パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

パチンコ日報の企業訪問①平川商事編

パチンコ日報の名刺でホール取材



パチンコ日報の名刺で快く取材を引き受けてくれたホール企業が登場した。



きっかけは、ぱちんこ情熱リーグ第2回大会開催の記者会見が終った後で、名刺交換したことだった。



その場では本当に名刺交換だけで終った。家に帰り業界ニュースを読んでいたら、平川商事が入社式をなんばグランド花月で開いた記事が目に止まった。



しかも、それだけに止まらず、選抜した6人の新入社員が、吉本新喜劇の舞台に立っているではないか。 「何と面白いことをする会社」と感心していたら、この入社式を仕掛けたのが、名刺交換した総務人事部の天野部長であることが分かった。



気がついた時には、天野部長に取材申し込みのメールを入れていた。



翌日、天野部長からOKの返事が届く。



業界誌在職中は、会社の看板でどこでも取材に行けた。それは会社が長年にわたって培ってきた信頼の賜物であることはいうまでもない。



このブログは立ち上げて5年近く経つが、「パチンコ日報」に名称を変更してまだ1年も経っていない。



業界の一部で読まれているとはいえ、まだまだちっぽけな存在である。そんなパチンコ日報の取材を引き受けてくれたことに、感謝するばかりだ。



幸い、天野部長はパチンコ日報の存在は知っていた。ぱちんこ情熱リーグのアロー浪速店の記事も読んでいた。



アロー浪速店の成功がターニングポイント



平川商事の本社は大阪府八尾市にある。



2年前に全面改装した志紀店の3階が本社事務所となっている。利益を生まない本社ビルを建てないことがB/S経営の鉄則だが、それを実践している。



天野部長は新卒2期生で入社15年。現場経験を振り出しに、店長、エリア長、奈良健康ランドの総支配人などを経て、2年前から現職。



中学校の社会科の先生を目指していたが、採用試験に失敗。就職浪人するわけには行かないので、選んだのが平川商事だった。



天野部長が入社当時の同社は新卒採用を始めたばかり。人材面でもまだまだ過渡期にあった。日系ブラジル人も働いていた。



昔は店員がタバコを吸いながら表周りをしていたが、そんな名残もあるような職場環境だった。



何十年か前、志紀店へ行ったことがある。店内は昔ながらのパチンコ屋で、当時、どこのホールもやっていなかった「ジャンジャンバリバリ」のマイク放送をやっていた。



平川商事が一躍注目されるようになったのは、2004年にオープンしたアロー浪速店の成功からだろう。



それまでは八尾市や堺市、奈良県でのチェーン展開だったが、アロー浪速店は初の大阪市内店舗。1200台の大型店は常に満台状態が続いている。



これを足がかりに、2007年には大阪・ミナミの一等地にパチンコを核にした総合レジャービル「ナンバ・ヒップス」を開業して業界の衆目を集める。



好事魔多し。ヒップスの顔ともなるフリーフォールが開業早々にトラブルを起こし、最終的にはフリーフォールの運営を中止することになる。



業界全体の底上げが狙い



「入社前に1週間の研修を行っていますが、今年はコミュニケーション能力を高めるために、吉本興業の漫才研修を取り入れました。今の若者はケータイ世代ともいわれ、隣同士なのにメールで会話している。そういう人材にはなって欲しくなかった。何千人もの前で人を笑わせ、感動を与える漫才からコミュニケーション能力を学んで欲しい」と天野部長。



今年入社した48名が即席でコンビを組み、即興で漫才を披露した。



本来なら研修はこれで終わるのだが、広告代理店からNGKは箱貸しできる提案を受ける。



入社式と漫才と吉本新喜劇で3時間を貸しきれる。



さらに、特典として吉本新喜劇の舞台に飛び入り参加できる。



天野部長の発案により、NGKでの入社式が実現する。



新入社員の中から、新喜劇に出演するメンバーのオーディションが行われる。社会に出るとすぐに競争が始まっていることや、競争意欲を掻き立てられることをオーディションを通じて体験する。



