パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

元店長の10年後20年後のユーザーを育てる業界にするには 中

パチンコを始めるきっかけが、どんどん減ってきている。

政府は、依存症対策の一環として、家族からの要請があれば、パチンコ店に入場出来ない制度の導入を明言しました。

また、JRAは家族からの要請があれば、口座引き落としで馬券を買えないようにするシステムを来年度中には始めることにしました。

カジノ開設の飛び火が、パチンコや競馬などに及びだした。

以前、パチンコ業界人の一部は、カジノ開設の影響は「限定的」と楽観視していましたよね。

その予測が完全にハズレ、予測不足が確定しました。つまり、全ては最悪を予測して行動するべきなんです。

防災も最悪を予測して行うべきだと、東日本大震災で学びましたよね。特にパチンコ業界は、最悪を予測して行動して行くのが丁度いい。

家族からの要請でパチンコ店に入場出来ないのならば、隠れてパチンコをやる人が激増するでしょう。

その影響はどうか? それは後で記述するとして、パチンコ業界を家族も国も、ギャンブルとしてみている証拠なんですよ。

組合名を◯◯遊技組合とか、機械を呼ぶ時に遊技機とか、言っているから、業界の人達はみんな、パチンコやスロットは遊技だと勘違いしているんですね。

その勘違いも2017年で終わりです。来年からは「全日本博打業協同組合」になるくらいの気構えが必要になる。

それが嫌なら、本当の遊技業に戻ることを業界挙げて展開をしないと、手遅れになりますよ。最悪を予測して、業界全体の展開を検討しなければならないのです。

この15年、業界は色々とやって来ましたが、どれだけ効果が上がりましたか?

遊技業界の努力は、
遊技人口減少の役に立ちましたよね。
売り上げ減少の役に立ちましたよね。

1円、5円と言う低レートはお客様に支持された替わりに、4円、20円の支持は減りましたよね。

これが遊技業界の努力の結果なんですよ。

1円、5円が遊技人口の底上げになるのが本来の姿ですが、底上げどころか、4円、20円からドロップアウトするお客様の受け皿になっただけです。別の言い方をすれば、1円、5円が4円、20円を食い潰した、ということです。

ホール業は、安易に簡単な方向へ走ったツケが現在の姿なんですよね。

良かったのは、ホールの延命装置になったところでしょうか。

延命装置にも寿命はあります。そろそろ交換する時期になりました。古い延命装置を使い続けると疲労が溜まり突然止まります。既に突然止まったホールが2000店舗以上もあるじゃないですか?

この先、日本の消費税は間違いなく15%は超えます。さらには20%になるでしょう。

自民党の大物実力者がこんな話をしています。

「今回安倍政権が圧勝した後、増税ラッシュになったでしょ。2019年まで国政選挙がないから、今が一番増税をやり易いからね。タバコも第3のビールも増税、出国する際に1人あたり千円の出国税、1人あたり千円の森林環境税もある。そして消費税は10%になる。だから政府は企業に賃上げを求めている。だってもっともっと増税したいのが政府の本音なんだから」

2011年以降、住民税の年少扶養控除が廃止され、年収960万円以上の世帯に児童手当の所得制限が設定。この間は消費税率が8%にアップし、予定通りならは再来年には10%に上がる。

産経新聞で紹介されておりましたが、大和総研の是枝俊吾研究員の試算によると、妻が専業主婦で子供2人(中学生以下、3歳以上)がいる「片働き4人世帯」で、年収500万円のモデルケースでは、平成23年に比べて30年には、可処分所得が約30万円ダウン。434万2300円あった可処分所得は、403万9900円に減る、とのこと。

つまりこの先、庶民はますますパチンコに手を出さない下地が出来つつある。だからこそ、これからのパチンコは、本来の姿、遊技業へ戻さないとならないんです。

戻すには、まず業界人の頭の構造を変えなきゃならない。

パチンコをやったことのない人たちの立場に立ってみる感覚が必要です。

パチンコをやらない人たちのパチンコに対する悪いイメージを変えなきゃならない。悪いイメージを払拭するにはどうしたらいいのか?

