なぜ、11月14日なのかというと、昭和41年のこの日に全遊連が発足した日を記念したものだ。さらに遡ると、昭和5年のこの日に、名古屋でパチンコ1号店の許可が下りた日ともいわれている。
パチンコの日を記念して、現在は全日遊連主催で「全国パチンコ・パチスロファン感謝デー」と銘打ち、今は11月14日とは関係なく、第三週の金、土、日の3日間に亘って感謝祭が繰り広げられている。
昭和54年スタートということは38年間にも亘って続けられていることになる。筆者が業界誌に入社した58年頃はこのファン感が一番盛り上がっていた時期だったのか、記者が総力を挙げて全国各地のホールを取材に飛び回っていた。数年間は風物詩的に大きく取り上げていた記憶がある。
ちなみに、組合が分裂解散して全日遊連になってからは第27回となっている。ただ、38年も続けばすっかりマンネリ化してくるが、イベントが規制された今では別な意味でファン感が持て囃される。この3日間だけは大手を振って集客イベントができるからだ。
今も昔も変わらないのはファン感の賞品を巡っての社内不正だ。かつては、1等などの高額賞品の当たりくじを入れないで、社内の忘年会で抽選会の特等景品に使っていたホールもあったが、これは会社の組織的なインチキ。埼玉で起こった事件は店長が友達に対して行った業務上横領?利益供与ということになる。
今回の狙われたのは1等賞品のダイソンのハンディークリーナーだった。もはや32インチの液晶テレビは欲しくもないが、ダイソンの掃除機なら確かに欲しいアイテムではある。
では、どうやって1等を友達に渡すことができたのか?
方法は意外と原始的だった。抽選箱の中に1等の当たりくじは入っている。その前に、不正で1等に当たるには最初に引かなければ、他の客に引かれる可能性がある。
そこで、店長は1番台から抽選箱を持って回ることにして、1番台に座らせた。そうすれば、他の客に引かれる心配はない。
次にどうやって当たりを引かせるか。それが最大のポイントになるが店長が考えたのは当たりくじだけ、少しだけ糊で止める方法だった。かき回しても底にへばりついているのが当たりくじだった。
では、どうして、この不正が漏れ伝わってきたか?
それは当該ホールのバイト社員が、店長がケータイで話している内容が聞くでもなく、聞こえてきたからだ。
バイト社員はもうホールを辞める予定だったので、店長に事の次第を問い質した。当然、店長は「やっていない」としらを切った。
証拠もないが、社内調査に乗り出すことになった。

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