パチンコ日報

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パチンコ日報の企業訪問①平川商事編

パチンコ日報の名刺でホール取材



パチンコ日報の名刺で快く取材を引き受けてくれたホール企業が登場した。



きっかけは、ぱちんこ情熱リーグ第2回大会開催の記者会見が終った後で、名刺交換したことだった。



その場では本当に名刺交換だけで終った。家に帰り業界ニュースを読んでいたら、平川商事が入社式をなんばグランド花月で開いた記事が目に止まった。



しかも、それだけに止まらず、選抜した6人の新入社員が、吉本新喜劇の舞台に立っているではないか。 「何と面白いことをする会社」と感心していたら、この入社式を仕掛けたのが、名刺交換した総務人事部の天野部長であることが分かった。



気がついた時には、天野部長に取材申し込みのメールを入れていた。



翌日、天野部長からOKの返事が届く。



業界誌在職中は、会社の看板でどこでも取材に行けた。それは会社が長年にわたって培ってきた信頼の賜物であることはいうまでもない。



このブログは立ち上げて5年近く経つが、「パチンコ日報」に名称を変更してまだ1年も経っていない。



業界の一部で読まれているとはいえ、まだまだちっぽけな存在である。そんなパチンコ日報の取材を引き受けてくれたことに、感謝するばかりだ。



幸い、天野部長はパチンコ日報の存在は知っていた。ぱちんこ情熱リーグのアロー浪速店の記事も読んでいた。



アロー浪速店の成功がターニングポイント



平川商事の本社は大阪府八尾市にある。



2年前に全面改装した志紀店の3階が本社事務所となっている。利益を生まない本社ビルを建てないことがB/S経営の鉄則だが、それを実践している。



天野部長は新卒2期生で入社15年。現場経験を振り出しに、店長、エリア長、奈良健康ランドの総支配人などを経て、2年前から現職。



中学校の社会科の先生を目指していたが、採用試験に失敗。就職浪人するわけには行かないので、選んだのが平川商事だった。



天野部長が入社当時の同社は新卒採用を始めたばかり。人材面でもまだまだ過渡期にあった。日系ブラジル人も働いていた。



昔は店員がタバコを吸いながら表周りをしていたが、そんな名残もあるような職場環境だった。



何十年か前、志紀店へ行ったことがある。店内は昔ながらのパチンコ屋で、当時、どこのホールもやっていなかった「ジャンジャンバリバリ」のマイク放送をやっていた。



平川商事が一躍注目されるようになったのは、2004年にオープンしたアロー浪速店の成功からだろう。



それまでは八尾市や堺市、奈良県でのチェーン展開だったが、アロー浪速店は初の大阪市内店舗。1200台の大型店は常に満台状態が続いている。



これを足がかりに、2007年には大阪・ミナミの一等地にパチンコを核にした総合レジャービル「ナンバ・ヒップス」を開業して業界の衆目を集める。



好事魔多し。ヒップスの顔ともなるフリーフォールが開業早々にトラブルを起こし、最終的にはフリーフォールの運営を中止することになる。



業界全体の底上げが狙い



「入社前に1週間の研修を行っていますが、今年はコミュニケーション能力を高めるために、吉本興業の漫才研修を取り入れました。今の若者はケータイ世代ともいわれ、隣同士なのにメールで会話している。そういう人材にはなって欲しくなかった。何千人もの前で人を笑わせ、感動を与える漫才からコミュニケーション能力を学んで欲しい」と天野部長。



今年入社した48名が即席でコンビを組み、即興で漫才を披露した。



本来なら研修はこれで終わるのだが、広告代理店からNGKは箱貸しできる提案を受ける。



入社式と漫才と吉本新喜劇で3時間を貸しきれる。



さらに、特典として吉本新喜劇の舞台に飛び入り参加できる。



天野部長の発案により、NGKでの入社式が実現する。



新入社員の中から、新喜劇に出演するメンバーのオーディションが行われる。社会に出るとすぐに競争が始まっていることや、競争意欲を掻き立てられることをオーディションを通じて体験する。



NGKを貸しきるとなれば、キャパは大きい。会場を埋めるために新入社員の家族だけでなく、既存社員の家族や、社外関係者など700人あまりを招いた。



親御さんや取引業者に平川商事の取り組みやプレゼン形式の新入社員の決意を見て欲しい、という願いもあった。



NGKでの入社式に、社内から反対の声も上がるが「弊社の自己満足にはしません。とにかくやらせてください」と強い想いを伝えた。



いざ、ふたを開けてみると「息子がどうしてそこまで頑張ってやっているかが、きょう初めて分かった」と既存社員の家族からも感謝の声が寄せられた。



関連業者は他社の入社式に招かれても迷惑だろう、という懸念も「またやって欲しい」という声に吹き消された。



「業界全体を底上げし、10年後の弊社を支える優秀な学生を採りたい。そのきっかけになればいい」



同じことをやるのが嫌いな天野部長の頭の中には、すでに来年の入社式の青写真ができあがっている。



これが実現すれば話題性は十分。平川商事の知名度をさらに上げる効果は高い。



その時はニュースリリースをパチンコ日報にも是非流して欲しい。



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