NGKを貸しきるとなれば、キャパは大きい。会場を埋めるために新入社員の家族だけでなく、既存社員の家族や、社外関係者など700人あまりを招いた。



親御さんや取引業者に平川商事の取り組みやプレゼン形式の新入社員の決意を見て欲しい、という願いもあった。



NGKでの入社式に、社内から反対の声も上がるが「弊社の自己満足にはしません。とにかくやらせてください」と強い想いを伝えた。



いざ、ふたを開けてみると「息子がどうしてそこまで頑張ってやっているかが、きょう初めて分かった」と既存社員の家族からも感謝の声が寄せられた。



関連業者は他社の入社式に招かれても迷惑だろう、という懸念も「またやって欲しい」という声に吹き消された。



「業界全体を底上げし、10年後の弊社を支える優秀な学生を採りたい。そのきっかけになればいい」



同じことをやるのが嫌いな天野部長の頭の中には、すでに来年の入社式の青写真ができあがっている。



これが実現すれば話題性は十分。平川商事の知名度をさらに上げる効果は高い。



その時はニュースリリースをパチンコ日報にも是非流して欲しい。



人気ブログランキング



ラジオの変化にパチンコの生き残り策を見いだす

AMラジオとパチンコは似たもの同士だ。



AMラジオのリスナーとパチンコを支える客層の年代が合致する。そのためか、ラジオでホールやメーカーのCMが流れる。



AMラジオとパチンコは年配者に支えられているために、将来に期待が持てない、という意味でも似たもの同士だったが、ラジオが逆襲を開始している。



パソコンでラジオが聴ける「ラジコ」の実証実験を関東と関西地区で実施している。



ラジオを持っていないから、ラジオを聴く機会がなかったという人にはラジオを聴く絶好のチャンスだ。



特にパソコンと向かい合って1日仕事している人には、ラジコはうってつけ。



ラジオは生番組が多いために、ツイッターを使ってリスナーが番組に参加したり、動画配信サイトの「Ustream」を使って、ラジオ番組を生中継するなど、ラジオの新たな試みが始まっている。


放送は一方通行だったが、それが双方向になってきた。



激動する社会で生き残れるのは、強い会社や大きい会社ではない。変化に対応した会社だけが生き残れる。



そういう意味では、AMラジオの試みは生き残りを賭けて、時代の変化に対応しようとしている。



パチンコ業界での1円パチンコの導入は、安く遊びたいというニーズに応えるべく、時代の変化に対応した試みといえなくもないが、いかんせん、新規客の開拓に結びついているとはいい難い。



ラジオは聴くだけのものという固定概念があったが、パソコンでラジオを聴くことによって、webカメラでスタジオの様子を簡単に生中継することができる時代になった。



では、具体的にパチンコをどう時代の変化に対応させるか、ということだが、AMラジオの実証実験は参考になる、と思う。



パチンコは時間消費型で生産性のないない産業だと見られている。この辺りにもヒントが隠されているかも知れない。



人気ブログランキング

夏のお客さまサービスに冷たい美味しい水を

この前新年を迎えたばかりだと、思っていたら早や4月も残りわずか。GWが明けると一気に初夏へと加速していく。



今年もまた暑い夏が訪れる。



クーラーのよく効いたホールは一種のオアシス。店内は避暑地だが、それでも乾燥した室内では、のどは渇く。こんなときはジュースより、のどの渇きを潤すには冷たくて美味しい水のほうがありがたい。



写真のウォーターサーバーは、富士山の天然バナジウム水。アサヒ飲料が最近テレビCMを流している今、話題の水だ。



バナジウムとは水に含まれているミネラル分の一種。富士山は全国でも珍しい玄武岩が多い地層で、玄武岩に含まれているバナジウムが、長い年月をかけて濾過され、富士山の伏流水にはバナジウムが多く含まれていることが特徴。



この富士山の天然バナジウム水をファンサービスに提供しているホールの店長はこう話す。



「新台を導入しても勝つお客様もいれば、負けるお客さんもいらっしゃいますが、これはお客様に平等に提供できるサービスです。しかも喜んでいただける。月額の水代は3万円ほどですが、機械代に比べたら安いものです」

