ホール企業が売り上げを上げる手法としては、店舗を増やすことだった。1店舗の売り上げを上げるというより、店舗を増やすことで会社全体の売り上げを上げる方法がこれまでのやり方だったが、4円の稼働落ち込みが激しい今は、店舗を増やしたところで、会社全体の売り上げも上がらなくなっている。
「ここ何年かの新規店舗はほとんどダメ。赤字ではありませんが、小便カーブと揶揄されています」(同)
売り上げダウンにより、ここ数年間はコストカットも徹底されている。
「例えば、あるものを現場が10個注文した、とします。ところが、上からは本当に10個必要なのか、と念を押される。原因は粗利から最終利益が言われるようになって、余分な予算は使わせない。社内の雰囲気はまるでお通夜のようです」(同)
店舗を増やしても売り上げが上がらないのであれば、拡大路線も見直さなければならない。ランチェスターの法則の一つである「ドミナント戦略」にも陰りが見えてきているからだ。
ビジネスの世界で「ドミナント戦略」とは、攻める地域を特定し、その特定した地域内に集中して店舗を出店することだ。これにより、バラバラに出店するよりも効率が上がり、一点集中でそのエリアの顧客を独占することができる。
ドミナントで競合店を駆逐したまでは良かったが、遊技人口が減っている現状では、今度は自店同士で顧客を奪い合うような、非常に効率の悪い結果を招いている。結果的に効率を上げるために、自店舗でも稼働の悪い店舗を閉めることになっている。
力技で相手を叩きのめした手法は今や懐かしさすら感じる。力技が使えないと怖くもなくなる。
一般的に創業者は攻撃的な営業を仕掛けて成長する。
経営には攻めと守りの両方のバランスが必要であることは言うまでもない。攻める一方ではリスクがあるし、守るだけでは事業拡大は望めない。
攻めの営業から一転、守りにつくと時代のニーズに対応しきれず顧客が離れてしまったり、他社に遅れをとってしい衰退して行くイメージがある。
ここは攻守のバランス感覚が取れる優秀な人材を外部から引っ張ってくることが近道かも知れない。

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