その工程を次回で書きたいと思います。

つづく


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元店長の10年後20年後のユーザーを育てる業界にするには 上

金融商品で、元手50万円から8000万円に増やした友人がいます。小生が欧州系自動車メーカーの日本法人に在籍していた時の顧客には、今流で言うセレブが大勢いました。

老舗企業のオーナーは、子供が中学生になると、株運用のための資金を提供しておりました。後継のための英才教育の一環です。

資金提供は、譲渡ではなくて、貸し出しなんですね。ちゃんと借用書も作成します。子供に株の教育をさせると同時に、生の経済学を学ばせる。株の指南役は、親父であったり、証券会社の人間であったりね。そんなケースは山ほど見てきました。

この時点で、子供の将来の格差が生まれるんです。

昔の日本人の感覚では、コツコツと貯金して…が美徳とされましたが、今の日本では、コツコツでは資産が増やせない。投資で成功した者だけが、大きな富を得られる。

現在の株価は、民主党時代の倍以上ですよね。単純に持っていた1000万円が2500万円くらいになっています。リーマンショックの時に500万円で安値買いした友達は、今は1億1000万円になっている。

投資の中でも株関連は、周りに株をやっている人がいると、株に対するハードルが低いので、すんなり株を始めたりする。逆に、周りに株をやらない人ばかりだと、一生株に縁がなかったりする。

株とパチンコは、ジャンルは違えども、始めるきっかけは同じです。

誰かが誘えば始めやすい。パチンコの場合は、そのパターンが完全に崩れている。つまり将来が危ない。

昔、パチンコを始めるきっかけは以下の通りです。
①親に連れられてホールに行った。
②高校や大学の悪友に連れられてホールに行った。
③彼に連れられてホールに行った彼女。
④パチンコで5000円勝った話を聞いてやってみた人。
⑤テレビで観たパチンコ番組を観た人。
⑥パチンコ冬ソナで始めた主婦。

こうやって、「初めてのパチンコ物語」を紐解くと、色々と見えてくる。特に業界から離れている小生には色々見えてきます。パチンコを始めるキッカケが少なくなってきている。

理由の第一は、パチンコやスロットが、遊技ではなくギャンブルになったから。

私が皆様にお願いした、業界人向けアンケートで、
(Q)業界人のあなたは、家族や親戚にパチンコやスロットを勧められますか?
との設問に、ほぼ100%の業界人の答えは、NOでしたよね。

こんな業界に誰がした!

出玉規制に嘆き、不安を抱える業界人に言いたい。
出玉規制は、パチンコ業界の最後のチャンスなんです、と。

何がチャンスかって?

つづく



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警察の事情聴取はナゼ長いのか?

大相撲の日馬富士暴行事件で、日馬富士や白鵬に対する警察の事情聴取が7時間を超えたとの報道がありました。

なぜ、こんなに長時間に及ぶのか? 私の体験を踏まえてお話しします。

皆さんはパチンコ玉やスロットコインの盗難被害に遭ったことはありますか? 私は2回コインの盗難に遭いました。

北斗の拳4号機時代。カチ盛り1箱、約2万5千円相当のコインを盗まれました。

ちょっと電話をしに席を離れた時のことでした。ホールに戻って来たら、ホールスタッフの雪ちゃんが、「元店長さん、コイン盗まれました。交換前に気付き、犯人を確保しています。どうしますか?」と聞いてきました。

犯人の顔を見ると、以前もご婦人の下皿のコインを盗んだヤツだったので、警察に突き出すことにしました。

110番するとパトカーが来て犯人を連行して行きました。

警察官からは次の3名も所轄に来て欲しいといわれました。

①被害者の私
②盗みに気が付いたスタッフの雪ちゃん
③雪ちゃんの上司のマネージャー

コインが盗まれた時間が12時30分。
その後、警察署に行って、私たち3名が警察から解放されたのが、17時30分。なんと5時間にも及ぶ拘束! もちろん、この5時間はタダ働き。

3名は別々に事情聴取を受けます。

その時のことは今でも鮮明に覚えています。私が聞かれた質問は、「えっ?そこまで聴くのか?!」と驚いたものでした。

順を追って書いてみます。

⑴今日、あなたは、どうしてこの店に来たのですか?
⑵この店を選んだのは何故ですか?
⑶何時頃に自宅を出ましたか?
⑷何を利用してこの店まで来ましたか?
⑸何故あの台に座ったのですか?
⑹いくら使いましたか?
⑺座って何分で出ましたか?
⑻何故席を離れたのですか?
⑼何分席を離れていましたか?
⑽何枚ありましたか?
(11)盗まれる心配は無かった?
(12)どこに電話をしていましたか?
(13)盗まれたことを知ったのは何処でしたか?
(14)盗まれたことを誰に聞きましたか?
(15)聞いた時、どこの場所で聞きましたか?