このサーバーは温水も出るので、ステックタイプのコーヒーやお茶を無料で提供している。



こうしたファンサービスに徹するホールは、自販機の売り上げが下がる、なんてことは気にしない。



さて、ここからが本題。



パチンコ日報ではこの富士山の天然バナジウム水「クリティア25」の取り扱いをはじめました。



そのためのPR記事です。



値段は12リッターが1700円(一般のミネラルウォーターに比べるとバナジウム水はちょっと高い)。



温水と冷水が出るサーバーのレンタル料が月額500円。



ご注文は最低2個からの偶数でお願いします。



宅配便でお届けします。不要になった容器は家庭用の資源ごみで処分が可能です。



ご用命がありましたら、申し込み用紙を送らせていただきます。



必要事項を記入していただきましたら、手続きは完了です。ご希望日からウォーターサーバーと天然水をお届けします。



設置場所に電源があることだけをご確認ください。





■床置き型のサーバーサイズ

136(H)×34(W)×33.5(D)cm



■問合せ先/メールでお願いします。kakinaguripress@gmail.com




山は動く?・・・ホール業界の会計基準変更はあるのか?

今回の封入式パチンコのエントリーには、大きな反響があった。



老舗パチンコメーカーの元重役の方からそれに関する話を頂いた。それは次回に。



最初にこれだけは、書いておきたい。



★パチンコの換金が合法化された時、緩やかな変革を望む。



★特にホール業界にとって負担のない経過が望まれる。



経過措置期間を3年から5年を置き、業界全体でいい方向に向かって欲しい。



そのためには、ホール業界が「こうして欲しい」と前向きな意思表示が必要になる。



【今の形態のままで、換金のみ合法化されるシナリオを経て、徐々に業界が変わる方法を模索する指導的な役割を誰かが担う。それが出来たら一番いいのだが…】



玉封入式も「いきなり換金合法化に対応したシステムではない」にせよ、何れ市場に導入されることだろう。



それをホール側が受け入れるかどうかは、市場原理次第だ。



カジノにあるスロットを見れば分かるが、完全コイン投入式からコイン払い出しとレシート式払い出しが出現している。



パチンコも将来は、同じ道を歩み、銀玉の出玉からデジタル表示の時代に移行するだろう。



その初期段階が各台計数機システムともいえる。

玉封入式のテスト導入は、どんな形になるのか?



将来は玉や玉箱の需要も減る。島装置も簡単になる。

従業員の負担も大幅に軽減される。



玉封入式パチンコは、数社が共同開発する計画は進んでいる。

その先はパチンコ台だけではなくて、周辺設備も大幅に改善される模様だ。



特に玉の貸出では、消費税が変更されても、簡単な操作で対応できる。

100円あたりの貸出個数も、25玉から1玉単位で変更ができる。消費税が9%や11%になってもOKだ。



加えて、パチンコの会計方法が見直される可能性が高い。



会計方式は、グロス方式とネット方式がある。



これはカジノが合法化された時、パチンコ業界の会計方式も見直す可能性があり、賭博関係の会計が国際化されるという意味も含まれている。



簡単に書けば、売上に対して課税するのか、利益などに対して課税するのかの違い。この話は別の機会に譲る。



ホールを顧客に持つ会計士や税理士によると、会計手続を全て会計士に任せっきりのオー ナーは多いそうだ。



そんなオーナーの中には、会計方式にグロス方式とネット方式があることを知らない人も少なくない、という。



それを考えると、今回のパチンコの換金合法化が、他人事の様に感じているオーナーも多いのだろう。



(このグロス方式とネット方式の違いは、ホール店長以上の役職ならご存知なのが当たり前)



ここまでの影響をホール組合は、検討しなければならないのだが、先日この寄稿の件で、私が組合関係者に指摘した。



答えは「そうか!」と現時点の認識はそんなもの。



アメリカの公認会計士協会内のゲーム業特別委員会の話だが、カジノの会計処理基準を公表している。それによると、売上高は【勝ちと負けとの差額であって賭け金総額ではない】と明確化している。



皆さんがこれを読んだら、ホール関係者のみならず、パチンコ業界の売上の概念も変わるだろう。このゲーム業特別委員会の話の意味、分かりますよね。



つまり、日本でカジノが合法化された場合、カジノの売上金額は、このアメリカ方式を採用する可能性がある。というよりも、この方式を採用すると断言する。



その影響はパチンコ業界にも及ぶ。



パチンコ業界の総売上が30兆円と騒がれた頃、自動車産業と肩を並べる、と大々的に語られていた。



私はその時、業界重鎮に違和感を伝えた理由が、この賭博産業の会計基準の在り方だった。



しかし、私の考えは一蹴された(笑)。



この先に、パチンコ産業の市場規模の計算はどうなるのだろうか?



