かつて平和の中島会長が「出し過ぎて潰れる店はない」といっていたが、時代が変わると出し過ぎて潰れた店もあれば、出さないで潰れた店もある。
トミナガ氏は「要は上手に出さなければならない。出しているというよりも出しているように見えるようなテクニックが大事」という。
では、そのテクニックとは箱をたくさん積んで出しているように見せかけるのか?
「その方法が悪いとはいわないが、体感割数の時代はもう終わっている。出玉を積まない店では体感割数は通用しない」と言い切る。
そこでトミナガ氏が提唱するのが「心の割数」。別名「心の愛テム」とも呼ぶ。
「これは精神論ではない」と断言する。
愛知のホールではカウンターの下に常備薬を置いている。ある時年配の女性客が「頭が痛い」といって席を立ってトイレに向かった。それを察知したスタッフがすぐに頭痛薬を持ってトイレまで向かった。
薬を飲んだ客は「じゃ、もうちょっとだけ遊んで帰るわ」と結局、その後1万円あまり使った。
帰り際にそのスタッフにこう声をかけた。
「今日はありがとう。また、明日来るからね」
そして、本当に翌日もそのおばちゃんは来た。
「心の愛テムは、心なので方法は無限に、無尽蔵にある」
この店で開かれるトミナガ氏の勉強会にはコーヒーレディーも参加する。まったく別会社だが、勉強熱心の表れ。
このコーヒーレディーたちは、客の好みを覚えていて、注文があると「いつものですね」とさっと出す。だいたい150人分の好みを頭に叩き込んでいる。
さらに、女性スタッフの一人に「苦情大好き人間」がいる。年は24歳。複雑な家庭の事情で若いのに、鹿児島から出てきて札幌の牧場で働いた後、東京、千葉、静岡、大阪のホール勤務を経て現在のホールで働くことになる。
彼女のキャッチフレーズは「見返りのない愛を与える」こと。
お客から苦情があると率先して飛んで行き、問題を解決していく。その処理の仕方を皆が見習っている。
苦情を解決できたお客はその店から簡単には離れない。心の割数を政策化したもので、決して精神論ではない。
「店長やスタッフをお客様に惚れさせること。そうすると出玉があるないではない。心の中に出玉感が残る。これこそが心の割数です。新台を入れては抜いて、また新台の入れ替え。抜いて入れ替え、抜いて入れ替えは、お客様ももう、うんざりです」
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トミナガ氏の講演その⑥客が店から離れない心の割数
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