この質問のやり取りを、警察官がいちいち文章にするのですから、時間が凄くかかる。一通りの事情聴取が終わったのが15時30分頃です。

「これで解放される!」と思ったら、別の警察官が来て、「まだ、時間大丈夫?」と嫌な予感。お茶もカツ丼も出ずに、こっちはクタクタ。

時間延長の理由がこう告げられました。

「犯人は執行猶予中なのが分かりましたので、執行猶予中の再犯は逮捕しなくてはなりません。これから逮捕状を請求して逮捕となります。そのために、もう少し事情聴取が必要になるかも知れません」

警察署を出たのが17時30分。

その後ホールへ戻り、コインを盗まれた台付近で写真を撮影。実況検分みたいなことがありました。

日馬富士は、暴行傷害事件ですから、私の事情聴取以上に詳しい話を聴かれたはず。だから7、8時間かかるんですよ。

2度目のコイン窃盗被害は、同じホール。今度はジャグラーを打っていて、盗まれました。

この時もホールスタッフが気づき、休憩から戻った私に店長が「どうしますか?」と聞いてきましたが、「もう、懲り懲りだよ。犯人を出入り禁止にしてくれ!」とお願いするに止めました。

客は長時間拘束され、タダ働きと同じですからね。



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元店長の2017年業界雑感その③

エントリーに対してのコメントありがとうございます。厚く熱く御礼申し上げます。

20日、関東郊外に出張があり、国道16号線と国道◯号線が交わる辺りのホールにふらっと入りました。

場所はホールが特定されるのでハッキリは書きませんが、関東人は分かると思いますが、二つの国道は関東の大動脈道路です。

国道16号線沿いにあるホールは、勢いあるホールチェーンに買収されて、再オープンして1年未満。

20日20時の時点でお客様は15人です。一人もお客様がいない島だらけ。
この店の前を月に一回は通りますが、お客様の稼働が2割以上を見たことがありません。
目の前をガンガン車が行き交うのに。

ここ数年、交通量が多い幹線沿いのホールが閉店するなんて良く見ます。東京の動脈でもある新青梅街道沿いにあるホールと、すぐに近くのホールが立て続けに閉店したこともありました。

先日は、こんなロケーションのホールもダメなのか、と思うケースも。
茨城県の守谷近くのホールで、近くには超大型ホームセンターがあるし、交通量は結構あるし、目の前は開店して50年は経とうかというボーリング場があるのですが、ホールは閉店していました。

ボーリング場がやっていけている地区でパチンコはダメなんですね。
ボーリング場は、一度初期投資をしたら、長くその設備を使えて、少しずつ回収出来るから、ボーリング場の固定客を掴めば、やって行けるのですね。

加えて魅力的な料金プランもあります。



これを見ると、ジュニア会員があります。子供の頃から、そこのボーリング場の顧客になる訳ですよ。

道路を隔てたレジャー産業対決は、細く長く営業してきたボーリング場の勝ちでした。

こんな私がパチンコ好きになったのは、親の影響です。小学生なった頃から、月に1回、両親とパチンコ店に行っていました。パチンコ版ジュニア会員?

その頃は手打ちのチューリップ台。一発一発、丁寧に打つように言われ、母からは「入れ入れ、と心の中でお願いしながら打つんだよ」とアドバイスされ、それを信じていたものです。だって、まだサンタクロースがいる!と信じていた時代ですから。当時は、保護者同伴なら子供の遊技は黙認状態でした。

それとあの頃は、子供向けパチンコ台がおもちゃ屋にあった時代で、買ってもらいました。
また、自分でベニヤ板に釘を打って自作のパチンコ台を作っていました。

当時は捨てられていたパチンコ台を拾って来て、機械の仕組みを学んだことを今でも覚えています。

昔は、そんな子供が多かった。そんな小学生が高校生になるとパチンコを始める。パチンコへの入門の扉は全開!