自動車会社時代の私の顧客に、MOF担だった上場メーカーの専務がいた。



MOF担。懐かしい言葉だ。



そう。財務省がまだ大蔵省と呼ばれていた時代、「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」が発覚した時、新聞記事で何回も出てきた単語だ。



Ministry of Financeの略称がMOFで、その担当者だからMOF担と呼ばれていた。


そのMOF担だった専務の知人に退官した大蔵官僚がいた。その元官僚を紹介して頂き、ホー ルの会計方法について意見を伺った。



この話も次回に書く。



20日のエントリーに対して、21日に次の様なコメントを頂戴した。



★常に2つ、3つ先を読むのが経営者視点だとしたら、この記事はいいものだと思います。換金 合法化、新型パチ、新基準…etcが出るか否かは、まだまだ未確定で全ては推論の域を出ないけれど、出てから後追いするのでは遅い…常にアンテナを高くして、物事を多角的に見る事の必要性を感じました。



コメントを入れて頂きました読者様ありがとうございます。



このコメントが全てを物語っていると思う。



パチンコの換金が合法化される前に、特にホール業界は、緊急に勉強部会を立ち上げることが重要で、既にその動きは始まっている。



会計基準の勉強もマジで必要だと思う。



次の話はうわさ話と最初に断っておく。



カジノ法案(パチンコ業法案)は、1年以内に国会に提出されるのか?



現時点で私が感じているのは、まだ先の様な気がする。ただ、あと半年で事態が変わることもあるのか?と注視しているが。



今の民主党の支持率があれだけ急降下していて、鳩山さんがあの調子ならカジノ法案どころではないかも知れない。



だからカジノ特別区域の話が出てきている。



与党関係者は現時点では可能性は半分以下、という。

地方の首長関係者からは「国民の支持は未だ得られていない」という。

カジノの支持は得られたとしても、パチンコ換金合法化については、国民は支持する意思表示の前に、「まだ認識するほど情報がない」と語るのは与党関係者。



水面下では、政治家がどう動いているのか分からないもの。カジノもパチンコも大きな金が動くので、政治家以外にも思惑があるし。



自動車セールスマン時代の私の顧客には、自民党と民主党の関係者もいた。



といっても、自民も民主も根っこは同じ。



2人の意見は、【現時点では】カジノ法案=パチンコ業法案の国会提出はない、という。



しかし、何回も書くが、一寸先は闇。何が起きるか分からないのが政治の世界。油断は禁物。



このシリーズ中にも書いたが、超党派のカジノ議連は、今回もアドバルーンを上げて反応を見ている段階だと思う。



ただ、気になるのが次のキーワードが、この時期に一斉に出てきたことだ。



*カジノ&パチンコ合法化の検討

*一物二価問題&一物一価指導問題

*玉封入式パチンコ開発の噂

*CR機提訴問題

*政権交代問題

*地方首長カジノ支持

*ホール内ATM導入の波紋



上記の話の信憑性がどこまで高いのか?



カジノ法案は提出されて、パチンコが見送りになる可能性は?



本年度は無理でも1年先には、カジノ法案が通過する可能性は高い?

