どうすればいいのか? この問題に触れなければ「元店長は中途半端だ」と言われるだろう。



今回のようなケースで完璧な防犯はできない。



だから防御する努力と工夫が必要になるのだが、これには金がかかる。

金はかかるが、人命を優先させるのが当たり前だ。



警備員を配置できないホールは、入店されお客様を見かけたら「いらっしゃいませ!」と大きな声でお声がけをしたりする。



お客様全員に無理としてもこうした方法で、対処していくしかない。



それでも、100%防ぐことはできない。



せめてホール内で起こった通り魔事件で、被害者へ補償ができる保険を業界と保険会社が共同で開発してはどうだろうか?



働き盛りで亡くなった場合は、家族や子供もいることだろう。



通り魔からは99%、殺人に見合う損害金は取れない。



づつく



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別スレの13さんに会う

今は閉鎖されている掲示板だが、そこで「別スレの13」というハンドルネームを使って書き込んでいた人がいた。



その掲示板のファンだったら「あなたが別スレさんでしたか!」と感動の再会になっていたのかもしれないが、あまり読んだこともなかったので、そのハンネも見覚えがなかった。



結構、掲示板ではバトルを展開していたようだ。



そのくだりを知らないままに、「別スレの13」さんに会うことができた。これもパチンコ日報が取り持つ縁だ。



現在はホールの統括部長職。



業績の悪かったホールの立て直しに成功している。



かれこれ10年前、別スレさんはパチンコ業界の従業員を対象にしたポータルサイトを立ち上げたことがあった。



その名も「CR店員さん2000」。



当時から業界で働く若者が増えたが、土日が休めないので休みが一般の人とは違う。そういう状況でホール業界における仲間探しのためのポータルサイトでもあった。



発想が面白かったので、立ち上げからわずか2週間後には夕刊フジの取材を受けることになる。

半年ほど続いたが、忙しさの中でフェードアウトしていった。



これが今でも続いていたら、ピーワールドの従業員版になって、今頃はホールを辞めてこちらに専念していたかもしれない。



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奇跡の復活劇の幕は上がったが…

同じ屋号でチェーン展開していても経営は別、ということがある。それが、定点観測して、復活劇を期待しているホールだった。



兄弟は3人。



本社を引き継いだのは3男。定点観測しているホールは長男の会社が運営しているようだ。



2日間休業して再スタートしたのは5月半ば。



初日はまずまずの客入り。



客から不満が一番多かった「回らない釘」に対しては、「回感遊技」のプレートを全台に刺し、回るようになったことをアピールしている。



今回のリニューアルでは甘デジコーナーを1円コーナーに変更したほか、スロットを40台増台している。



地元客によると、リニューアル後初の土日は盛況だったようだが「牙狼を打った。スタートは以前に比べよく回るようになったが、アタッカーになかなか入らない。牙狼は1回の大当たりで1500発は出るが、1150発しかない。これは削りすぎ。スルーも入らない。スタートは回ってもストレスが溜まる」と不満だけが残ったようだ。



翌月曜日。



競合他店に比べると稼働は落ちている、という。



一度ダメになると、本社が立て直しに入るのが、このチェーン店の特徴のようだが、地元客の体験を聞く限りでは、まだ本社は介入していない?



「回感遊技」で客から一番不満の多かった問題はクリアしても、その分、出玉を削ったのでは、客はかえってストレスを溜めることになる。



問題点はまだ、すべて解決されたわけではない。ここを取り除かないことには元の木阿弥。そんなことは釈迦に説法。十二分に分かっているはず。



高い家賃が出玉を削らせているのか?



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従業員の意識改革・・・その5

父を亡くしたBさんの話は切実で悲しい。詳細が書けないくらい悲しい。



遺書には自分が右腕だと思っていたスーパーの店長宛もあった。

お父様は息子Bさんのことをその店長に託したのであろう。



しかし、その想いは伝わらず、抵抗勢力という名に変わった。



どの業界でも、二代目や三代目に会社の実権が移る時、会社の番頭クラスとの信頼関係が大きな鍵となるケースが多い。



この実権移譲が成功するかどうかは、先代がどこまで次代のための地ならしを成功させていたかに掛かっている。



二代目や三代目が失敗する原因は、本人の能力にも左右されるが、番頭役がどこまで協力してくれるのか? そこが重要ポイント。



Bさんは、突然の出来事に悲しむ暇もなく、会社の舵取りを始めた。それもパチンコ店以外は全て赤字の状況下で。



ホールの事業部長は、信頼が置けると確信していたので、全てを任せることができた。



事業部長を役員に昇格させた。



素人レベルの小売業は、専門のコンサルに任せて、ダメなら事業から撤退することを考えていた。



しかし、真面目に働いてくれている従業員のおばちゃん達の顔が脳裏に浮かび、従業員の家族のことまで考えなくてはならない。



この時Bさんは、初めて父の偉大さと苦労を知った。



「もっと沢山のことを学んでおけば良かった。後悔しても遅い」と漏らす。



Bさんによると、抵抗勢力の内容には、整合性に欠けるものがある、という。



抵抗勢力が全て間違いだとは言わない。



その判断と解決策としての方法はこれだ。



「抵抗勢力」から会社再建と改革のための企画提案書を提出させる。

提出出来なければ、抵抗勢力の負け。



それとBさんが痛感したのは、会社で痛みを伴う改革を断行する時は、経営者側の参加が重要だということ。



それをしないと、従業員からは経営者の指導力を疑われ、机上の空論を押し付けていると取られる。



また、経営側が参加する事で抵抗勢力の矛盾を証明できる。



協力をしてくれない抵抗勢力を抑えるのは?



抵抗勢力を納得させるのは?



これは誰の仕事であろうか?



経営者側が信じた改革方法を納得出来ない勢力を残したままの状態だと、他の従業員への悪影響も大きい。その時は大きな決断が必要になる。



それができない経営者は、コンサルを雇っても無駄になるケースは多い。



これを読んでいる経営側の人は、この事を再考していただきたいものだ。



「おやじは天国で息子の苦労を見守るしかない」とBさんは胸の内を明かす。



息子に経営権を委譲する時、経営者の手腕一つで天国と地獄ほどの差が出るものだ。



つづく