今は、入門の扉は錆つき、硬くて中々開かない。つまり、遊技人口は減る運命なんですよね。パチンコの扉は錆びついているわけですから。

加えて、娯楽の多様化でパチンコ以外に目が向く。

若い人は知らないと思いますが、パチンコは娯楽の王様と言われていた。もう一度言います、娯楽の王様ですよ。

ところが、フィーバー機が出現して手軽なギャンブルと言われ始めた。これが娯楽から手軽なギャンブルへのターニングポイントです。

遊技人口が3000万人になってから今日まで、長い、長い手軽なギャンブルのバブル期でした。

色々な規制や指導が厳しくなって、遊技人口が減ってきたのですが、時代に合わない産業になったことに早くから気が付いていたのに、特効薬が見つからない。

それどころか、手軽なギャンブルから敷居の高いギャンブルになってしまった。

敷居が高くなってしまったギャンブルを3年くらいかけて、行政が強制的に娯楽の王様に引き戻すわけです。

しかし、求められることは業界自らの手で、次のようにパチンコ遊技をどうするかということです。

①娯楽の王様に変えることについて、どう考えているのか?
②敷居の低い遊びとして初心者に対するアピールをどう展開するのか?
③業界として、今後5年間で遊技人口を何%増やす計画なのか?

特に③の計画は、業界としてではなくて、あなたが管理する店舗として、あなたが所属するホール企業として、どのくらいの計画を立てるかが重要です。

大手チェーンでも新基準機の動向が読めないから、そんな計画は立てられない、と言います。

全国の店長さんは、自社の本部長やオーナーに、5年後10年後に何%客数を増やす計画があるのかを質問してみて下さい。

おっと、その前に、業界全体の遊技人口が1000万人と言われていますが、あなたの会社の遊技人口は何人ですか?

つづく



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やはり隣の芝生は青かった

都心で1000台を優にオーバーする台数を有するホールは、グループでも最大級の規模を誇る。オープンして数年が経過するが、現場からは「半分の台数で十分」との恨み節も聞こえてくる。オープン時からパンパンになったことはない。

毎月家賃だけで3500万円を必要とする。4円全盛期なら、この規模でその家賃なら苦も無く払えただろうが、1パチ主体では毎月の家賃が重くのしかかる。

これまで自社物件で展開してきたので、家賃負担を心配することはなかったが、日割りにすると約100万円。その100万円分をお客に還元するだけでも集客面で効果がある、というものだ。

大型店には大型店の有利さがあるが、おそらくこのホールのケースでも感覚で総台数を決めてしまったものと思われる。

大型店は遊技機の不作が続くとホールを埋めるものがなくなってくる。6号機時代を迎えるとしばらくは、島構成がパチンコへ比重を置くことにもなりそうだ。

遊技機規則が2月1日以降変わるが、いきなり新基準機が登場することもなさそうだ。発売されたところで、しばらくは様子見が続くものと思われる。

「今は認定申請や年末商戦で登場する新機種で、来年2月1日以降も使える機械のことで頭が一杯です。会議では来年はしばらく新台を買わなくてもメーカーは納得してくれる期間が続くだろう、という意見も出ています。新基準機はどこも様子見をするので買わない理由が立って断りやすい。無駄な新台を買わずにそれを原資に、旧基準機を開けて使う」(大手ホール関係者)

大手も率先して来年は新台を買わない方針を打ち出している。メーカーが自信を持ってリリースするビッグコンテンツ以外、ますます売れない傾向が先鋭化されて行きそうだ。

地方では1パチにしか客がいず、1パチを飛ばしたら終わり、という悲壮感が漂う。それは首都圏の千葉県と言えども例外ではない。千葉県内で4店舗を運営する法人は、地元ではターミナル立地になのに、客がどんどんいなくなったために、東京進出を決意した。

しかし、それは「隣の芝生は青い」のような幻想でしかなかった。乗降客の多い中央線の駅前の一等地に出店したが、グランドオープン時から勝負はついていた。4パチは全く振るわず、残された道は低貸し専門店にするしかない。
小型店舗だが1パチでは家賃負担ものしんどくなってくる。こんな状態ではいずれ、新台も買えなくなる。

隣接する地元の横綱に挑戦して跳ねのけられ、撤退した法人は2~3社を数える。

東京の駅前一等地でも決して楽には商売できないのが現状である。

地方だけでなく首都圏でも厳しさは同じだ。ホールも大変だが、来年は売れる新基準機が登場しないことには、メーカーが地獄を見る年になりそうだ。



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