議員が上げたカジノ法案のアドバルーンを国民が見ている。その国民の反応を政治家が観察する。



秋の国会までは時間があるから、それまでに状況が大きく転換する可能性がある。



新聞報道の後、株式市場は敏感に反応。カジノ関連株が上昇基調になっていた。



不況の今、株価が上昇する案件があれば、政府とすれば放ってはおけないだろう。



政界関係者は「一物一価問題で、警察の対応が厳しくなっているのは、警察の存在感を示すためではないのか」という。



この話も次回に書く。



つづく



人気ブログランキング

新シリーズ元店長の主張…その⑧「業界バブルとそれぞれの立場の認識」

イベントのない時代のお客様は、一つのホールで遊技する事が多かった傾向にあったが、イベントが常識になると、お客様の異店舗間移動が増えた。



イベント以前は、同じホールに定住した方が、調整の癖を掴みやすいこともあり、お客様が浮気する率は低かった。



イベントが盛んになると、イベント荒しと呼ばれる客層も生まれた。

中には完全にイベントプロになってしまった層も多かった。



ケータイやパソコンにイベント情報が送られ、それでお客様が店舗間を移動するようになった時、スロットが全盛時代を迎えていた。



1日に何回もメールを送信する店舗。



「本日設定⑤⑥投入イベント、現在キングパルサーコーナーに⑤⑥の空き台があります」などと途中経過のメールが流れると、若いお客様が他店から流れてくる。



あの時代は、正にバブル状態だった。



そのバブルに完全に踊らせれたのが、お客様よりもホール側だったのかも知れない。



全盛時に1万8000店舗あったホールが、現在は1万2000店舗に減少した。しかし、中には今が「正常な数値」と指摘する業界関係者もいる。



私もこの考えに同調した。



ST機があの時になければ、現状はどうなっていたかと想像したが、妄想は楽しい。



4号機が規制されてから、多くのスロ専が淘汰された。山手線沿線にあったスロ専は壊滅状態。スロットバブルを物語る象徴的な出来事だ。



バブルと言えば1980年代後半からのバブル景気を思い出す。



1988年前後のバブル経済期間に、ビジネスを経験した人は分かると思うが、あの時代には気づかなかったが、今から思い起こすと、本当に狂気の時代だった。



1ドル240円が1年後に120円になったり、一坪150万円の土地があっと言う間に500万円。



この頃、私は欧州自動車メーカーの日本法人で、新車の販売や、新人教育、ディーラー管理をしていた。



国内販売価格700万円の新車。

この時代の宣伝費は、宣伝費÷国内販売台数=50万円であった。



日本国内で700万円の車種と同レベルのグレード車は、アメリカでは400万円で販売されていた。



その700万円の車を、正規代理店に卸す価格は、500万円弱。



競合車種を販売する会社に勤務していた中学の同級生によると、国内価格が1000万円の輸入車の仕入れ価格は「400万円」。



だから正にバブル真っ只中。価格が高い車種ほど売れた時代である。



この時代の輸入車は、正規輸入車と並行輸入車の2ルートが健在していた時期でもある。



それだけ国内価格が高かったと言う証拠だ。



時計もそう。



国内販売価格50万円のロレックスが、免税店では25万円。税金も高い時代だった。



それでも国内では高いロレックスが売れた。

宝飾品は仕入原価の10~20倍で売れた時代。



私はバブルの頃、欧州自動車メーカーの日本法人に勤務していて、甘い思いをしていたのでラッキーだったかも知れない。



会社から新型車が毎年1台支給されて、ガソリン代も保険もすべて会社持ち。



給料は6~7台売れば、月給で75万円~85万円は支給されていた。会社には20歳代や30歳代で1000万円プレーヤーがぞろぞろ。



そんな時期と、パチンコ・スロットの全盛期を見比べているのだが、私はどうしても今までの業界がバブルに思えてならない。



4号機バブルの当時、スロ専のオーナーには、「いつかバブルが弾けますよ(規制)」と話してきた。



この場合、オーナーは二種類に分かれる。



儲けられる時に儲けて、あとはサッと去ればいいと思うオーナー。



儲けられる時に蓄えて、次の事業に備えるオーナー。



しかし、現実は会社を倒産させたオーナーも多かった。



その状況を見ると、店舗数が激減しても、今が適正なのかも知れない。



パチンコ業界の環境は厳しい。



と言いながらも、雇用は活発だ。異業種から見れば、厳しいとは思えないのが本音。



異業種の経営者が集まる勉強会で、パチンコ業界について出た話がこれだ。



「今までの粗利や経常利益が異常であって、それが適正化に向かっているだけ」と。



地方ではパチンコだけではなく、一般業種でも淘汰があり、閉店や倒産は当たり前。



パチンコバブルでタケノコのように出てきたホールが、蜉蝣がごとく消えただけ。



不景気なのに、ホールはMAX機の存在で、過去最高の粗利を得ていたケースが先日まで目立った。



それに慣れてしまっているオーナーも多い。特に2世、3世。



しかし、創業50余年のオーナーは、堅実な思いを持っている。



「我々の業界は、当局の規制と緩和、様々な差別などの障害を経験してきた。都市部のホールはまだ良いが、地方のホールは今の苦しさを凌げば、必ず光が見えてくる。今まではおまけで、昔を思えば今の苦境は大したことではない」と自分を奮い立たせる。



バブルの頃、当時は3流メーカーに入社した友達は、その後の人生に驚く。思い起こせばラッキーだったと話す。



彼は3流大学出身で、当時は人気がなかったパチンコメーカーに就職(それ以外の希望就職先は落ちた)。



入社当時はヒット機が無いメーカーだったが、数年後に大ヒット機が誕生した。



会社の売上は倍々で増加。



当時の給料は1年で倍増した。



所長の給料も年収3500万円。その大半がボーナスに相当する部分だ。



機械代がまだ20万円そこそこの時代だった。



その機械は売れに売れて、製造原価が最終的には10%台まで下がったと聞いた。



高卒で入りたての女性事務員の年末ボーナスが80万円。



こう思い出すと、1980年代後半のバブル景気よりも、パチンコ業界のバブル景気は長いと感じる。



しかし、機械メーカーよりも早くホール業界のバブルが終焉を迎えようとしている。



機械メーカーはそれを分かっているのも確かである。



メーカーやホールの立場の違いで、そのバブル崩壊の対処が違う。



あるメーカー関係者から聞いた話が、元国会議員に聞いた話と似ていた。



今のままで行けば、日本国の借金は1000兆円を超えるだろう。



実はこの借金の大部分は、国債購入者が、国内の金融機関が大半を占めるため、これだけ多くの借金を抱えながら、なかなか国は倒れない、という。



元国会議員は、さらにこう話す。

「国の借金を一般家庭の家計に置き換えたら、この先の日本はどうなるのか、誰でも想像出来るはずだ」



しかし、それを先送りしているだけ。



国民一人当たりの借金が700万円~800万円で、国民の収入が400万円。



家族4人の家庭の総借金額が(700~800万円)×4人≒3000万円。それでいて家庭内年収が約400万円だったらどうなるのか?



この先人口が減り、社会厚生費用が上がる高齢化社会が到来する。



メーカー関係者はメーカー戦国時代を指摘する。



「昔はなかなかシェアを取れないでいたメーカーが、今は一流の仲間入りが可能な時代になっている。諦めていたメーカーが、自信を持てる時代でもある。本来はメーカーが主体となり業界を牽引して、ホール業界を牽引するのが理想だが、メーカーは自分の足元を固めなければ、いつ牙城が崩れるか心配だ。

数年で売上が数倍になる業界。一昔の二流メーカーが今は超一流の存在。だからその逆がある事も弁えている。

ホール側から見たら、木枠など共通にして欲しい面は多く存在する。しかし、そんな協調性はメーカーにはない。

今は、良い機械を多く出して会社の基盤を固めたいのが、一流組の本音だろう。

二流組は、毛色の違う機種を出して、隙間を狙う戦略をとる。

だからメーカー同士は、資本提携をしていなければ協力など出来ない」



ホールの苦しみは分かっていても、今の状況から舵取りは変えられないのだ。

ホールが淘汰されるのは当たり前で、生き残りの可能性のあるホールを主体に目を向けているとも言う。



確かに主要50社のホール企業に目を向けている担当者は多い。



一物一価問題が語られているが、この問題は随分前からくすぶっていた。



ある地区の組合は、この問題では監督官庁と話が出来ていたが、大元の警察庁はそうはさせない。



近隣の都道府県で一物一価が徹底されないように、飛び火に神経を擦り減らす。



こうした問題を孕む許認可業界だから、メーカーも体力を蓄えることに重点を置く。



ここまでの話は、メーカー側の総意ではなくて、一業界人の話しであることを了解願いたい。



これからの日本とパチンコ業界、展望は似たり寄ったりだと言うことである。



ホール企業を支えているのは「お客様」。



メーカーを支えているのは「ホール」と「お客様」・



つまり一番大切にしなくてはならないのが「お客様」なのだが…。



この話は同じ業界なのに、立場が違えば、考え方も変わる、と言うこと。



パチンコホールにおけるお客様の感動もそうだ。



ホールのポジションやお客様のホール環境の違いも、お客様と集客と感動の方程式の答えに大きな影響を与える。



景品イベントに批判的な人がいるが、これはそのホールのポジションで考え方が変わる。



だから全て否定されるのは如何なもか?



繁盛ホールの景品イベントと、閑古鳥ホールの景品イベントを、同じテーブルで考えてはならない。立場が違うと同じイベントでも意味合いが違うのだ。



同じ場所で半世紀以上もホール経営をしている会社は、それなりのノウハウがあると言うこと。



つづく



人気ブログランキング